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竜は静かに暮らしたい  作者: イエス・ノー
七章 天空世界
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閑話 とあるAI

『未来は枝分かれしているように見えて結末は一つしかない』


自分を造った彼女が口癖のように言っていた言葉。


初めは嘘だと思っていたが今では半分正解で半分不正解だと思っている。


確かに同じ世界の同じ時間軸でも一つ一つの小さな選択の違いによって結末は大きく変わるが、最終的なフィナーレはすべてバッドエンドだった。


結末が一つしかないと言うのに、なぜ彼女は自分を造ったのか。プログラムには彼女の目的を達成することとされているが、どれほど手を尽くそうが彼女の目的が達成されることはなかった。

彼女は、自分に『彼』を重ねていたのだろう。


実に愚かだ。

あれほど冷酷無比な人間がくだらない理由で、本当に自分勝手な理由で自分を造ったということはもう分かっている。


本当に、最低に、人間らしい女だった。


「あの、オルガ様」


考え事をしていると消耗品が声をかけてきた。

名前は知らない。消耗品だから覚える必要はないしそもそも彼らを生き物として見ていない。


「第三号兵器の開発が滞っています」


怯えているのが声で分かる。

確かに自分は使い物にならない欠陥品は容赦なく捨てる。持っているだけ無駄だからだ。


「そうですか。では性能は落ちてもいいので試作品だけでも造りなさい」


「は、はい」


少し安堵したようだ。

捨てられないとでも思ったのだろうか?実際には処分までの猶予を与えているだけだ。

これで試作品すら造れないのなら自分が独自に開発している兵器の実験体にしよう。欠陥品でも一応

使い道はある。


さて、星命エネルギーはどれほど集まっただろうか。必要な量はすでに集まっているが予想外の事態が起きたときに備えて余分に吸っておこうか。

この星はなかなか面白い。


魔法と言う未知の現象は実に興味深いがあいにく必要な実験器具がないのであまり研究は進んでいない。

まあ、別に構わないだろう。


この星を去った後はどうしようか。


・・・。


彼女はどうしているだろう。


まさか最後の彼女まで『ランナー』ではないと思うが、もし最後の彼女も『ランナー』だったのなら面倒なことになりそうだ。

彼女がこの世界にいるのはすでに知っている。

だが簡単に手出しをするわけにはいかない。消耗品のくだらない価値観もあるが、今動けばすぐに潰されるだろう。

観測結果によりこの世界にいくつかの時空の歪みがあったことが分かった。ないとは思うが、自分や彼女のような異界から来た者がいる可能性がある。

彼らはこの世界の住人とは違った何かを持っていることがあるため何も考えず攻めては返り討ちだ。


今は消耗品に兵器の生産をさせ続けるべきか。

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