騎士は将軍級と対決した
一刀が美羽の命により紀霊達と共に賊に襲われているという村に向かってみると既に村は壊滅しており、村人はおろか賊まで倒れており、更にその村には┅
一刀「将軍級!? 」
ジャリュウ一族の中でもかなりの強さを誇る将軍級が二人もいたのだった。
黒装束「おっ、皇帝様がわざわざ俺様達五龍帝を向かわせるから何かと思えば王宮騎士団がいるだなんてこいつは驚きだねぇ 」
五龍帝
皇帝級の次に強いとされる五人からなる将軍級のジャリュウ一族である。この五人はそれぞれ伝説級の竜や蛇の名を通称としており倒されても次の将軍級ジャリュウ一族が入るため欠員がいない。
そして別世界において王宮騎士団は将軍級を倒せると伝えられているが実際は数人がかりでの戦いであり、一対一の場合だと五分または苦戦すると言われている。
そして相手の方が数が上ならば┅
どうなるかはわからないとされている┅。
一刀「(相手は将軍級ジャリュウ一族が二人、どうする!?) 」
さすがの一刀も焦っていると
紀霊「おい、お前一体どうしたんだよ?さっきからおかしなことばかり言いやがってよ 」
意味不明な言葉を言い出した一刀を不審に思った紀霊が間に入ったその時だった。
黒装束「まずは雑魚から消えてもらうぜ!バイビー! 」
ブォンッ!!
黒装束の将軍ジャリュウが紀霊を殺そうと迫ってきた。
だが
ガッキィーンッ!!
紀霊「なっ!? 」
黒装束「およよっ? 」
赤装束「ほぉ 」
一刀が紀霊に当たろうとした攻撃を間一髪で防いだのだった。
一刀「もう二度と俺は仲間を失いたくない! 」
相手が将軍級だろうが皇帝級だろうとしても逃げようとしない一刀に対し
黒装束「おもしれぇ!この世界の奴は弱っちくて相手にならないからな!俺様が相手をしてやるぜ!この┅ 」
黒装束将軍ジャリュウはそう言いながら黒装束を脱ぎ捨てると
ヴリトラ「将軍級ジャリュウの五龍帝が一人、闇帝のヴリトラ様がなぁ! 」
バァンッ!!
そこには黒い鎧を身に纏い、鎌を背中に担いだ龍人型の将軍ジャリュウがいた。
ヴリトラ「さぁ、殺し合おうぜ王宮騎士団さんよぉ! 」
自分が戦う気満々だったヴリトラであるが
赤装束「ヴリトラ、ここは俺に任せてもらおうか 」
横から赤装束の将軍ジャリュウが割り込んできた。
ヴリトラ「何だよテメェ!人の獲物を横取りする気かよ! 」
赤装束「お前はここにいる奴らを散々殺しまくっただろう。それで我慢しろ 」
ヴリトラ「あんな雑魚何匹殺そうが満足できねぇっての! 」
どちらが一刀と戦うか仲違いを始める将軍ジャリュウ達であったが
赤装束「俺に譲れ!体が冷えてたまらぬのだ。王宮騎士団だろうがこいつと戦えばおそらく熱くなるだろうと俺は思っていてな┅ 」
バサァッ!
そう言いながら将軍ジャリュウは赤装束を脱ぎ捨てると
ファーブニル「俺は五龍帝の一人、炎帝ファーブニルだ! 」
バァンッ!!
そこには赤い鎧を身に纏い、体や手足の各部に噴射口のようなものがつけられた龍人型の将軍ジャリュウがいた。
ヴリトラ「ちっ!わかったよファーブニル、その代わりに譲ってやるから俺様に酒でも奢れよな! 」
ファーブニル「承知した 」
結局はファーブニルが一刀の相手をすることになった。
ファーブニル「待たせたな王宮騎士団の戦士よ。退屈はさせぬから覚悟しておけ 」
一刀「あぁ 」
スッ!
ファーブニルに対してランスを構える一刀
紀霊「あいつら┅ 」
そして紀霊と兵士達が見守っていると
ヴリトラ「しかし退屈だねぇ、そうだ!俺様は雑魚の相手なんてしたくないから代わりにこいつらを相手させてやるぜ! 」
パチンッ!
