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竜は静かに暮らしたい  作者: イエス・ノー
七章 天空世界
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《強欲》の悪魔マモンと神の会話

「闇の炎に抱かれて死ね」


厨二感満載の言葉と共に不意打ちで漆黒の炎を放つマモン。避けたが黒い炎が直撃した床が溶けている。


「あら、戦うの?面白そうじゃない」


「ええ、観戦者はおとなしくしていてください。我々の流れ弾でいとも簡単に逝ってしまうので」


笑いながら皮肉を言うマモン。レヴィアタンも口は笑ってはいるが目が笑っていない。


『戦闘中によそ見とはいい度胸だな!』


ギルドラドが巨大な火球を放つ。


しかし遅いので簡単に避けられてしまう。


『・・・で、レヴィアタンはどうするつもりだ?』


「あたし?あたしは帰るわ。やりたいことがあるもの」


『そうか。なら帰れ』


二対二より二体一の方がやりやすい。


「あらいいの?じゃあね」


レヴィアタンの足元から血の池が出現し沈んでいき、レヴィアタンは姿を消した。


『おらっ』


「また同じ技ですか」


合図も何もなくいきなり放たれた火球。


さっきよりは多少速いが避けられるほど遅い事には変わりない。


『おらおらおら』


同じ火球を四方八方に放つギルドラド。マモンは避けているだけだ。


「何がしたいのですか?」


『こういうことだ』


ギルドラドが笑うと部屋全体が大きく揺れた。ギルドラドの火球のせいで壁が壊れて屋根が落ちてきた。


巻き込まれる前に空中へ避難する。


「なるほど、そういうことですか」


マモンが納得したように言う。


マモンの言うように私たちは竜なので狭い部屋では小さいマモンの方が有利だが邪魔な部屋を壊してしまえば私たちにとって有利な空中戦か地上戦に持ち込める。


『手加減はなしだ。いくぜ!』


「私も手加減なしで行きましょうか。せっかくの戦いですから。『召喚・上位魔将」』


空中にいくつもの魔法陣が出現しそこから山羊のような姿をした悪魔が大量に出てきた。


『私は雑魚処理をしておく』


ギルドラドに告げて魔法を利用して突進する。


近くにいた悪魔の体を食いちぎり悪魔の血を口に含んだ後辺りにまき散らす。魔物の血よりもひどい味だ。


だが相手も上位の悪魔なので目くらましは意味がない。しかし一瞬視界を奪うことはできる。


もう一体の近くの悪魔に近づきその場で前転。私の尻尾の硬い鱗が直撃しすさまじい勢いで地面へ落ちる。


「ヘルフレア」


悪魔の一人が紫の火の玉を放つ。ひとつひとつは小さいが速く避けられないように濃密な弾幕で撃ってきた。

魔法を使う暇がないので翼で防ぐ。直撃するたびに小さな爆発が起こるが大してダメージはない。


「炎獄槍」


今度は後ろから炎の槍が。体を捻って躱す。


「爆裂棍」「シールドブレイク」「ウォーケンスペル」「烈震空」


様々な攻撃や弱体化の魔法をかけられ猛烈な勢いで攻撃される。


どうやら私に何もさせない作戦のようだ。


確かに私は強靭で生半可な攻撃は通用しない。だったらダメージはなくとも攻撃して反撃できなくして封じ込める。

なかなかいい作戦だとは思う。


ただし一つ忘れていることがある。私の魔法を封印していないことだ。


攻撃して集中させなければ魔法は使えないとでも思っているのだろうが私は多少強引でも魔法を行使できる。


今使う魔法は燃費がよく全方向に攻撃できる爆発系の魔法がいいな。


『魔力爆発』


自分の魔力を濃縮し加圧し一気に解き放って爆発させる。ちゃんと自分に防御用の結界を張る。


大きな爆発音と共に白い魔力の波が私を中心に爆発し悪魔を飲み込む。けっこう濃縮して加圧したのだが威力は弱い。一方向に威力を集中するのではなく全方向に威力を等しく分散するのでどうしても弱くなってしまう。


しかし悪魔たちを驚かせて隙を作ることはできた。


もったいないがギルドラドが心配なので必殺技を使う。


息を大きくゆっくりと吸い込み、一気に方向と共に吐き出す。


「GURUOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!」


『天竜咆哮・白雷』


首を動かして悪魔にしっかりと当てて蒸発させる。


すばしっこく逃げ回るので当てるのは苦労したがなんとか全滅させることが出来た。同時にけっこう疲れた。


「ほう、あれだけの悪魔を一瞬で・・・」


『よそ見すんな!』


ギルドラドが突進しながら回転し体重を乗せた強力な尻尾の攻撃を試みるがあっさりとかわされている。片や一発一発が強烈だが巨体故に動作が大きい竜。片や体が小さく素早く動き回れる大悪魔。


どちらが有利かは一目瞭然だ。


なので私も人になる。


「なんと!人になるとは」


『くそっ!よそ見しながら躱すんじゃねぇ!』


「ギルドラド、動きが単調だ。魔法を使え」


『誰だよお前!』


「シュラだ。おっと」


首に手斧が飛んできたので躱す。手斧は地面に着弾した後爆発した。


「さて、真面目にやりましょうか」


「そうだな」


『無視すんな!』


いちいち騒がしい奴だ。


マモンが両腕を広げると背後に無数の魔法陣が出現し、中から様々な形状のブーメランが出てきた。


一般的な形状のものもあれば蛇腹剣をふたつくっつけたようなものもある。


「『ザラキエルの断罪』」


悪魔が天使の名がついた技を使うとはなんというか微妙な気持ちになる。例えるならば、バイキ〇マンがカビ〇ラーを使って攻撃するようなものだろうか。


魔法陣から放たれたブーメランは丸鋸のように回転しながら不規則に飛んでくる。


円を描くもの、うねりながら飛ぶもの、丸鋸そのままの見た目になり飛んでくるものなど。それぞれに風や闇といった基本属性から呪い属性や封印属性といった特殊な属性が付与されている。


