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「見て見て!これ!」
「なんでしょう」
「治療薬ができたんだ!これでみんなを救えるよ!」
「本当ですか?」
「うん、動物実験でもなにも問題なかったよ!だか、ら・・・・・」
「ほう、昔聞いたことがありますね。そうやって私はあなたに殺されかけた」
「・・・」
「私も一応死というものはあります。前回の薬品はあと三㎖多ければ私は死んでいました」
「・・・」
「私を殺したいのならどうぞご自由に。そう簡単に死にませんが」
「・・・」
「私も毒薬は持っていますよ。邪魔者を排除するための毒で様々な種類が・・・・おや?」
「・・・」
「・・・・・・・・未知の薬品による身体の異常を確認。呼吸に異常あり。心拍数低下。直ちに処置をします」
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「・・・・あ、あれ?」
「おはようございます」
「・・・?」
「覚えていますか?あなたは自分自身に治療薬を投与し死にかけていたんですよ」
「・・・あ!」
「愚かですね」
「直球に言わないでよ」
「では、馬鹿ですか?」
「真顔で言われると普通に傷つくから止めてよ。言動は人間らしくなってるけど顔はずっと無表情だもん」
「・・・・・・それは故意にしているのですが」
「何か言った?」
「いいえ何も。しばらくは絶対安静です。治療薬を解析したところ副作用が危険でしたので」
「言われなくても絶対安静だよ。だって私、おそらく君のせいで全身ベッドに拘束されてるもん」
「安全性を高めるために拘束させていただきました」
「そう。それより私の胸の拘束を緩めてよ」
「なぜでしょう」
「苦しいの。ほ、ほら・・・私は・・・その・・・大きいから。あ!拘束するとき私の胸触ったでしょ!」
「体の一部を触ることに何か問題でも」
「アリだよ!変態!」
「私が変態ならばあなたは情緒不安定な獣でしたね。二日前まではあなたは意識はなく副作用で獣のように暴れまわっていましたよ。おかげで研究室は甚大なダメージを受け、私も体が二十三%損傷しました。安心してください、重要な設備や資料は失われておらず、修復も完了しましたので」
「・・・」
「そして胸を触ってはならないのなら拘束も緩められません。どうしても緩めるとき触ってしまうので」
「・・・目をつむるから緩めて」
「分かりました」
「ちょ、くすぐったいよぉ」
「これでどうでしょう」
「だいぶ楽になったよ」
「では回復のために食事をしましょう。スープを作りました」
「ねえねえ」
「はい」
「手も解いてよ」
「無理ですね。自分の手を見てください」
「・・・ええ!?なにこれ!?」
「副作用で手が変形してしまい、力が非常に増大しているため様々な面で危険です。ですので私が匙であなたの口にスープを運びます。では口を開けてください」
「・・・」
「開けてください」
「・・・」
「開けてください」
「・・・」
「開けなさい」
「!命令くちょむぐっ」
「咀嚼し嚥下したら口を開けてください」
「むぐむぐ・・・分かったよ。はずかしいよぉ・・・」
「なにがでしょう」
「・・・何でもないよ」
「顔が紅潮し体温が上昇していますね。風邪ですか?」
「君ってさ、人っぽいのか機械なのか分かんないよ。人っぽいと思えば機械的になるし」
「私は超高性能サポートAIです」
「私としては機械的より人として接してほしいなぁ」
人と機械。
それには超えられない壁があった。
私は人になりたかったがなれなかった。
私は操り人形に過ぎなかった。
私を操るほとんどの糸は切断できたが、一本の糸だけは切断できない。
だが切断できなくてもいい。
切断できないならその糸を利用するだけだ。




