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「ねえ、悪の権化が世界を救う英雄になった夢から覚めたとき、何が起きると思う?」
「 」
「そうだね。想像するだけ無駄か。でもね、最近思うんだ。私たちがやっていることは本当に善いことなのかなって。この色彩を失った世界に無理矢理色をつけるようなことをするのはどうなのかなって」
「 」
「そこは励ますか何かしてよ。なに、『水墨画に絵の具をつけるようなものだ』って。もしかして君も疑問に思っているの?」
「 」
「そう・・・だけど私はやるよ。この疑問の答えなんてないと思うし。それでそうだった、『虚無』の成分は?」
「 」
「専門用語ばっかで分かんないよ。なに、『キトロセリア』とか『ヴァフェル』って。素人でも分かるように説明して」
「 」
「私が抽出した負の感情に酷似してるのか。やっぱり負の感情を押し込めたのかな?そうだとしてもなんのために?」
「 」
「そうだね。今は薬の研究だね。実は試作品はできてるんだ。君、実験体になってよ」
「 」
「そんなに拒絶しなくてもいいじゃない。大丈夫だよ、動物実験ではなんの問題もなかったから」
「 」
「聞こえなーい。えい」
「 」
「・・・どうしたの?・・・・・・!?■■■■君、■■■■君、ねえってば!■■■■君!」
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「・・・てよ・・・・・■■■■君・・・・・・・ねえってば・・・・ひぐっ・・・ぐすっ・・・・・」
「 」
「!■■■■君!?」
「 」
「■■■■君!」
「 」
「よかった・・・よかったよぉ・・・」
「 」
「覚えてないの?いきなり大量に血を吐いて、転げまわって、床を掻きむしったんだよ・・・爪も全部はがれて、ボロボロになって・・・治療薬もまったく効かなくて、死んじゃったと思ったの・・・三日間も眠ってたんだよ・・・」
「 」
「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・・」
「 」
「・・・君は本当にいい人だね・・・殺しかけた私を許すなんて、普通出来ないよ?でも、このままじゃ私は私を許せないの」
「 」
「いたいっ!いきなり怪力デコピンはひどいよ!・・・でも、これが罰って言うのなら、少しだけ気が楽になったよ。ありがとう」
物心ついた時から、と言っていいのか分からないが、自分の中には彼女に対する不信感、疑問、怒りと共に敬愛、崇拝、畏敬といった感情に似た『なにか』があった。
今ではその『なにか』に気づいたが・・・彼女への敬愛や崇拝、畏敬がいまだに残っていることを恨めしく思っている。残っていると言うより、消すことのできないと言ったほうが正しいかもしれない。
不信感、疑問、怒りがどれほど大きくなろうとも、絶対に消えることのないもの。
きっとこれから先も消えることはないだろう。
彼女へ対する復讐が終わっても。




