かつての親友はついに改心するが時既に遅し!
戦場へと駆けつけた美羽の力により真なる聖騎士となり及川との最終決戦を開始する一刀
両者の実力は互角であったが七乃達が駆けつけたことで及川は標的を美羽や七乃達に定め攻撃を繰り出すがそれを阻止しようと一刀が及川の攻撃を食らってしまい大ダメージを受けてしまうのだった。
大人美羽「一刀!? 」
七乃「そんな!? 」
ボロボロの状態の一刀に皆は衝撃を受けていた。
龍人及川「フハハッ!ついに俺は一刀を越える力を手に入れたぞ! 」
一刀を倒したことを喜ぶ及川は
龍人及川「さて、ゴミは全て排除せねばな 」
次なる標的として美羽達に狙いを定めると
龍人及川「次は貴様らの番だ! 」
ブォンッ!!
大人美羽「ひいぃぃーーっ!? 」
及川が美羽達目掛けて巨大な拳を繰り出すが
ドカァッ!!
龍人及川「馬鹿な┅!? 」
その拳は物凄い衝撃音が発生すると同時に止まった。
何故ならば┅
聖光一刀「はぁはぁ┅ 」
ボロボロの状態であるはずの一刀が及川の攻撃を受け止めたからである。
龍人及川「こ┅この死に損ないがっ!! 」
及川は更に拳に力を込めるが拳は1ミリたりとも進まなかった。
すると
聖光一刀「お┅俺が守るものには傷一つつけさせん! 」
ボロボロの状態でありながら迫力のある一刀を見て
龍人及川「うぐっ!? 」
万全の状態であるはずの及川は少々ビビっていた。
その時だった。
『なぁ、お前だって本当は一刀に敵わないって知ってるだろ 』
龍人及川「だ┅誰だ! 」
誰かの声が聞こえ、及川が声のする方を見てみると
バンッ!!
そこにはもう一人の及川の姿があった。
龍人及川「何故俺がここにいる!? 」
もう一人の自分の出現に驚く及川であったが
大人美羽「七乃、あいつは何を言っておるのじゃ? 」
七乃「さぁ、あんな人の考えなんて私にはわかりませんよ 」
もう一人の及川の存在は及川にしか見えなかった。
『お前自身も一刀に勝てないのは十分知っているだろ。いくらこんなすごい力を手に入れたところでお前は一刀に勝てはしないんだよ』
龍人及川「黙れ!黙れ黙れっ!! 」
『思い出せよ。和人として差別されてきたお前の側に誰がいたのかをよ』
龍人及川「! 」
もう一人の自分に言われ、及川はとある過去を思い出していた。
王宮騎士団に入団した頃、上官のいじめや魔物討伐
他にも苦しいことはあったが及川は同じ和人である一刀と共にいたからこそ乗り越えていた。
だが周囲の人は皆、及川ではなく一刀を見るようになり、同じ和人である自分が何故評価されないのかと憎んだ及川はジャリュウ一族と手を組み、そして王宮騎士団を追放された。
龍人及川「ああぁ┅ 」
本当に悪い人は昔を思い出しても自分が悪いとは思わない
だが今の及川は少々ではあるが自分も悪かったという気持ちが芽生えていた。
そして及川の中にある一刀に対する憎しみが薄れ、ジャリュウ一族の力なんていらないと感じたその時だった。
「あら、何とも情けない。ならこの力はわたくしがもらいますわ 」
龍人及川「なっ!? 」
及川の中で誰かの声がすると
ズズズッ┅
巨大龍人及川の姿が急に変わっていき
龍人麗羽「おーほっほっほっ! 」
バァンッ!!
姿が及川から麗羽に変わってしまった。
と同時に┅
ズズズッ┅
及川「うおっ!? 」
聖光一刀「及川!? 」
麗羽の体から及川が出されてしまった。
大人美羽「つ┅次から次へとおかしなことが起こるだなんてどうなっておるのじゃ!? 」
美羽でなくても誰もが不思議に思うなか
『どうやら我の力を甘く見たようだな』
この場にいる皆の耳に誰かの声が聞こえてきた。
その声の主は┅
クロウ「この声はまさか!?ジャリュウ皇帝か!? 」
及川に吸収されたはずのジャリュウ皇帝であった。
『及川、貴様は我を完全に取り込んだと思っていたようだがこのジャリュウ皇帝を甘く見るでない!貴様に取り込まれながらも貴様以上に憎しみを抱いている人物を待っていたのだ』
その及川以上に憎しみを抱いている人物こそ麗羽である?
