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甘いブラウニーと生まれ方
多くの人々で賑わう城下町。明るい茶色の煉瓦の道。左右には山積みになった色とりどりの果物のある店や、ソーセイジのぶら下がった店、水晶玉を前に怪しげに手を動かす女性のいる店にたくさんの笛を売っている店もありどこも人がしっかり居る。活気溢れる王国だ。果物の甘酸っぱい香りが口に涎を溢れさす。リンゴとオレンジの混ざったような匂いだ。「音葉、どうしたんだ?」食い意地の張ったこいつなら今頃手に余るほどの食い物を持って口を忙しくさせているだろに・・・・・。ところが此奴はこの国に入ってから一度もまともに会話をしない。何を聞いても「ああ、」とか「そうだな、」しか言わない。試しに「俺のこと好き?」って聞いたら「そうだな」とか言うから顔から火が出た。
(腹でもくだしたんか?)