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【完結】戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ  作者: 真輪月
水晶使いの成長
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第43話  体育祭②

「そろそろスタートかな?」


 クラス対抗リレー。

 これが盛り上がらないわけがない。体育祭、運動会の定番種目だ。

 木製のバトン。

 なにもおかしなところはない。

 だが、違和感を感じる。さっきまであったものが消えているような……。


 「よーい……」


 ──ボンッ


 上空で『火球ファイアーボール』が爆発した。

 ……派手にやるな。


 ここで一瞬、思考が切り替わったおかげで、先ほどの違和感に気づいた。


 ──先生たちがいない。


 さっきまでグラウンドを包囲していた先生の数人がいなくなっていた。


 いつから?

 いつから消えていた?

 なんの為に?

 目的は?


 ……考えても仕方がない。

 何かしらアクシデントがあったか、何か大きなことが極秘裏に進められているかのどちらかだ。


 ここは冒険者学校。そうそう、何か起きるわけがない。


 


 出だしはまあまあかな。2位だ。

 1位は3組。だが、慢心するでないぞ、3組諸君? 我ら1組はこれからだ。

 ……なんちって。


 だが、事実。

 こちらにはターバがいる。

 それに、学年で一番速いとされる人は、現在最下位の4組の人間だ。勝算は十分にある。


 お、次はヤマルか。

 ヤマルは……平均的だったな。50メートル走は、だけど。

 女子とは思えない身体能力だ。

 口には出していないが。出したらどうなるか、目に見えている。




 ずっと3組と競り合っている。

 抜かし抜かされを繰り返し、ようやくアンカーだ。

 いよ! 待ってました大将!

 ここでターバにバトンが渡る! 


 ここでラッキーなことに、3組がバトンを渡す前にこけた。

 これは……勝負あったな。


 目の前をターバが通る。

 オレの方を向いて敬礼していった。さすがだ。




 そして、オレたち1組の順位は、1位となった。

 圧勝だった。


 200メートル走ったからか、アンカーは4人とも息が絶え絶えとしている。


 まあ、200メートルを全力ダッシュすればねぇ。全力で走らないと盛り上がらないし。

 まあ、気が付かないうちに少しはセーブされてるかもしれないけど。


 ……あれ?

 選抜リレーは全員200メートル走るんじゃなかったっ……け?

 ん?

 あれを、オレも走ると?

 ターバは2回走ることになるが。


 ……しょうがない、受け入れるか。

 オレに決定権はないんだし。



 

 さてさて。ここでようやく昼ごはん。

 一旦教室に戻る。ここだと、砂が飛んでくるかもしれないからな。


 今日のメニューは……? 焼肉弁当! 

 カロリー高めだな。まあ、この体育祭でカロリーを大量に消費するんだし、大丈夫か。

 オレらはまだ成長中なんだし。


 待てよ。

 たらふく食べて、次は障害物競走……?


 あれ、しんどくない?

 でも、この空腹感には抗えない。クソッ! いただきます!


 美味しく、残さずいただきました。




 いよいよ障害物競走。

 ……腹が……。これは、学校の罠に違いない……。

 とても悪質だ……。


 たかが障害物競走。


 そう思っていた。網を潜り抜けたり、ハードルを跳ぶなり潜るなりする。

 それは、前の世界(・・・・)での(・・)障害物競走・・・・・


 そして、もう何回繰り返したことだろう。

 ここは、冒険者学校。屈強な戦士を育成する場所――。



 グラウンドに戻ったオレたちの目に映ったのは、信じられない……いや、信じたくない光景だった。


 ――壁がグラウンドに出現していた。

 1つだけではない。複数だ。

 そして、突起が付いている。


 それと、壁だけではなかった。

 ターザンロープに丸太でできた平均台などなど。SAS〇KEかっての。


『次の種目は、障害物競走。選手の合計時間で勝敗が決まります。』


 なるほど。チーム戦か。

 そして、先生たちは包囲陣を形成している。……人数が増えたか?


『ここで追加のルール。身体強化、魔法の発動をこの種目でのみ、許可されます』


 ……。

 あの壁なんかもそうだが、2、3年連中は誰一人として驚いていない。

 例年のパターンなんだろうな。


『コースは3つから、各々選択をするように。どれもかかる時間は同じになるようになっている』


 1コース。

 難易度は高いが、距離は短い。ボルダリングのコースだ。


 2コース。

 高さが様々なハードルのコース。難易度は中ほど。


 3コース。

 一番簡単。丸太を使ったコース。バランス感覚が問われる。




 どれを選ぶかって?