ヴリトラがそう言いながら指を鳴らすと
ズズズッ┅
黒い魔法陣のようなものが出現し
ギャシャアァーーッ!!
そこからジャリュウ兵士達が現れた。
兵士「何なんだよこの化け物!? 」
紀霊「怯むな!こいつらにあたし達の相手をさせようってのかい 」
ヴリトラ「正解!俺様は雑魚の相手なんてしたくないからそいつらで我慢しとけ、ちなみにそいつらでもお前らを殺すことはできるだろうけどな 」
ヴリトラが紀霊達にそう言うと
紀霊「フッ!袁術軍武将の紀霊を嘗めるんじゃないよ!テメェらもあたしの隊の連中なら根性と気合いで乗りきりやがれ! 」
無茶苦茶な話なのだが今はそう言うしかなかった。
と紀霊が皆に叫ぶのを見て
一刀「(紀霊なら大丈夫だ。俺は俺の戦いに集中しろ!) 」
ぐっ!!
さっきまで紀霊達が心配で戦いに集中していなかった一刀に集中力が戻ったのだった。
そしてその様子を合図にしていたのか
ファーブニル「では参る! 」
シュバッ!!
ファーブニルが一刀に迫ってきた。
一刀「うおっ!? 」
サッ!
ファーブニルが繰り出してくる拳や蹴りを何とか避ける一刀
一刀「(これはもしかしたら俺一人で将軍級を倒せるかもしれないな) 」
ふと一刀がそう思ったその時だった。
紀霊「あいつ、やっぱなかなかやるじゃねぇか、あの赤い奴の攻撃をうまく避けてやがる。仲間が苦戦してるがどうだ┅ 」
紀霊が戦いながらヴリトラに聞いてみると
ヴリトラ「何だよそれ、弱すぎだな 」
紀霊「なにっ! 」
ヴリトラが変なことを言い出した。
ヴリトラ「王宮騎士団っていうから期待してみりゃファーブニルの攻撃をギリギリ避けるだなんて、つまんなくなってきたぜ 」
そう言うヴリトラだがファーブニルが繰り出す攻撃は一刀だから避けてるのであり、並の人物ならまともに攻撃を食らっていた。
だが
ヴリトラ「ファーブニルはまだ全力の30%ぐらいしか力を出してねぇのによ 」
一刀「なにっ!? 」
その言葉を聞いた一刀は驚いた。
一刀自身は100%に近い力を出しているのに対し、ファーブニルは30%の力だけしか出していないことを
ヴリトラ「しかし俺様が相手じゃなくてよかったねぇ、俺様が相手だったらつまんなくて即座に殺してただろうけど、ファーブニルはそんなことしねぇから安心しな 」
そんなこと言われても安心できるわけがない
すると
ファーブニル「確かに貴様は弱い。それをいま俺が証明してやろう 」
ファーブニルはそう言うと
ボオオォーーーッ!!
ファーブニルの鎧についている噴射口から蒸気が噴き出した。
ファーブニル「フンッ! 」
ファーブニルは一刀に拳を繰り出したが
一刀「早っ┅!? 」
さっきまでよりもファーブニルの速度が上がっており
ドカァッ!!
一刀「がっ!? 」
紀霊「あっ!? 」
一刀は殴り飛ばされてしまった。
一刀「(さっきまでの攻撃よりも早い!?そして熱い!?) 」
更に威力まで増していたのだった。
一刀「まさか!? 」
ファーブニル「気付いたか、俺の体は体が熱くなればなるほど強く、速く、熱くなる!いまので50%の実力だが┅ 」
シュバッ!!
速さが増したファーブニルは一刀に迫ると
ファーブニル「お前を殺すには十分だ。王宮騎士団の一員よ、己の弱さを嘆くがよい! 」
ぐっ!!
ボオオォーーーッ!!
ファーブニルは拳に炎をまとわせ
一刀「(まずい!?) 」
ファーブニル「滅びよ!業火拳嵐の舞い!! 」
ドドドドドドドドドーーーッ!!
一刀「がががががっ!? 」
燃える拳の連打が一刀を襲いまくり
ドカァッ!!
一刀「がはぁっ!? 」
紀霊「ほ┅北郷ーっ!? 」
一刀の体は大きくぶっ飛ばされたのだった。