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英雄の至宝  作者: J
8/14

首都パーム

「すごい…………こんな賑やかなところがあるなんて…」

カイは首都パームの南門をくぐり城門下の街を見てそう漏らした。

港町ラカンも規模が大きかったが、パームは城門下の街だけですでにラカンを上回っている。

そしてこの辺りは定期的な市が開かれており、特に人の往来が激しい。


ここまで大きな都市になっているのも種族間戦争で戦勝国となったことが大きい。

まさか自分の親がこの都を大きくさせた一因であることを知らないカイはただただ感心していた。


「久々に来てみたけどやっぱりすげーなー前に来たときよりも活気がある。お?美味そうなもん売ってるから買ってきても良いか!?」

ダースも久方ぶりの都で、舞い上がってしまっている。

お上りさんとかした二人に対し、


「二人共、初めてで興奮するのは仕方ないけど目的を忘れないで。騎士学校に行くんでしょ?早く行きましょ。」

冷静なメルが引き留める。


「まず入学手続きしてからじゃないと荷物持ちながらだと疲れるでしょ?この辺りはスリやひったくりも多いから……あれ………?」

メルが服のポケットに手を入れる。


「オイオイ…まさか自分の財布が盗まれたなんて言わないよな………。」

苦笑いを浮かべながらのダースの問いに


「そのまさかよ……ごめんなさい……」

そう言って平謝りのメルであった。


(こいつ結構お嬢様みたいなところあるよな。本当に使用人だったのか?というかあれ?) 

一人いなくなってることに気がついたダース


「カイはどこいった?」

「え??」



少し離れた路地裏〜


一人の女性と二人の男性が盗んだものの中身を確認していた。

「あの小娘すごい持ってるじゃない。あたしの目に狂いはなかった。仲間ふたりがいたようだけどあれじゃ意味ないわね。」

ブロンドのロングヘアーでいかにも気の強そうな眉に鋭い赤い瞳、歳は二十後半から三十前半だろうか。妙齢の美女は言った。


「でも綺麗な面してましたね〜。もう一人の方もなかなか。もちろんお嬢には敵いませんがね。」

小太りな体型だが肩や二の腕が筋骨隆々とした禿頭の男が続く。


「とりあえずこれだけのお金があれば運転資金に回せそうだな。お嬢。ひとまずアジトへ。」

こちら中肉中背で帽子をかぶっているため髪型までは分からないが黒縁メガネをかけたいかにも参謀のような見た目をした男がさらに続いた。


「ごめんなさい。それ僕の仲間のだから返してもらえると嬉しいんだけど、駄目かな?」

そして銀髪の美少年が最後に続いた。


「「「は??」」」


呆然となる三人


を尻目に財布を回収するカイ


あまりの出来事にまだ三人の時は止まったままだ。  

しかしお嬢と呼ばれた女性が我に返り

「待ちな!一体どうやってついてこれたんだ!あの小娘から盗んだ時にお前はこちらを見てなかっただろ!!それに私達についてこれるわけがない!答えろ!どんなカラクリを使った!!」


激昂するも冷静な彼女に対してカイは


「僕はとても目がいいんです。それに追いかけっ子にも自信があります。このまま見逃してもらえないですか?」


「このクソアマぁぁぁぉ!」

禿頭の男が殴りかかろうとした瞬間


「待ちな!!!手を出すんじゃないよ!!ヴァルガス!!」

すぐさま静止する。


「分かったよ。ここは見逃してやる。でも一つだけ聞かせろ。お前の名は?」


「カイって言います。」

馬鹿正直に答えてしまうカイであった。


「お前には貸しができた……あとでたっぷり払ってもらうから覚悟しておきなよ。」


カイは言葉は返さずに笑顔で返しその場から消えていった。


「お嬢?一体どうしちまったんですか?あんな小娘一人に……」禿頭の男が聞くと


「あいつら…いや、あいつは恐らくパームは初めてだろう。あれだけ荷物を持ってたんだ。会話を聞く限り間違いない。そして、あいつは確かにこちらを見ていなかった。」


冷や汗をかきながら続ける。


「あいつは初見の地で、初見の私達を、盗るときには見ていなかったのにも関わらずここまで普通に追いついてきたんだ。そして私達から何も気取られることなく財布を取ってきた………そんなやつと戦ってみろ…………間違いなく私たちは負ける。最悪死ぬ。」


「………………」聞いていた二人は青ざめる。


「私達闇ギルド【ヒドラの爪】が……だぞ……

カイと言ったか。一体ヤツは……」



〜路地裏から城門下に戻り


「やぁ二人共お待たせしたね。」

何事もなかったかのように戻るカイ


そして今までどこに行ってた突き詰める二人


こっそり財布を荷物に戻しておいたのは秘密だ。


そうこうしながら三人は騎士団学校に着くのであった。




ひたすら書いていきます!

書きながら上手くなれればと思っております。

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