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姫はミツバチとなり、ハチの苦労を知る

それは最終決戦が始まる前に起きた出来事であった。


ある日のこと


七乃「お嬢様~、またおねしょしましたね~ 」


美羽「ひぃっ!? 」


おねしょをしたため美羽が七乃に怒られていた。


七乃「昨夜あれほど注意しましたのに無視して蜂蜜水を飲むからです。罰として蜂蜜や蜂蜜水は当分禁止です! 」


美羽「そ┅それだけは勘弁を┅!? 」


美羽にとって蜂蜜は生命の源であるため禁止を阻止したい美羽であったが


七乃「なら代わりにお尻叩き百万回にします?私はどちらでも構いませんけどね 」


美羽「ひゃ┅百万回!? 」


そんなに叩かれたら尻が赤くなるどころか尻の皮が剥けてしまう恐れがあるため


美羽「は┅蜂蜜禁止でいいのじゃ┅ 」


美羽は泣く泣く蜂蜜禁止を選択した。


七乃「それではお嬢様、蜂蜜が無くても我慢してくださいね 」


そして七乃が出ていった後


美羽「七乃の鬼ーっ!!(わらわ)から蜂蜜を奪えば何が残るというのじゃ!しかし、こっそり飲めばお仕置きされ、妾のお小遣いでは蜂蜜は買えぬしどうすれば┅ 」


美羽が打開策を考えていると


美羽「閃いたのじゃ! 」


美羽の頭の中の電球に光がついた。


美羽「こっそり飲んだり買おうとするから飲めぬのじゃ、じゃったら直接蜂蜜を飲めばいいではないか! 」


そう企んだ美羽は七乃に黙って森に向かい


ブンブンッ!


ミツバチの巣を発見すると


美羽「では蜂よ、妾に蜂蜜を寄越すのじゃ! 」


ポイポイっ!


蜂の巣目掛けて石を投げる美羽


どうやら巣を落とそうとしているらしい


※危険なので読者は真似しないで下さい。


そして


ブチッ!


美羽の企み通り石が蜂の巣に命中し、巣が落下した。


美羽「さすが妾、いい命中率なのじゃ! 」


だが


ぼとっ!


美羽「ふえっ!? 」


巣は美羽の顔面に当たり、よろけてしまった美羽は


ゴッチーンッ!!☆ミ


美羽「ぶぎゃっ!? 」


ばたんっ!


よろけた先にあった岩に頭をぶつけてしまい気を失ってしまうのだった。


そして┅


ブブブンッ!!


美羽「う~ん┅。うるさいのじゃ 」


うるさくて目を覚ました美羽が辺りを見てみると


ブブブンッ!!


周囲は人のようなサイズのミツバチだらけであった。


美羽「うわぁっ!?何でこんなに大きな蜂がいるのじゃ!? 」


美羽が蜂に驚いていると


ミツバチ「おいお前! 」


美羽「ふえっ!? 」


一匹のミツバチが美羽に迫ってきた。


美羽「は┅蜂が言葉を話しておるのじゃ!?怖いのじゃ~!? 」


ミツバチ「何を言ってるんだ? 」


するとミツバチは


ミツバチ「お前だって蜂のくせに 」


と言ってきたので


美羽「ふえっ?妾が蜂? 」


美羽は自身の姿を確認してみると


バァンッ!!


美羽の姿がミツバチのようになっていた。


美羽「な┅何なのじゃこれは!?わ┅妾に羽があるし、お尻に針もある!?頭に触覚も┅いててっ!? 」


頭の触覚を引っ張ってみて仮装ではなく本物であると確信する美羽


ミツバチ「お前が何をやりたいのかわからないが、とにかくさっさと仕事に行くぞ! 」


訳もわからぬまま混乱する美羽を引っ張っていくミツバチ


美羽「仕事?妾は字がかけぬから政務はできぬぞ!? 」


ミツバチ「何を言ってるんだ?俺達の仕事っていったら花粉を集めるに決まってるだろ 」


美羽「花粉集めとな? 」


働き蜂となった美羽はミツバチの体験をするのだった。


ブブブンッ!!


他のミツバチ達が羽を広げて飛び立っていき


ミツバチ「さぁ、いくぞ! 」


美羽と一緒にいたミツバチも飛び立つなか


美羽「わ┅妾は飛ぶのは初めてなのじゃ!? 」


人生初の飛行にビビる美羽であったが


ミツバチ「さっさとしろ!羽を羽ばたかせればいいんだよ! 」


ミツバチに急ぐよう指示され


美羽「わ┅わかったのじゃ! 」


ブブブンッ!!


