表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】戦闘狂の水晶使い、最強の更に先へ  作者: 真輪月
水晶使いの成長
18/162

17話  拳で語り合え!


「──ねぇ、ねぇってば」


 男とも女ともつかない中性的な声が聞こえてきた。


 周りにはオレの他に誰もいなかったし、うるさいから聴力強化はオフにしてある。


 よって、これはオレに話しかけている、と結論付けられる。

 ただ、念の為、振り向くだけにしておこう。






 ──数年前、王都にある教会。


 そこの最奥にある部屋。

 そこには、錆びついた棒が七本刺さっていた。そして、その内の1本が淡い光を放っていた。


「きょ、教皇様! こ、ここ、これは一体?」

「はて……なんじゃろうか」


 よく見ると、小刻みに震えている。

 やがて落ち着き、光も消えた。


「一体、なんだったんでしょう」

「わからぬ。そもそも、これらがなぜここにあるのかも全く伝わっておらん。抜こうとしても、抜けないしの」


 この直後、ある村で、一人の少年が目覚めた。






 ……え?

 声をかけられた。だから、振り向いた。

 途端、辺りが真っ暗になった。いや、この空間にオレだけが引きずり込まれたのだ。

 そして目の前には、光る人魂がある。


「やっと繋がれたよ〜。ようやく適合者を見つけたと思ったら、『道』が開かれてないんだもん。いや〜、まいったまいった」


 ……なんだ……これは。


「偶然、一瞬だけ開いたから、ようやくやってこれたよ。や! はじめまして」

「あ……はい、はじめまして……?」


 え〜。なに、これ。まじでなんなんだ?


「いや〜、人と話すの初めてだからな、緊張するな〜。やっぱり、まだまだ不完全だな」

「不完全……? 何がだ?」

「あぁ、僕のことだよ。いや、僕たちの間だね」


 何を言ってるんだ? 全然わからん……。


「そんなことより、お前は何なんだ?」

「う〜ん、力、とでも言えばいいかな。ま、いずれわかるよ。おっと、もう時間が……。それじゃね、もうこうやって話すことはないから。ばいばい」

「ちょっ……! え……?」


 元通りの光景が目の前に広がっていた。

 オレが振り向く前の状態だ。


 なんだったんだ、さっきの……。力、とか言ってたが、意味がわからん。


 とりあえず、もう話すことはないって言ってたんだし、忘れよう。うん、それがいい。

 まだ50分以上あるな。


 暇だな〜〜。

 その時、放送がかかった。


『あ、あー。私は校長のへパイル・ムースだ。さて、新入生諸君、合格おめでとう。2時より、服の採寸、クラス発表、寮の部屋割りなどを行う。それまで、親交を深めていたまえ。親交を深めるためには、何をしても構わん。以上だ』


 放送が切れた。それと同時に、扉が全て閉められた。

 外にいた係員の仕業だろうな。

 放送の声の主の声質はおじいちゃんだったが、声には力強さを感じた。

 何をしても……か。よくある展開だからな、目に見えてるよ。


「おらぁ!」

「おぉ!」

「あ゛ぁ!!」


 ほらね、勝負が始まった。はぁ……。魔力探知と聴覚強化を発動させておこうか。


「……おい、あそこに一人で突っ立ってる奴がいるぞ。試してみようぜ」

「いいね」


 はぁ……。

 思いっきり聞こえてんだよ。


 ま、聴覚だけを強化って器用な真似、今の状態でできるやつは少ないらしいしな。

 ほぅ……。

 やはり左右に別れて来るか。音で丸聞こえだけどな。


 ……ようやく真後ろまで来たか。


 よし、来るな。身体強化を発動して2人の後ろに回り込む。魔法を使うまでもないな。


 ──瞬時に2人を吹き飛ばしてやった。


 2人は、身体強化を発動させ、地面を強く蹴ってからこちらに向かってきていた。

 確かに足音は出ないが、風切り音がした。姿勢がなってなかったな。

 それに、そのスピードに乗りすぎていたのも、敗因か。

 簡単に後ろが取れた。


 あ……。吹き飛ばして、何人か巻き添えにしちゃった。

 でも、こっちに戻って来たのはさっきの2人だけだ。


「いいネ! 俺はゴースだ」

「僕はミル」


 ゴースは短く刈り揃えた赤髪で、クラスの人気者の顔だ。……どんな顔だ!

