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観客達はすごいものを見た!

一刀と蜂蜜を賭けて突如行われた美羽と麗羽の袁家同士による三本勝負


多くの観客達が見守るなかついに勝負が開始されようとしていた。


陳琳「さぁ、まずは先鋒戦!出場選手は┅ 」


実況解説役の陳琳が事前に渡された出場選手が書かれた木簡(もっかん)を読み上げた。


陳琳「袁術軍・北郷一刀選手!袁紹軍・文醜選手です! 」


先鋒戦は一刀VS猪々子であった。


陳琳「この二人が戦う種目は┅ 」


そしてその勝負の内容は┅


陳琳「にらめっこです! 」


にらめっこであった。


ちなみに種目は麗羽が決めたものである。


斗詩「麗羽様、何で文ちゃんがにらめっこで対決なんですか? 」


麗羽「わかりませんの斗詩?猪々子ほど笑える武将はいませんわ 」


それだけで選ばれた猪々子って


麗羽「猪々子!袁紹軍の誇りに賭けて必ず勝ちなさい! 」


猪々子「任しといてください!あたいが大食いや力だけが取り柄じゃないってとこを見せてやりますよ! 」


そう言って舞台に上がる猪々子


美羽「頑張るのじゃぞ一刀! 」


一刀「健闘します 」


そう言って一刀も舞台に上がった。


ちなみに詳しい勝負内容は片方がおかしな顔をして相手を笑わせるというこれを決着がつくまで繰り返す交互のにらめっこである。


猪々子「それじゃあ、あたいが先攻だ!あっぷっぷっ! 」


バァンッ!!


そして猪々子は穴に鼻の穴に箸を突っ込んで変な顔をする女を捨てるような顔をした。


斗詩「た┅確かにあれは文ちゃんにしかできませんね!? 」


麗羽「そうでしょう。おーほっほっほっ!でもこれで一勝は確実ですわ 」


ところが


一刀「・・・ 」


一刀は笑うどころか口元が一ミリたりとも動いていなかった。


一刀は元騎士団の隊長であり高貴な立場の人と接することが多いため、相手が変な顔の時の対策として笑わないよう鍛練していた。


陳琳「北郷選手耐えきりました!これで攻守交代です! 」


猪々子「ちぃっ!あたいの取って置きだったのに! 」


攻守交代となり今度は一刀が猪々子を笑わせるわけなのだが


一刀「(どうしよう!?) 」


実は一刀、人を笑わせるのが苦手だったりする。


相手が子供ならともかく大人ならば更に難易度が上がってしまう。


一刀「あっぷっぷっ┅ 」


一刀がどう笑わせようか悩むなか


七乃「一刀さん 」


七乃が一刀に声をかけてきた。


七乃「文醜(ぶんしゅう)さんが文集(ぶんしゅう)を始めたそうです 」


七乃は一刀にくだらないダジャレを言ったのだが


一刀「ぶふっ!あーはっはっはっ! 」


軽いダジャレで大爆笑する一刀に対しては効果が抜群であった。


すると


猪々子「ぶふっ!ギャハハッ!なに笑ってんだよ! 」


つられて猪々子も笑ってしまい


陳琳「文醜選手が笑いましたので北郷選手の勝利です! 」


猪々子「しまった!? 」


一刀が勝利した。


美羽「やったのじゃ一刀ーっ! 」


七乃「作戦大成功ですね 」


一方


麗羽「むきーっ!!何をやってますの猪々子!それでも誇り高き袁家の武将ですの! 」


猪々子「すいません麗羽様! 」


麗羽「まぁ別にいいですわ。斗詩、あなたは必ず勝ちなさい! 」


斗詩「頑張ります 」


美羽「七乃!お主が勝って(わらわ)の勝利じゃ! 」


七乃「はいお嬢様 」


続いては七乃と斗詩による中堅戦


その勝負内容は┅


陳琳「野球拳です! 」


『うおおぉぉーーっ!! 』


対決種目が野球拳と知らされ盛り上がる観客達(主に男)


野球拳とはジャンケンをして負けた方が一枚ずつ服を脱ぎ全裸になった方が負けというものである。


すると


斗詩「ちょっと麗羽様、何で私が野球拳なんてしなくちゃならないんですか! 」


斗詩が種目を考えた麗羽に異議を唱えた。


すると麗羽は


麗羽「何を言ってますの斗詩?あなたはわたくしよりジャンケンは弱いですが猪々子には全勝してるではありませんの 」


斗詩「そ┅それは!? 」


確かにジャンケンの勝率に関しては麗羽の言うように


麗羽〉斗詩〉猪々子


なのだが


斗詩が猪々子よりジャンケンが強いのは主に負けた方が麗羽の命令を聞かなきゃならない時であり、逆に麗羽に対して弱いのは相手が主君だからである。


だがそんなことを口に出してはいけなかった。


しかし、このままでは野球拳をする羽目になり最悪の場合周囲の観客に裸を見られてしまう


斗詩に絶体絶命のピンチが訪れたその時!


