表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竜は静かに暮らしたい  作者: イエス・ノー
二章 予兆
17/121

初戦闘

「そういえばこの世界の戦い方とか何も知らないな」


昔の日本みたいに一対一の勝負なのか、大軍で戦うのか。

ルールを知らなくて面倒なことになるのは避けたい。

街へ出かけたときに調べておくか。


しかし、宣戦布告されたとは思えないほど平和だ。


王国では噂にはなっているが、信じている人はあまりいない。嵐の前の静けさかもしれないが。

戦争のことが知られていないのか、戦争になっても大丈夫と考えているのか。

おそらく前者だろう。

大陸最強の国から宣戦布告されたことが国民に知られれば混乱が起きる。

上層部が隠蔽しているのだろう。

ある程度の準備が整ってから発表するのかもしれない。


戦争とは別に、最近気になっていることがある。

森の獲物が少ないのだ。


捕りすぎたわけではないと思う。食用で数の多いもの、または繁殖力が強いものしか捕っていなかった。

ところが最近、一気に獲物の数が減っている。

私の存在を恐れたのだろうか。

もしそうならかなり困ったことになる。

人間になれば野菜も食べられるが、食事量はかなり多いから満足するほどの量を買う金がない。

貴族でも仕事があるわけでもないから金がない。荒稼ぎする方法はあるにはあるが、リリアがいい顔をしないだろう。


困った。


人間になって、国家公務員採用総合職(国家公務員I種)試験を受けて官僚になり、人間として生きるか?

前世は局長まで行けたから、仕事内容などで困ることはないはずだ。

いや、多忙すぎてゆっくり過ごせないだろう。ゆっくり過ごせないのは嫌だ。

それに政治の裏世界にはうんざりだ。


・・・。


何か別の存在のせいで獲物が減っているのかもしれない。

しばらく様子を見てみようか。












-------------------------------------------------------------------------------












一週間ほど様子を見て、獲物の減少の元凶を見つけた。


大型モンスターが獲物を乱獲し、恐れをなした草食動物が逃げたのだ。

許せん。この森の支配者は私だ。


勝負して追い出そう。


大型モンスターはゴツゴツした岩石に体を覆われた四足歩行の魔物だ。

強力な突進で攻撃し、防御は丸まって体の弱点を岩石で覆う。


人間たちや弱い魔物たちからしたら勝ち目のない恐ろしい化け物だろう。

だが私は違う。


私は空への攻撃手段を持たない敵にとって天敵だ。

相手もそれを理解しているのか、私を見ると逃げ出そうとする。逃がさん。

一週間、こっそりと森の魔物たちを実験台にして魔法の練習をしてきたんだ。


まずは逃げられないよう、『鈍足』の魔法と一定範囲から出られなくなる『戦場』の魔法をかける。

束縛しないのは一方的に攻撃するのではなく、相手も攻撃できるようにするためだ。

実戦経験を少しでも磨いておきたい。


相手は逃げられないと悟り、こちらへの敵意をむき出しにし始めた。

高速の突進をしてくる。


私はその攻撃をサイドステップで避け、成人男性よりすこし大きいサイズの火球を吐く。

灼熱のブレスは、はーっと溜息をつくように、火球は、はっはっと短く息を吐くことで出せる。


火球が当たり爆発する。

少しひるんだが特に効いていないようだ。岩石の防御力はなかなかのようだ。

相手は殺意を含んだ目つきでこちらを見、魔法を使ってきた。

どうやら魔物も魔法を使えるらしい。


地面の土が相手の頭上に集まり巨大な土の塊を作る。

その塊がいきなり高速で飛んできて、私の目の前で爆発する。

目に土が入りそうになり一瞬目を閉じるが、目を開けたときには目の前に相手が迫ってきていた。避けられない。

体当たりを腹にもろに受ける。

重い衝撃が伝わり、思わず後ずさる。すさまじい力だ。


土塊を当てるかと思いきや、目の前で爆発させ、相手がひるんだすきに攻撃する。

魔物にしては中々やる。


だが、相手の動きは単純なのでもう慣れた。

今の攻撃が有効と思ったのか、また相手の頭上に土塊ができる。


もうだまされない。

目の前で土塊が爆発した瞬間、火球を思いきり放つ。


相手は火球をもろに受け吹き飛び仰向けになる。


私は即座に飛び上がり、相手の腹を強力な足で押さえつける。

当然相手は抵抗するが、もう勝負はついた。

相手の首筋に嚙みつき、嚙みちぎる。


血が噴き出し、しばらくピクピクと動いていたが、すぐに死んだ。勝った。












-------------------------------------------------------------------------------












さっきの戦いだが、反省しなければならないことがあった。

いくら最強の竜とは言え、まともに攻撃を受ければ痛い。

それに相手が魔法を使うということを考えていなかった。

あと私の攻撃も単純だった。もっと使える魔法を増やして多彩な戦い方ができるようにしないと。

改善しなければ。


それと討伐した魔物だが、あとでいただいた。すごい不味かった。

肉は真っ黒で硬くて嚙み切れなくてガス臭い。タイヤみたいだった。

焼けばマシになるだろうと思って焼いたのだが、これが大失敗だった。


焼くと硬さが増して岩石みたいになり、臭みが倍増し、味は炭みたいになった。

はっきり言おう。食えたもんじゃない。


しかし殺したからにはちゃんと最後までいただかないといけない。食べないと命に対して非常に失礼だ。

だから食べているが・・・・不味すぎる!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