ミツバチの指示通りに羽を羽ばたかせ、飛び立つと


美羽「おぉーっ!! 」


美羽はよろめきながらも自分の羽で飛んでいた。


ミツバチ「ほら、こっちに来い! 」


美羽「う┅うむっ!? 」


そして美羽はミツバチに付き添いながら一本の花の中に入っていき


ミツバチ「さぁ、花粉を取るぞ 」


他のミツバチ達と共に花粉を採取した。


美羽「これが蜂蜜になるのじゃな、ちょっと味見┅ 」


ミツバチ「してる場合か!さっさと巣に帰るぞ! 」


美羽「ふえっ!? 」


ミツバチに怒られ、仕方なく花粉を持ち帰る美羽であったがその時だった。


ミツバチ「ヤバい!?早く隠れろ! 」


美羽「どうしたのじゃ? 」


ミツバチ達が一斉に隠れ、不思議に思った美羽が外を見てみると


ブブブンッ!!


そこにはミツバチの天敵であるスズメバチが数匹いた。


しかも


麗羽「おーほっほっほっ!今日も可憐にミツバチを倒してやりますわ 」


一匹だけ麗羽の顔をしたスズメバチがいたのだった。


美羽「れ┅麗羽姉様!? 」


ミツバチ「ちっ!スズメバチがいるだなんて不運だ。だがみんなで集まれば何とかなる!いくぞ! 」


ミツバチ達『おうっ! 』


ブブブンッ!!


美羽を残したミツバチ達は一匹のスズメバチに迫り


ミツバチ達『それーっ!! 』


ババッ!!


一斉にスズメバチの体にくっついた。


これは蜂球(ほうきゅう)というミツバチがスズメバチを倒す手段であり、熱により蒸し殺すという手である。


これを十分間やればスズメバチを倒せるという


美羽「成程。ならば妾も! 」


そして美羽は


美羽「えいっ! 」


麗羽「なっ!? 」


麗羽の顔をしたスズメバチにくっつくが美羽はあることを忘れていた。


それは蜂球は一匹ではできないことである。


美羽「しまったのじゃ!? 」


今更ながらその事に気付く美羽であったが


麗羽「ちょっと!お退きなさい! 」


美羽に顔を塞がれ、前が見えなくなった麗羽スズメバチはふらふらしながら飛んでいき


ドカァッ!!☆ミ


麗羽「がはぁっ!? 」


木に顔をぶつけて墜落したのだった。


美羽「た┅助かったのじゃ!? 」


その後、何匹かはスズメバチに殺されてしまったものの何とか巣に戻ってきた美羽達


ミツバチ「あとはここに花粉を置けばいいんだ 」


美羽「これで蜂蜜ができるのじゃな♪命を懸けたかいがあったのじゃ 」


もうすぐ蜂蜜が食べられると思って思わずよだれを垂らしてしまう美羽であったが


その時だった


ぐらぐらっ!


突然巣が揺れだしたのだ。


美羽「じ┅地震かえ!?いや、木にぶら下がっている巣に地震が起きるはずが┅ 」


不思議に思った美羽が外を見てみると


美羽「では蜂よ、妾に蜂蜜を寄越すのじゃ! 」


そこにはもう一人の美羽がおり、巣に目掛けて石を投げていた。


美羽「何で妾がもう一人おるのじゃ!?やめるのじゃ! 」


しかし、美羽の願いは届かず


ブチッ!


巣はちぎれて落下してしまい


美羽「のわぁーーっ!? 」


巣の中にいた美羽を含めたミツバチ達も落下していった。


美羽「妾が悪かったのじゃ!?ミツバチ達が命懸けで集めた蜂蜜を奪おうとしたなんて、もう二度とせぬから許してほしいのじゃーっ!! 」


美羽が謝りながら叫ぶと


「お嬢様┅。お嬢様┅ 」


誰かの声が聞こえ


七乃「お嬢様! 」


美羽「はっ!? 」


七乃の声で美羽は目を覚ました。


美羽「ゆ┅夢!? 」


七乃「まったく、急にいなくなったかと思ったらこんな森の中でお昼寝しているだなんて風邪を引いてしまいますよ 」


どうやら先程までの出来事は美羽の夢だったらしい


美羽「(ミツバチはあんなに頑張っておるのじゃな、これからは蜂蜜を食べる量を控えるのじゃ) 」


自分がミツバチにとってどれだけ大変なことをしでかしたのか反省する美羽


だが


七乃「それではお嬢様には黙って森に出掛けた罰を与えなければなりませんね 」


美羽「ふえっ!? 」


七乃「蜂蜜は既に禁止にしてますからお尻叩き千回で勘弁してあげますよ 」


美羽「嫌じゃ~!? 」


この後、美羽は本当にお尻叩き千回を食らってしまいお尻が大きく腫れ上がるのだった。

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