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【完結】戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ  作者: 真輪月
水晶使いの成長
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第40話  体力測定

 なんの変哲もない日々を、幾つも過ごした頃。

 オレたちは……飽きてきていた。


「あー、なんか行事ねぇのかよ!」

「ねぇ」

「ラインだって、暇してるだろ?」

「まあ……ちょっとはね……。でも行事と言えば、定期テストはいつやるんだ?」

「さ〜あ〜ね。って、俺が求めてるのはそんな行事じゃない! 楽しい行事だ!」

「そろそろ来そうな予感がするけど……」


 青春を全く謳歌できていないオレたち!

 オレも前世じゃ、青色なんか、空にしかなかったからなぁ。今世では、青春を謳歌したい!


 そう……決めたんだ。

 どうやるのか、青春がそもそもなんなのかわからんが……。


 とは言え、そろそろイベントが起きてもいい時期だろう。もう6月半ばだ。


 定期テストはないのだろうか……。

 あるとは――村の冒険者チーム4人とフォーレンさんから――聞いたが、ずいぶん前(10年前ぐらい?)の生徒だからな。

 変わっていてもおかしくない。






 今日もいつも通り、授業が終わった。


「──はいみなさん、聞いてください! いよいよ! 体育祭が、行われます! 日時は2週間後の水曜日! この1週間で種目別出場選手を決め、残りの1週間が練習期間です! 明日から早速決めていこうと思います。では、これにて解散!」


 朝ターバと話したおかげかな。

 楽しそうな行事だ。運動はそこそこできるし、楽しくなるだろう。それは全員同じか。


 あれ……? 出場選手を決めるって言っても、体力テストとかやってなくねぇか?

  どうやって決めるんだろうか……。






 翌日。


「今日は、授業は全て自習という形になります。何をするかと言うと……体力測定です!」


 やっぱりやりますか、体力測定。

 やらないと、どの種目に出るべきかがわからないからな。


「やるのは、50メートル走、立ち幅跳び、ハンドボール投げ、持久走です。終わったら、本当に自習になります」


 反復横跳び、長座体前屈、握力、腹筋はなし……と。


「あ、腹筋を忘れてました」


 持久走があるのはなぁ……。


 大丈夫なのはわかってる。前世よりも体力はついてるだろうし。

 でもやっぱり、苦手意識は残ってるんだよなぁ。

 前世では、持久走を楽しい、なんて言うやつは変態扱いだったからな。いたっけ……?