 ミルは茶髪で、天パ。おっとりしていそうな顔つきだ。


 親交を深めるのが目的だもんな。名前を名乗るのは当たり前か。


「オレはラインだ。よろしくな」

「「よろしく」」


 ちゃんとしてるな、この2人。


「なぁ、真剣に、本気でやらないか?」

「オレは構わねぇぞ?」

「怪我しても恨みっこなし。」


 ふむ……。

 この2人が相手なら、


「2対1でいいぞ」

「え、いや……それは……」

「僕は構わない。言い出しっぺはライン」


 ミルは話がわかるな! オレはそう言う奴好きだぞ。


「ミルがそう言うならしゃあねぇ。行くぞ、ライン!」

「どこからでも、どうぞ」


 はっきり言って、負ける気がしない。

 肉弾戦で負けなかった。それに、いざとなれば得意な魔法がある。


 改めて魔力探知を発動させたが、2人とも魔法は使えないようだな。


「それじゃ、いくぞ? ライン」

「どこからでもどうぞ」

「ゴース、行こう!」


 ミルが先頭、それに続く形でゴースか。


 ──それだけならよかった。


 何人か、こっちを狙ってるんだよな。

 オレは体育館の壁際に立ってるから、こっちを狙ってる奴は視線でなんとなくわかる。

 軽く10人ほど……か。


 オレだけならともかく、あの2人は襲われたらひとたまりもないだろう。

 襲ってくるようなら、戦いながら『晶弾』で攻撃するか。


 ミルがオレの横に回り込んで飛び膝蹴り、ゴースが右ストレート。

 どちらもオレの顔を狙ってる。


 2人して同じ箇所を狙うとは……。仲がいいのはわかったけど、よくないな。  

 しゃがんで2人の攻撃を避け、ミルの左足を掴んでぐるぐる回して、ゴースに向けて投げ捨てる。


「おわわわ!」


 おー。2人して吹っ飛んでいった。

 さて、後ろにいる奴らを始末しますか。オレがミルを投げ飛ばしたあと、後ろに回り込んでオレを攻撃しようとしてきた。


 この数は……、少し利用させてもらおうかな。

 どうせ、魔法は使えないと思っているんだろう。なになに……? 作戦会議か?


「魔法は初級の4つで、それに続いて私たちが攻撃する。行くわよ!」


 小声で話してるとこすみません。丸聞こえです。

 やれやれ。殺傷能力を低くした『晶棘しょうきょく』で迎え撃つか。

 動き出したことだし、振り返ってもいいよな。


 魔法に続いて……って聞こえたんだが、続けれてないぞ。

 先に魔法を……いや、手の内はあまりさらさないほうがいいかな。避けるか。


 オレも走り出し、必要最大限の動きで避けた。あえて、だ。

 近接型は6人か。6人に向け、『晶棘しょうきょく』を放った。


「「うげ!」」

「「うぐ!」」


 全て、腹を狙った。

 男なら、股以外ならどこでもよかったが、全員女だったからな。顔はまずい。

 まぁ、多少勢いをつけたから痛いかもな。何より、本来『晶棘しょうきょく』は刺突の魔法だ。

 先を丸めただけだから、鍾乳石みたいになった。


 さて、後ろの4人も一発くらわせとくか。『晶弾しょうだん』でいいかな。

 ほいっと。

 少し速度を落として、威力は強めのデコピンだ!


「いてて……」


 お、女戦士6人、立ち上がったか。後ろの魔術師たちは……起き上がれないはずがないな。  

 デコピンしただけのようなものだし。


 ミルとゴースも起き上がったな。


「おいおい、ライン。お前、魔法も使えたのかよ」

「属性特化型だけどな」

「なるほど、これが自信の正体か。にしても、属性特化型にしても、才能あるんじゃないのか?」


 ふっふっふ……。あ、女たちもこっちにやって来た。


「さっきはどーも。私はロイズ。よろしく、ライン」

「あぁ、こちらこそ、よろしく」


 会話を聞かれていたか。


「あれ、他の8人は? 一緒に戦ってただろ」

「いや、ラインを狙ってたから共闘した。と言うより、共闘させられた」


 あらら。そりゃ、2対8じゃあな。


「で、そっちは?」

「私はノヨです。よ、よろしく」

「あぁ、よろしく」


 どちらも金髪だな。

 ただ、ロイズは長髪だが、ノヨは肩まで。瞳は、ロイズが黒で、ノヨが青。


「ライン、そっちの2人も紹介してほしい」

「ああ、そうだな。こっちがゴース、んでこっちがミルだ。ついさっき、戦いを挑まれてな」

「ゴースだ、よろしくな」

「ミルだ、よろしく」

「「よろしく〜」」


 思いがけず親交が深まったな。誰かとは同じクラスになれるだろう。4クラスあるんだ。


 あれ、オレ抜きでなんかコソコソ話してる。聞いてやろうと思ったら、急にこちらを向いて、


「「覚悟!!」」


 と言って襲われた。


「お前一人だけ無傷ってのは、後味悪いからな」

「僕たち4人なら、勝てるんじゃないかってローズが……」

「お腹の痛み、思い知らせてやる!!」

「右に同意」


 え〜。それが勝負だろうがよ。いや、それならこれも仕返しで勝負か。

 なら、反撃オーケー?




 無傷で乗り切った。今回は水晶も使ったからな。少し危なかったけど。 

 オレはほぼ毎日、修行をしてたからな。さすがに、風邪をひいた時はやらなかったけど。

 アミリスさんがウイルスを殺してくれるけど、体力が削られるから、2、3日は安静にする必要があるからな。


 それに、知り合ったばかりだからチームワークもなってなかったしな。




 ちなみに、ロイズはオレの一撃で腹を下しており、トイレに直行したのは余談である。

 ロイズが戻ってきた時にはすでに時刻は13時56分。


 ──そして、14時になった。








「──ふぅ〜〜。これで少しは『道』が広がったかな? あとは、覚醒さえしてくれたら、完全に……。ふふ」





 ────────────────────

ブックマーク、コメント、星をつけて頂けると嬉しいです!

皆さんが読んでくださることが、私の作品を書くエネルギーへと変換されているのです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