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【完結】戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ  作者: 真輪月
戦闘狂の水晶使い
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第91話  クラーク村②


「ところでリアナス、なんの用なのですか? 盗み聞きはお行儀が悪いですよ?」

「あ、はい。お風呂はいかがかと思い…………」

「今の時間は子供たちが入るのでは?」

「ええ、ですが、子供たちの希望でして……」

「そうですか。ルルクス様、どうされますか?」


 えーーと。今の時間はあの騒がしい子供たちがいる。

 あとで入るのも面倒。


 しかも、オレにはこれ──聖火の指輪リングオブクリーンフレイムがある。


「ああ、オレにはこの指輪がある。こんな風に。──『起動』」


 ちなみに、「起動」と口に出す必要はまったくない。演出だ。


 それに合わせ、オレの体を炎が包む。

 そして、体に付着したあらゆる汚れを燃やし尽くした。…………多分。


 燃やされている感触はないし。

 あったら、オレが燃やされているわけだし。そもそも、オレは汚れじゃないし。


「その指輪は……一体……なんですか?」

聖火の指輪リングオブクリーンフレイムですね。この目で見るのは初めてですね…………かなり高価な魔法具です!」

「ふっふっふ…………その通り! これは体中の汚れを燃やし尽くす炎を出す魔法具だ。これさえあれば、風呂も歯磨き要らず!」


 村長の目が輝いている。…………あげないぞ? それなりに高いし。


「では、お風呂は大丈夫ですね? では、私はこれにて…………おやすみなさいませ」

「おやすみなさいませ」

「ああ、ありがとう」


 そう言うと、2人は出ていった。

 その後、オレは寝た。時間はまだ20時だったが。

 





「ライン、これ運ぶの手伝って!」

「あいあ~~い!」


 クラーク村に来て一週間が経過し、リアナスや、孤児たちとの距離はかなり縮まった。

 いや、リアナスは微妙か。

 食事はみんなと一緒に摂っている。


 そして今、リアナスにいろいろと手伝わされている。

 空き時間には、上空から森の観察。

 そして、狩りをして、その肉は孤児院の飯の種となる。


「ライン、何してんの!?」

「あーー、はいはい、今すぐ!」


 リアナスは今でも若干冷たい。……若干どころじゃないな。

 オレは雑用係とでも思われてんのか?

 だとしたら不服だ。




 荷運びが終わり、弁当を持って出かける。

 子供たちが引っ付いてくるが、振り払い、逃げるように村を出た。


 村から少し進み、門が見えなくなった辺りで空を飛ぶ。

 仮面を着用し、魔力探知と『千里眼』を起動させる。


 ここ二週間、魔物たちに大きな動きは見られなかった。

 だが、数が多いのはやはり見過ごせない。

   

「まだ滞在する必要があるな。あいつらの目的がわからない以上、こちらから下手に手を出すのは避けたい……」


 理由がわからないと、また同じことが起きる可能性がある。

 いや、今度は速攻で村を攻撃される可能性がある。


 そうなれば、知り合い全員お陀仏という、夢見の悪い結果になる。


 近衛騎士はいるが、隊長級が出て来たら瞬殺だ。ミスリル程度の実力しかない。


「それに、連合だけじゃなく、ここいら周辺に生息するという、人喰い魔物もついでに討伐して、と……」


 孤児が生まれる原因となる、人喰いの魔物がこの森に生息しているらしい。

 すでに、複数の村が壊滅に追い込まれている。

 その副産物があの孤児たちだ。


 見た目は、大柄。

 狙う対象は大人のみ。


 情報はそれのみ。


 最悪のパターンは、連合とその人喰い魔物が同時に村を襲うこと。

 片方でも、村の騎士や冒険者パーティーに任せることはできない。


「さて、そろそろ帰るか……」


 今日も異常がないことを確認し、村に帰る。

 ついでにバモを見つけ、仕留めて帰った。帰ったら速攻解体だ。




 村に帰り、バモを解体し、弁当箱を洗う。

 そして、夕飯の準備を手伝い(料理をしたわけではない)、寝る。


 ここ一週間、リアナス含む孤児たちの要望で、男児たちと風呂に入っている。

 指輪があるから必要ないのに。


「ほれお前たち、さっさと風呂入るぞ!」

「「はーーい」」

「……お前たちは違うだろ。リアナスに入れてもらえ」


 なんで女の子たちも返事したんだ? まったく。

 子供たちを風呂に入れ、今度こそ寝る。






 そして翌朝。


 朝食の片づけを手伝っている最中に、騎士がやってきた。


「ごめんください」

「はい」


 洗濯のため外に出ていたリアナスが対応した。


 つまり、食事の後片付けはオレ一人でやっている。

 オレは孤児院の職員じゃないっての!