 長さを測って、白線を引く。

 白線は、まっすぐ50メートルのものを5本。つまり、4レーンだ。

 そしてグラウンドいっぱいに、一周400メートルの長方形。

 体育館では、別のクラスがマットを敷いている。腹筋用と、立ち幅跳び用だ。




 先生の的確な指示と、オレたちがテキパキ動いたおかげで、わずか40分で準備が終わった。


 持久走用のラインを引くのはさすがに手間だった。誤差があってはいけないし、ロープを使って長さ白線を引く場所を決めておかないといけなかったし。

 なにより、長いし。慎重にやったおかげで、誤差はないはずだ。




 1組は、立ち幅跳び、腹筋、50メートル走。午後に持久走。


 2組は、腹筋、立ち幅跳び、50メートル走。午後に持久走。


 3組は、持久走、腹筋。午後に50メートル走と立ち幅跳び。


 4組は、持久走、立ち幅跳び。午後に50メートル走と腹筋。




 つまり、50メートル走は2組と競う形になる。同様に、3組と4組も。


 持久走の後にはちゃんと1時間の休憩が設けられている。

 6月半ばのこの季節、若干暑いからなぁ。梅雨がないのはいいんだけど。

 雨は少し多いかな、ぐらいで、梅雨と言えるものではなかった。

 でも、暑いことには変わりはない。


 そこで、冷たい果実水が提供されている。

 ビタミンが多いやつな。少し酸っぱい。酸っぱさ別に分けられているから、各自で好きなものを選んで飲めばいい。

 オレは前世でも今世でも、酸っぱいのは好きなので、一番酸っぱいやつ飲もうと思っている。






 さてさて、最初は立ち幅跳びか。


 前世の最後の記録で2メートルちょっと。50メートル走は、7.4秒。腹筋は30秒で31か32回。持久走は1500メートルで……6分ちょうどだったかな。

 全体的に、全国平均前後だった。


 この世界ではどうなっているのやら。

 今は15歳だから、中学3年。オレの最後の記憶と同じだ。

 今世では前世よりも体を動かしていた。

 つまり、オレの記憶の中の記録を打ち破らねばならないということ。

 もちろん、身体強化は禁止だ。


 立ち幅跳び。

 目標は2メートル……う〜ん、2メートル50センチかな。

 いや、もう少し低めの30センチにしておこう。




「──いきます!」


 さ〜ん、に〜い、い〜〜〜ち! で跳んだ。飛んだ、と表現したくなるほど跳んだ。


「2メートル……55センチ!」


 よし! かなりいい記録なんじゃないか? 全国平均がないから自分がどの位置にいるのかわからないけど。

 そんな飛び抜けた記録でもなさそうだ。次は上体起こしか。




「3……2……1……スタート!」


 制限時間は30秒。

 腕の形は自由だ。頭の後ろで組もうが、胸の前で組もうが。

 二人一組で──男女別だ──1人が足を固定し、もう一人が腹筋──上体起こしを行う。




「──3……2……1……やめ!!」


 記録は40回。これもかなりいいんじゃないかな?





「位置について……よ〜〜〜い」


 そして、旗が振り下ろされる。バサッといい音がすることは置いといて。

 クラウチングスタートで、いいスタートができた。オレが走るのは2レーン目。


 お! オレが一番速い。何オレ、絶好調じゃん!

 昔から体動かしてたおかげだな! 素でも運動能力が高いんだろうけど。




 あとは昼ごはんを食べ、1時間後に持久走か。

 持久走か〜〜。ついにきたか……。

 距離は、男女ともに2キロ。昼ごはん食べた直後じゃなくてよかった。






 そして、ついにその時はやってきた。

 2キロか……。たしか、10分間走で2.2キロ走ってたから……8分切れたらいい感じかな。

 う〜〜。走りたくないよ〜〜。

 苦手意識がこびりついてるんだよ〜〜。

 



 いざ走り終わってみると、意外と楽だったと思った。


 記録は7分42秒。


 ちなみに何番目にゴールしたかは覚えていない。一番前ではないし、一番後ろでもない。

 どちらかと言えば、ゴールしたのは速かった方だ。ターバとは同時ゴールだ。




「ぷはー!」


 と、仕事帰りに居酒屋に入って酒を飲んだおっさんみたいな声を出したのはヤマルだ。

 飲んだのは、酸味が一番小さいやつだ。


 いや、確かに運動後のスポドリは美味いけど。

 これは……まあ、スポドリ……か?

 スポドリでいいか。塩分がどれほど含まれているのか知らんが。


「おっさんみてぇな声出してんじゃねぇよ、ヤマル」

「ライン……。あれ、それは……どれ?」

「ん? 一番酸っぱいやつ」

「よく飲めるね……」

「そうか? 普通だと思うけど?」


 オレ以外にも飲む奴いるけどな。ほんの数人だけど。


 酸味レベルは1~5まである。

 オレが飲むのが5。ヤマルは1。

 1なんて、ほとんど水だと思ってる。5はほとんどレモン果汁。

 レモンじゃないけどな。

 下手すりゃ、カムカム水だ。

 ちなみに、ターバの好みは4だ。






 全て終わり、オレたちは教室で待機していた。

 なんでも、クラス内、学年順位を出す必要があるためだそうだ。


 すると、先生が走って帰って来た。


「──はい、順位が出ました! この紙を裏返しのまま回してください」


 あ? 紙? なんで?


「全員回ったようなので、表にしてください」


 なんだ、この紙? ああ、順位が記されてるのか。

 えーと、オレの名前は……。


「自分の順位を覚えておいてくださいね。クラス内でいいですから」


 立ち幅跳び……2メートル55センチ……クラス4位

 上体起こし……40回……クラス2位

 50メートル走……6.80秒……クラス3位

 持久走……7分42秒……クラス4位


 ふむ……。そこそこだな。

 なんと、ターバが50メートル走1位だ。学年では2位。

 それも、1位との差は0.03秒だ。

 他のはオレとどっこいどっこいだ。


「種目や選手は明日の朝会、暮会で決めます。この結果をもとにこちらである程度編成はしておきますけどね」



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