「くっ」


『うひょっ』


体を捻りアクロバティックに動きながら躱すがそれでも何発かは当たってしまう。腕を切られて血が吹きだし、脇腹を抉られたりする。


ギルドラドは変な声を出しながら炎の勢いでブーメランの速度を落としたりしているが焼け石に水でまともに食らっている。


「『ハデスの狩猟』」


マモンが何かを唱えるとなんとすべてのブーメランに封印属性がつき一直線に戻ってきた。すべてが音速を超えており衝撃波が発生して防ぎきれずにダメージを受けてしまう。


「おや、もう傷だらけになったのですか」


マモンの言う通り私たちは全身に大小様々な切り傷があり出血もしている。魔法は封印されてしまったのでしばらく使えない。

戦闘用の封印はあくまでも魔法の発動を妨害・阻止する程度なのでしばらくすれば魔法は使えるようになる。しかし封印が解ける前にまた封印されては意味がない。


「まだまだ行きますよ。『カオスウェーブ』」


マモンが翼で自身をを抱くように縮こまる。それと同時に私の中で警戒心が一気に引き上げられた。


「まずい!ギルドラド、衝撃に備えろ!」


『分かった。あれはなんかヤバそうだ』


「くそっ!」


魔法が使えないので衝撃に備えることしかできない。


マモンの周囲で空間が揺らぎ始め、マモンが一気に翼と腕を広げた。


次の瞬間。


ドン。


低く何かを叩く様な音が響いた。


それが何か理解する前に私の体がとてつもない衝撃に襲われ、私は意識を失った。


-------------------------


「ガメオベラ」


「なんですそれ?」


「地球って星の言葉で『GAME OVER』って言うのがあって、それをローマ字読みっていう読み方をすると『ガメオベラ』ってなるそうだよ」


「なんだか呪文みたいですね。それがどうしたのです?」


「四天竜の一柱が滅んだ」


「!」


「ほんと、余計なことをしてくれる。悪魔って本当に邪魔。まあ、創ったのは僕らの組織なんだけどね!」


「・・・四天竜の滅んだ一柱はどうするのです?」


「別に何もしない。今気にするべきは四天竜じゃなくて時空の異分子だよ」


「時空の異分子・・・天竜ですか」


「知ってる?もともとは頭が非常に良いだけの何の力もない人間で、あの駄女神が竜に転生させて転生先の世界で事故に巻き込まれて僕らが管理する世界に来たんだ。すごいよね」


「またあの駄女神ですか」


「でもああ見えてあの駄女神は今までにも異世界から奪った転生者のように天竜を上手く利用して彼女の世界は良い方向へ向かってるから実はすごい奴なのかもね。僕ら神が世界に干渉したらろくでもない事になることが多いのに、彼女は最悪の事態だけは絶対に回避している」


「・・・彼女は何をしたいのでしょう。あの状況なら、しっかりと上司に申請すれば自ら手を下すことも可能なはずです」


「おそらくだけど、僕らには言えない何かがあるんじゃないかな」


「警戒すべきですね」


「いやそうじゃなくてあの駄女神は面白ければ何でもいいから自分から手を下さずに天竜にやらせてるだけでしょ。でも世界の管理者ともあろう者が『娯楽』なんて理由で違法に奪った異世界からの転生者を使って世界の滅亡を回避させようとしている。そんなのが上司に知られたら不味いのはどの職場でも同じだよ」


「・・・」


「あの駄女神にとって、途中経過なんてどうでもいいんだよ。彼女にとっては世界なんて一つのボードゲームのようなものなんだから。最後に勝てばいい」


「それは神々の間では常識です。結果として世界が維持できるのであれば細かいことはどうでもいいのです」


「そうだね。でももしあの天竜が神になるとしたら?」


「?」


「あの駄女神の世界、すでにけっこう不味い状況になってるんだよね。来訪者が二人来たんだし」


「なんで私に言うのですか。あの駄女神の世界が危険な状態にあると知っておきながら無視したということが世界滅亡後にバレたら終わりですよ」


「知らないよ、あの転生者やら召喚者やら来訪者やら、おかしなほど異世界が混じる世界が崩壊しないのは奇跡に近いんだから。普通なら滅亡しても何らおかしくはない」


「だからと言ってバレたら終わりなのには違いありません」


「大丈夫じゃないかな?そんなことにならないと僕は確信しているよ」


「信じられませんね」


「いやさ、最高神ですら恐れるほどの存在が駄女神の世界を気にかけているんだから滅亡はしないでしょ。ちゃんと天竜が駄女神の世界に帰れる方法は用意されてるし」


「最高神ですら恐れる存在・・・その存在を知った者は皆等しく恐怖するあの存在ですか」


「あの存在からすれば僕らは人形でしかないのさ。そんなことより悪魔まじでうざい。消そうかな?」


「だめです、世界のバランスが崩壊します」


「えーうざいから消したい」


「だめです。天竜にやらせましょう」


「だね。進化したから大丈夫だとは思うけど、万が一のことは考えておこう」

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