 ……まあ、人手不足ならしょうがないか。


「帰ったら国に申請して、人手不足を解消してやる! ついでにその魔物も討伐してやる!」


 オレは決意を固めた。


「ライン! お客!」


 リアナスに呼ばれたが、オレは今皿洗い中だ。


「ああ、これが終わったら──」

「──今すぐ!」

「……へ~~い……」


 頭が上がらねぇぜ……。

 逆らったら追い出されそうだし。村長に拾われるだろうケド。




「はいはい、どちら様で……?」


 皿洗いを放り出して出る。


「ルルクス様、おはようございます」


 そこにいたのは、この村の騎士、シーヨーだった。


「ああ、なんのようだ?」

「実は、稽古をつけていただきたく…………」

「ああ、わかった。ただし、今、皿洗いが残っているから、それが終わるまで待っていてくれ」


 シーヨーは礼儀正しく、強さを重んじる性格だ。そして真面目。 


 毎日、自主練は欠かしていない。

 素振りや筋トレ。オリハルコン級も──才能があれば──夢じゃない。




 皿洗いを終わらせ、リアナスに稽古の旨を伝える。


「なら、昼ごはんはここで食べるのね?」

「ああ」


 それだけ済ませると、村の広場に行く。


「なんで広場なんだ?」

「村の方たちも見学したいって言うので、村長に頼んで広場を使わせてもらいます。許可はすでに取ってあります」

「そうか。なら、問題はない」


 あまり大きな技は使わない方がいいかな。

 本気で戦おうか。手加減しようか。

 …………よし! 攻撃を全部流してしまおう。そう、手加減する方向で!


「一瞬で終わってしまっても構いません。なので……」

「あ、ああ、わかった」


 ……頭の中でも読まれたか!?




 広場に到着し、向かい合う。

 偽装の一環として、オリハルコンは剣にして腰に差している。

 剣で戦うしかないな。


 剣を抜き放ち、鞘は脇に置く。


 シーヨーも武器は剣だ。

 向こうもオリハルコン製。


 ま、勝つのはオレだ。


「このコインが落ちたら開始でいかがでしょう?」

「ああ」


 半銅貨だ。

 まあ、銀貨とか金貨は使えないわな。

 戦いの最中にどこか行ってしまうかもしれないしな。




 シーヨーがコインを弾き、コインが地面に落ちる。

 その瞬間、覚醒し、ぶつかる。


 ぶつかった場所は、シーヨーの立っていた場所から数歩の地点。

 スタートダッシュの時点でシーヨーは劣っていた。


 だが、シーヨーの構えは受けの型。だから、これでよかった。


「──『重撃』!」


 受けの型だとわかったから、『重撃』で吹き飛ばす。

 構えていたが、その体勢のまま吹き飛ばす。


「くっ!」

「──『剛撃』!」


 吹き飛ばしによって体勢が崩れていたから、拳でシーヨーの胸目掛けて(シーヨーは男だから問題ない)『剛撃』を放つ。


「がふっ!」


 『剛撃』の効果は単純シンプルで、それは威力の増加。

 ただの拳でも、その威力はかなりのものだ。


 シーヨーはボールのように地面をバウンドしながら転がっていく。

 そこに追いつき、顔を掴み、地面に叩きつける。




 シーヨーは気を失っていた。


「オレの勝ちだな」


 頬を軽く叩き、目を覚まさせる。


「ん……ごほっがほっ!」


 起きた瞬間、苦しそうにせき込む。


「この村に治癒術師は?」

「いませんよ。この程度であれば、放っておけば数時間で治りますよ。手加減していただき、ありがとうございました」

「ああ、だが、これで稽古になったか?」


 瞬殺してしまったからなぁ……。


「……いえ、申し訳ありませんが…………」

「はっはっは……そうだろうな。お詫びに、この村にいる間、稽古を付けてやる。時間が合えば、だがな」

「ありがとうございます!!」






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