港にて
盗賊をあしらったカイは、森を抜けグレ港に着いた。
カイの住んでいた島にはほとんど人がいないため、グレ港もほぼ漁港としての役割しか無く宿泊施設等は最小限しかない。
それでもカイにとっては新鮮だった。
「(すごい…僕がいたところと全然違う。)」
完全にお上りさんになりながら、定期船の時間を確認しに行った。
1日に一便しか無い為この日は宿で一泊することになった。
本来は大部屋で複数人と雑魚寝する予定だったが、宿屋のおばちゃんが
「こんな娘っこがそんなこと言うんじゃないよ。個室用意するからね!」
と押し切られてしまった。
「(だから僕は女の子じゃないって…)」
「でも個室は確かにありがたい。明日出る時にお礼を言わなきゃ。」
(ひとまずお風呂に入ろう。耳を見られるとまずいから時間を見計らって…)
ここは人が少なく大事には至らないと事が多いが、未だに種族間の紛争による差別意識は強くハーフエルフの様な者は、差別を受けることが多い。
実際の争いは両親が鎮圧したものの、心に残った差別意識は未だに蔓延っており、簡単に消えるものではない。
何とか人がいない時間帯を見つけることが出来事なきを得た。
(母さんが言ってた大変なことと言うのはこれかな)
カイはこれから人が多くなるところではさらに面倒になるだろうと、気を引き締めて眠るのであった。
未だにカイ以外のキャラが出ていません涙
いるところがいるところなんです許してください><