騎士は新たな仲間と遭遇すべし
一刀が美羽に仕えてから早二週間
特に目立つような事件がなかったある日のこと
一刀「せいっ!せいっ! 」
ブォンブォンッ!!
一刀が庭にて日課の鍛練であるランスによる素振りをしていると
一刀「(妙だな。何だか今日は嫌な予感がする) 」
ふと一刀が不吉な予感を感じていた。
すると
?「ほう、貴様、なかなかの素振りのようだな 」
バァンッ!!
一刀の前に背中に三尖刀(トライデント)を背負い、巨乳かつ星条旗ビキニ姿にパレオを腰に巻いた赤髪ポニーテールの女が現れた。
?「見たことない奴だが新兵か? 」
一刀「(誰かは知らぬが怪しいものではないようだな) 」
一刀は気配で目の前にいる女性が敵ではないと察していると
?「き┅紀霊さぁん!? 」
ぶるんぶるんっ!
今度は巨乳かつ白ワンピース一枚で瓶底眼鏡をかけた緑色のロングヘアーの女性が胸を揺らしながら駆けてくると
こてんっ!
?「きゃっ!? 」
眼鏡の女性は石につまずいて転んでしまい眼鏡も割れてしまった。
紀霊「おいおい、お前のドジっぷりはもはや流石だな袁渙 」
紀霊と呼ばれたビキニ姿の女性が眼鏡の女性こと袁渙に話しかけると
袁渙「私はドジなんかじゃありません! 」
キラッ☆
眼鏡が外れ素顔をさらした袁渙の目は綺麗であったのだが
紀霊「おい袁渙、どうでもいいけどあたしはこっちだ 」
袁渙「えっ? 」
一刀「どうも 」
袁渙は近くにいた一刀が紀霊に見えてしまうほど視力が超悪かった。
袁渙「眼鏡が割れても大丈夫です。予備はたくさんありますから 」
チャッ!
そう言いながらポーチの中から予備の眼鏡を取り出してかける袁渙であった。
すると
七乃「あらあら、お二方ようやく帰ってきましたか 」
この場に七乃が現れた。
紀霊「おっす七乃! 」
袁渙「無事に戻ってきました 」
七乃に挨拶する二人
どうやら二人は袁術軍所属の関係者らしい
一刀「七乃、この二人は? 」
七乃「そういえば一刀さんは面識がありませんでしたね。この二人は袁術軍の武将の紀霊さんと筆頭軍師の袁渙さんです 」
一刀「ほう 」
実はこの二人の存在については以前説明していた。
西森もうっかり忘れがちであったが第三話にて『袁家が誇る二大将』という文があるがそれがこの二人なのである。
七乃「そしてこちらは新しくお嬢様の護衛をしている北郷一刀さんです。ちなみに私もお嬢様も真名を預けています 」
紀霊「へぇ、お嬢はともかく七乃もか、あたしは紀霊だよろしくな! 」
袁渙「袁渙と申します 」
ちなみにこの二人は何処かの目立たない不運武将のように真名はなかった。
七乃「それより一刀さん、お嬢様がお呼びです。紀霊さん達も来てください 」
挨拶が長引いたが皆で美羽の待つ玉座の間に向かうことにした。
美羽「おぉ二人とも、よく戻ってくれたのじゃ妾は待っていたぞ 」
玉座の間にて皆を待っていた美羽は出会って早々そう言うと
袁渙「お久し振りです美羽様 」
紀霊「何だかあたし達がいない間にこっちでも色々あったようだな 」
この二人がいない間に一刀が仲間になっている。袁隗が追い出されていると驚きの連続であった。
七乃「お嬢様、再会の挨拶はそれくらいにしてそろそろ本題を 」
美羽「おぉ、そうだったのじゃ 」
七乃に言われ皆を呼び出した理由を思い出す美羽
だが
美羽「妾は詳しく知らぬがゆえ、七乃に説明を任せるのじゃ 」
七乃「はいは~い! 」
結局七乃に任せる美羽であった。
七乃「実はですねぇ、近隣の村に賊が現れたという情報が入りまして、お二人には賊退治をお願いしたいわけですよ 」
七乃が紀霊と袁渙の二人にそう言うと
紀霊「いいぜ!賊相手なら思う存分暴れられるしな 」
袁渙「もう紀霊さん、暴れるのが目的じゃありませんよ 」
二人は快く賊退治を引き受けた。
七乃「そして一刀さんにはお嬢様の護衛を┅ 」
と、七乃が一刀に指示を出そうとしたその時
一刀「すまないが俺は二人に同行していいか? 」
一刀がそんなことを言い出した。
美羽「何故なのじゃ? 」
いつもは美羽の護衛を優先する一刀にしては珍しかった。
一刀「いや、何もなければいいのだが嫌な予感を感じてしまって 」
紀霊「心配性な奴だな、あたし達は強いから別にいらな┅ 」
紀霊が同行を断ろうとすると
美羽「わかった。許可するのじゃ 」
美羽が同行を許した。
紀霊「お嬢!? 」
美羽「一刀がそこまで言うなら何かあるに違いないからのぅ 」
一刀「ありがとうございます 」
七乃「でもこちらに何かあるといけませんから代わりに袁渙さんが残ってくれませんか? 」
袁渙「私は別に構いませんが 」
こうして一刀と袁渙が入れ替わることになったのだが
紀霊「おい七乃、確かにあの男は雰囲気的に強いのは感じ取れるが役に立つのか 」
七乃「それは大丈夫です。一刀さんは強いですからねぇ 」
七乃も一刀の強さを信頼していた。
すると
七乃「それにしても紀霊さん 」
紀霊「何だ? 」
七乃は紀霊を呼ぶと
七乃「紀霊さん、綺麗ですね 」
紀霊「は? 」
つまらないダジャレを言った。
これがどういうことになるのかというと┅
一刀「ブフッ!!ギャハハーーッ!! 」
一刀が大爆笑した。
七乃「ご覧の通り一刀さんはダジャレで大笑いしますから注意してくださいね 」
紀霊「あ┅あぁ 」
本当にこんな奴を連れて大丈夫なのかと今更ながら心配する紀霊であった。
一刀「イーヒッヒッ!! 」
それから少しして
ザッザッ!