七乃「棄権させてもらいます 」


何と!?七乃が自ら棄権した。


陳琳「おぉーっと!何と張勲選手が敗北を宣言しました。不戦勝により顔良選手の勝利です! 」


斗詩「(助かった!?) 」


何はともあれ野球拳をせず勝利した斗詩であった。


美羽「七乃!何で棄権するのじゃ! 」


七乃「すいませんお嬢様、肌を見られるのが嫌でして 」


と言う七乃であったが実際は七乃が勝つと美羽の出番がなくなってしまうからであった。


麗羽「おーほっほっほっ!とにかくこれで一勝一敗!わたくしと美羽さんの一騎討ちですわね 」


美羽「こうなったらやってやるのじゃ! 」


負けられないため気合いが入る美羽であったが


麗羽「袁家同士の最終決戦とならば種目はもちろん、この白鳥のまわしを着けての相撲ですわ! 」


ババァーンッ!!


何処から取り出したのか白鳥がつけられたまわしを取り出す麗羽


美羽「なぬぅっ!? 」


これはある意味野球拳よりも恥ずかしい対決である。


麗羽「まさか美羽さんったら辞退するつもりじゃないでしょうね? 」


麗羽が美羽を挑発すると


美羽「やってやるのじゃ! 」


負けられないためにも美羽は勝負を受けるしかなかった。


そして


陳琳「さぁいよいよ最終決戦!袁家同士による相撲対決が行われます! 」


麗羽「おーほっほっほっ!これでわたくしの勝利は確実ですわ! 」


美羽「何で(わらわ)がこんな格好を┅ 」


舞台に設置された土俵には行司の陳琳。そしてまわしのみを装着し、手で胸を隠す麗羽と美羽が立っていた。


もちろんこの相撲においても手を使っても構わないのだがそんなことすればポロリという観客達が喜ぶ展開が待っていた。


猪々子「頑張れ麗羽様! 」


斗詩「負けないでください! 」


七乃「お嬢様、ファイトです! 」


一刀「・・・ 」


それぞれの陣営が応援するなか


陳琳「見合って見合って、八卦よいのこった! 」


行司である陳琳が軍配を降ろした瞬間!


麗羽「おーほっほっほっ!美羽さん、遠慮はしませんことよ! 」


ダダダダダダダッ!!


麗羽の白鳥まわしによる連打が繰り出され


美羽「わわわぁーっ!? 」


小柄な美羽は勢いに負けてどんどん土俵際に寄せられてしまった。


このままいけば麗羽の勝ちなのだが


それだと面白くない麗羽は


麗羽「美羽さん、無様にブッ飛びなさい! 」


ぐっ!


野球のバッティングでもするかのように腰を構えると


麗羽「秘技・白鳥渾身撃(はくちょうこんしんげき)! 」


ブォンッ!!


おもいっきり腰を振り美羽に強大な一撃を食らわせ


美羽「のわぁーっ!? 」


七乃「お嬢様!? 」


美羽はブッ飛ばされてしまった。


麗羽「おーほっほっほっ!これでわたくしの勝ちですわ! 」


確かにこのままでは美羽の場外負けである。


美羽「(すまぬ一刀┅) 」


自分のせいで一刀を失う。美羽が悔しさのあまり涙を流したその時


ブォンッ!!


美羽「へっ? 」


逆方向から風が吹き


すたっ!


風に飛ばされた美羽は土俵に戻ってきた。


美羽「助かったのじゃ~ 」


麗羽「な┅何が起きましたの!? 」


麗羽が風の吹いてきた方を見てみると


一刀「うむっ! 」


そこには一刀がランスを構えていた。


先程起きた風は一刀がランスを振って起こした風である。


麗羽「ちょっと!手を貸すなんて反則ですわ! 」


抗議する麗羽だが


一刀「何を言う?俺は日課である素振りをしただけだがな 」


もちろん嘘であるが


七乃「そうなんですよね。一刀さんったら一日一回は素振りをしないといけない体なんですよ 」


ここぞとばかりに七乃が話を合わせた。


麗羽「むきーっ!!まぁいいですわ!生き延びる時間がわずかに延びただけのこと、次の一撃で決着をつけてやりますわ! 」


ぐぐっ!


さっきより威力を上げるため力を込める麗羽


美羽「もうダメなのじゃ!? 」


もう一度あの技を食らえば確実に場外負けである。


すると


一刀「美羽様、わずかで構いませんので攻撃した瞬間にジャンプしてください 」


一刀が美羽にアドバイスを送った。


美羽「じゃんぷとな? 」


何が何だかわからない美羽であったが


一刀「それで美羽様の勝利が決まります! 」


一刀がそこまで言うので


美羽「わかったのじゃ! 」


美羽は一刀を信じることにした。


だがそうこうしている間に


麗羽「何をする気かはわかりませんがもう無駄ですわ!食らいなさい!白鳥渾身撃! 」


ブォンッ┅


麗羽が渾身の一撃を繰り出すべく腰を大きく振るったその時!


美羽「うりゃっ! 」


ぴょんっ!


美羽は一刀のアドバイス通り精一杯ジャンプした。


すると


ドカァッ!!


