第零話~始まりではないハジマリ~
昔々・・・ではなく現代。しかもあらゆる世界の一つで、誰か分からないが私達と全く同じ世界観をもつ世界をまたいで起きた御話。
女だが絶対に女に見えない櫻祇 宰という者がおった。現在は高校生になったらしい。
中学時代では『女子校のプリンス』といわれ、その学校以外でも有名というか人気があった。
高校でも成績優秀・運動神経抜群で男女ともに人気があり、モテまくりな宰だが、漫画や小説にありがちな『猫を被ってます!』ではなく、超・スーパー・ウルトラが付くほどの自然体なのであった。
でも、そんな事を言われている宰は「少し面白いなぁ」としか思っておらず、何か【面白いこと】ないかなぁ的なテンションで日々を過ごしていた。日々を面白いことを探すことに費やしていた筈の宰に事件が起きた。それはいつかの時に振った女の子に包丁で刺されたのだ。そんな時でも「何てベタなんだ」と思っていただけだったが・・・・。だがそこでやっぱり普通の人と違う主人公がした事は刺した女の子に「君には赤がとっても似合うよ。」と言いながら、震えた手をパーカーのポケットの中に入れ、遺書を取り出した。呆然としながらどこか恍惚とした笑みを浮かべる女の子の手にそれを握らせ、妖しく微笑んだ。そして人生の幕を下ろした。
それを握らされた女の子は「最後まで≪自分≫の思い通りに事を進めるのね。」と笑いながら涙を流し、宰を刺した包丁で自分の首を掻き切り、人生の幕を下ろした。
――――――――――後に残るは折り重なった二つの死体と真っ赤な血の海。とってもきれいな赤色の血の海。確かに、宰の言った事に一理ある光景だった。