一刀と紀霊は兵達を連れて村に向かった。
紀霊「おいお前、先に言っておくがあたしは賊相手に負けるほど弱くはないからな 」
一刀「それくらいわかっている。ただちょっと不吉な予感がするだけだ 」
紀霊「心配性な奴め、まぁあたしの邪魔だけはするなよ 」
この先にある村の賊退治
それだけで終わるはずの任務であったが
村に着いて早々、彼らが目にしたのは
紀霊「なっ!? 」
バァンッ!!
家屋が崩れ、辺りには人が死にまくっているという不気味な光景であった。
紀霊「おいおい、たかが賊がこれだけのことするのかよ 」
ここまで荒れるとなると賊というより軍隊である。
誰もが村の悲惨さに驚くなか
一刀「あれを見ろ! 」
男「うぅっ┅ 」
一刀が生存者を見つけたのだが
その男を見てみると
バァンッ!!
何と!?男は村を襲っていたはずの賊の一人であった。
紀霊「おいお前ら一体何をしやがった! 」
紀霊が生存していた賊の胸ぐらを引っ張りあげると
賊「お┅俺達がやったんじゃねぇ!?悪魔だ。あれは悪魔の仕業だ!? 」
生き残っていた賊は悪魔と口にした。
紀霊「悪魔だと?何をふざけたことを!あたしを騙そうったってそうはいかねぇぞ! 」
最初から嘘だと決めてかかる紀霊であったが
一刀「待たれよ紀霊、少しは話を聞いてみよう 」
一刀は賊の話を聞いてみることにした。
紀霊「無駄な時間だと思うけどな 」
一刀「まぁまぁ、おい何が起きたのか一部始終話してみろ 」
一刀が賊に聞くと
賊「あれは数刻前だった。俺達が村の制圧を終えると妙な二人組が現れて触れもせずにお頭の首を切り落とし、仲間や村の奴らも殺されたんだ!? 」
賊は一部始終を話した。
紀霊「触れずに首を切り落とすだと?やっぱり嘘じゃねぇか!ブッ殺す!! 」
賊「ひぃっ!? 」
一刀「紀霊!? 」
賊の話を嘘だと思い、怒った紀霊が賊を殴ろうとしたその時!
一刀「!。危ない!! 」
紀霊「なっ!? 」
突然一刀が紀霊にタックルを食らわし、賊から引き離すと
ズバァッ!!
賊「え┅ 」
全員『!? 』
ドサァッ!
賊の首が切り落とされた。
一刀「(今の攻撃は!?まさか!?) 」
一刀が辺りを見渡してみると
?「ダメだねぇ生き残りがいちゃ、死んだ仲間が寂しがってるよ 」
?「・・・ 」
バァンッ!!
崩れた家屋の上に黒と赤のフードを着た二人組がいた。
そして彼らには竜のような尻尾があった。
尻尾に気付いた一刀は
一刀「(この気は間違いない。奴らは将軍級のジャリュウ一族だ!?) 」
敵の強さを感じるのだった。
オリキャラ紹介
紀霊
袁術軍武将。背中に三尖刀(トライデント)を背負い、巨乳かつ星条旗ビキニ姿にパレオを腰に巻いた赤髪ポニーテールの女で豪快な性格
袁渙
巨乳かつ白ワンピース一枚で瓶底眼鏡をかけた緑色のロングヘアーの女性。視力がかなり悪い。ちなみに白ワンピース一枚なのは節約家だからである。