『この女は戦闘力こそないがこの世に対する憎しみならば貴様以上、だが思っていたより貴様の憎しみが強いためこの女を表に出すことができなかったが貴様が憎しみを消してくれたおかげでこの女を表に出すことができたというわけだ。礼を言うぞ』
及川「何だと┅ 」
結局及川もジャリュウ皇帝に利用されていただけであった。
及川「ふざけやがって!お前をこの世に誕生させたきっかけが俺なら倒すのも俺がやってやるぜ! 」
バッ!!
及川は自分のした行いは自分がやってしまおうと龍人麗羽に向かっていくが
『この体を与えてくれた礼としてこいつをくれてやる』
ジャリュウ皇帝はそう言うと
龍人麗羽「あら、頭の中に何やらすごいものが浮かびましたわ 」
麗羽の脳内にテレパシーを送り
龍人麗羽「何だかよくわかりませんけど、こいつを食らいなさいな! 」
ブォンッ!!
麗羽は向かってくる及川に拳を繰り出した。
すると
ギュルルウゥーーッ!!
突然麗羽の拳が捻れ
及川「こ┅こいつは!? 」
ドドカァッ!!
及川「がはぁっ!? 」
聖光一刀「及川!? 」
麗羽は及川に龍皇螺旋撃を食らわした。
この技は先程及川が一刀に食らわせた必殺技である。
いくら麗羽自身の戦闘力はかなり低いとはいえジャリュウ皇帝の力により威力はかなりのものであった。
龍人麗羽「おーほっほっほっ!わたくしったら最強の力を手にしましたわ! 」
自分の力でもないのに調子に乗りまくる麗羽
聖光一刀「くっ!?奴は俺が┅ 」
このままでは大陸が麗羽の支配を受けてしまう
それを阻止するため一刀は既にボロボロの状態でありながらも戦おうとするが
龍人麗羽「あら、そこにいるのは散々わたくしに苦汁を味わらせてくれた匹夫ですわね 」
麗羽は一刀を発見すると
龍人麗羽「お前には特に強烈な一撃を食らわせてやりますわ! 」
カパァッ!!
麗羽は一刀の方を見ながら口を大きく開けると
ドカァッ!!
聖光一刀「がっ!? 」
麗羽の口から気弾が繰り出され、一刀が怯んだ隙に
龍人麗羽「龍撃百滅拳! 」
ドドドドドオォッ!!
聖光一刀「がはぁっ!? 」
大人美羽「一刀っ!? 」
麗羽は一刀に無数の拳の連打を繰り出した。
龍人麗羽「さて、これで邪魔者はいなくなったことですし、今夜はわたくしが最強の力を手に入れた感謝祭を開かなくてはですわね。おーほっほっほっ! 」
麗羽がそう言った直後
ビュンッ!!
チッ!
龍人麗羽「あうっ!? 」
麗羽の鼻目掛けて誰かの一撃が繰り出された。
及川「そんな感謝祭なんて誰が出るかよ 」
その一撃を食らわしたのは及川であり、一撃を食らった麗羽は┅
龍人麗羽「いやあぁーーっ!!わたくしの華麗な顔が台無しですわ!?鼻血は出てませんわよね!? 」
自身の顔を心配し、一時的であるが一刀達を見ていなかった。
その隙に
及川「一刀、生きてるか? 」
及川は一刀に近づいた。
クロウ「あいつ、まさか北郷を殺す気か!そうはさせん! 」
その行動を一刀を殺すためだと思ったクロウは動こうとするが
大人美羽「やめるのじゃ!今のあいつには一刀を殺そうとする気配がせぬ、┅気がするのじゃ 」
美羽はそう言ってクロウの動きを止めた。
聖光一刀「及川┅、俺はまだ生きてるがあんな奴相手にどう戦う気だ? 」
さすがの一刀も最強の力を手に入れた麗羽を前に弱気になるなか
及川「奴を倒す手が一つだけあるとすればお前はどうする? 」
及川はそんな一刀に一つの希望を話したのだった。