美羽の上から繰り出された白鳥と麗羽の振られた白鳥が激突した瞬間!


ドサァッ!


麗羽「へっ? 」


美羽「なっ!? 」


一つの白鳥が地についた。


それは┅


バァンッ!!


麗羽のまわしであり、麗羽はまわしが脱げてしまったのだ。


一体何が起きたのかというと


実は麗羽が繰り出した技は腰を大きく振るうためまわしが脱げやすくなる欠点がある。


それに気付いた一刀は美羽にジャンプするよう言ってジャンプから降りた美羽の上からの一撃によりまわしが耐えきれず落ちたのだ。


とにかくまわしが脱げたことにより麗羽の不浄負けとなるのだが


『うおおぉぉーーっ!!』


観客達の騒いだ声で下半身が丸出しとなったことに気付いた麗羽は


麗羽「いやぁーっ!!わたくしの高貴な体を下民に見られるのは嫌ですわ! 」


ババッ!


麗羽は慌てながら素早く下半身を隠すものの


ぷるんっ♪


今度はおっぱいが丸出しとなってしまった。


猪々子「麗羽様、おっぱいが!? 」


麗羽「あぁっ!? 」


サッ┅


猪々子「下半身が!? 」


麗羽「あぁっ!? 」


サッ┅


猪々子「おっぱい┅ 」


交互に繰り返しながらおっぱいと下半身を隠そうとする麗羽であったが


斗詩「両方隠してください! 」


麗羽「そうでしたわね!? 」


サッ!


斗詩の言葉で両方隠すことに成功した麗羽


とにかく


陳琳「袁紹選手の敗北により勝者、袁術選手! 」


陳琳が美羽の勝利を宣言すると


美羽「やったのじゃーっ! 」


バッ!


胸を隠すのを忘れ両手を挙げて喜ぶ美羽であったが


『うおおぉぉーーっ!!』


観客達の視線が美羽に向けられた瞬間


ズビシシッ!!


七乃「何か見ましたか? 」


『い┅いいえ!?』


七乃はすぐに美羽の体を隠し


見てしまった観客達は七乃による目潰しを食らってしまうのだった。


ちなみに


一刀「・・・ 」


七乃「一刀さ~ん! 」


一刀「お┅俺は見てないからな!? 」


実は鍛え抜かれた動体視力を持つ一刀は七乃が隠す前にちょっとだけだが美羽の裸を見ていたりするのは内緒である。


何はともあれ袁家同士による三本勝負は二勝一敗で美羽の勝利で終わったのだが


麗羽「むきーっ!!悔しいですわ!猪々子、斗詩、帰りますわよ! 」


悔しさが胸一杯の麗羽が体を隠しながら帰ろうとしたその時


ガッ!


麗羽「えっ?┅きゃあーっ!? 」


ドッタァーンッ!!


麗羽は脱げた自分のまわしに足をとられ舞台から転げ落ちてしまい


麗羽「う~ん┅!? 」


バァーンッ!!


ぷるんっ♪


舞台から落ちた衝撃で隠していた手を離してしまった麗羽は観客達に全裸を目撃されてしまった。


その瞬間


『うおおぉぉーーっ!!』


本日最大の観客達による叫び声が響いた。


しかも麗羽は落ちた衝撃で気を失っている。


すると


猪々子・斗詩『麗羽様!? 』


このままではさすがにヤバイと思った二人は麗羽を担ぐと


猪々子「ちくしょう!覚えてろよ! 」


斗詩「蜂蜜は差し上げますのでサヨナラです! 」


ぴゅーっ!!


そのまま猛スピードで走り去るのだった。


美羽「何はともあれ蜂蜜はもらえたし、一刀も守れたからよかったのじゃ♪ 」


それからしばらくして


麗羽の本拠地では


麗羽「むきーっ!!美羽さんったらわたくしに恥をかかせるだなんて許せませんわ!! 」


麗羽が全ての原因を美羽に擦り付けながら怒りまくっていた。


麗羽「あぁ、わたくしの高貴な体を下民に見られてしまうだなんて袁家の恥ですわ 」


と言う麗羽だが


猪々子「というか袁家の恥は麗羽様だよな(小声) 」


斗詩「自分からあんな勝負を提案しといて美羽様に押し付けるだなんてねぇ(小声) 」


麗羽に聞こえぬよう小声で言う二人であったが


麗羽「二人共、何か言いまして!! 」


ギロリッ!!


斗詩「い┅いえ別に!? 」


猪々子「あたい達は決して麗羽様の悪ぐ┅ 」


斗詩「文ちゃん! 」


猪々子「おっと、いけねぇ!? 」


危うく口を滑らせて火に油をそそぐ結果を招きそうになる猪々子であった。


麗羽「美羽さんったら、この恨みはいずれ晴らしてあげますわ!! 」


だがこの時、麗羽自身も知らなかったが


麗羽の心の中に怒りの種と呼ばれるものが誕生しており、この事がきっかけで後に大変なことが起きてしまうとはこの時点では誰も気付いていないのだった。

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