 もちろん、第1コースだ。

 ライン・ルルクスここにありってな。


 第3コースも第2コースも楽しそうだが、まあいい。

 それに、第1コースはオレの能力と相性がいい。使う必要はなさそうだが。

 使っても、妨害の妨害として使うかな。


 オレは一番最後。

 ゴールには旗が置かれている。

 前の人がゴールに辿り着き、それを揚げたらスタートだ。


 旗はクラス毎に色が違う。1組は青だ。


 そして、オレの努力次第では、優勝も狙えるってことだ。

 あまりにも差が開いていたら、一位は(・・・)諦めるしかないがな。


『それでは……開始!』 


 始まった。

 包囲陣を形成していた先生たちが上空で『火球ファイアーボール』を爆発させた。

 その数3発。……表現の割に少ないな。


 


 よし、そろそろオレの番だ。

 ──よし、旗が揚がった。スタートだ。


 順位は最下位だが、十分取り戻せる。

 よしよし。誰も壁コースは選んでいないな。


 先生たちからの妨害はある。

 だが、これは水晶で防ぐ。

 そして、壁は身体能力で強行突破。完璧だ。


 早速妨害が入ってきました。

 小盾サイズの『晶盾しょうじゅん』を3つ、周りに展開する。

 覚醒者でもない限り、1発でこれを破壊することはできない。

 傷ができても、魔力を注いで修復できる。


 壁に『晶柱しょうちゅう』を複数、垂直に作り、それを足場にして上る。即席の階段の出来上がりだ。

 攻撃はすべて──足場を狙ったものも──『晶盾しょうじゅん』で防ぐ。


 このようにして、楽々クリアしてしまった。

 しかも、結果は1位。障害が意味をなさなかったからな。

 相性がよかった。ただそれだけだ。



 

 さてさて。残りは選抜リレーと選抜模擬戦のみだ。

 2、3年の種目がまだあるが。まあ、障害物競走なんだが。


「ラインくん、ターバくん、スゥさん。ちょっと来てください」


 あれ、先生に呼び出された。このメンツってことは、模擬戦のことか? 


 先生に連れて来られたのは、人混みから少し離れた場所だった。


「えーと、模擬戦のルールを説明します。敗北は場外、負けを認める、失神、審判による判断……です。回復術師が待機していますが、あまり無理はしないように。身体強化、魔法は許可されます。各学年1位は、近衛騎士副団長様が相手をしてくれます。以上」


 少々厄介だな。

 回復魔法は傷は治してくれるが、疲労は回復しない。

 怪我の度合いによっては、余計体力を奪われることになる。


 この学校で使う武器に刃はないが、骨折や捻挫、打撲はするだろう。

 それに、相手が風魔法を使えば切られるし、火魔法を使えば、火傷を負うだろう。

 水晶で防ぐが……すべては防げないかもな。


 ターバと戦って無傷では終われないし、ターバとはほぼ必ず当たることになるだろうしな。

 しかも、1、2、3と来てた順番が、模擬戦のみ、3、2、1となる。

 一年生が最後とはな。


 副騎士団長は覚醒者だろう……絶対か。覚醒者でないわけがない。

 身体強化では勝てない。


 さてさてどうするか。

 ……もしオレが覚醒者だったとしても、勝ったら問題か。

 なら、負けても恥じることはない、か。

 いっそ身体強化を禁止にしてくれたらなぁ。甘えか。


「ラインくん、ターバくんは、選抜リレーに出るんですよね?」

「あ、はい。そうです」

「頑張ってください。障害物競走よりは盛り上がりませんが」


 先生……。最後の一言は……余計です……。


  


 覚醒してる人はさすがに速いな。

 覚醒してるってことは、1組だろう。


 つまり、他クラスは、どれだけ僅差で負けるか。

 1組は、どれだけ他クラスに差をつけれるか。覚醒者は2人いた。

 オレたちは来年、何人覚醒してるかな?




 障害物競走が終わり、セットが片付けられる。

 次は選抜リレー。


『次の種目は、選抜リレー。選手は並んでください』





 



 


 

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