袁紹は黒の衣装を纏い、敵は強さを増した
賊の襲撃というヴリトラの仕掛けた罠により呼び出された一刀はそこでかつての親友であった及川と戦うことになる。
戦いは一刀が優勢になるなかヴリトラの邪魔が途中で入り
更に恐るべきことに一刀に恨みを抱く麗羽が黒のスティックによって黒のドレスを身に纏った姿となったのだった。
七乃「あれはまるで大人になったお嬢様に似てますね!? 」
美羽「でも妾と違って黒いのじゃ!? 」
確かに美羽が使うと白のドレスなのだが
麗羽が使うと黒のドレスになっていた。
麗羽「おーほっほっほっ!何だか知りませんが力が溢れてくる気がしますわ! 」
一刀「あれは一体!? 」
一刀さえも麗羽の姿に驚いていると
ヴリトラ「は~い。それについてはこの俺様、ヴリトラが解説してやるよ! 」
ヴリトラ「あれは暗黒鎧を呼び出すための姿なのさ 」
一刀「暗黒鎧だと!? 」
ヴリトラの言葉に驚く一刀
暗黒鎧とは一刀が纏う聖光鎧と反する力である。
ヴリトラ「お前が聖光鎧を呼び出すスティックを手に入れたと聞いてジャリュウ皇帝様はそれと相反する暗黒鎧を呼び出すスティックを探せという指令を出した。そしてそれを見つけ出した俺様に褒美として今回の出撃指令が命じられたわけさ、ありがとうな北郷、お前のおかげで出撃できたから無能な人間共を殺しまくるのは楽しかったぜぇ 」
一刀「貴様┅! 」
ヴリトラ「そしてあのスティックの力はお前もよく知っているだろう!さぁ女よ、我らジャリュウ一族に力を与えな! 」
バッ!
ヴリトラは片腕を挙げて麗羽に力を寄越すよう言うが
麗羽「は?何故私が与えなければならないですの? 」
麗羽は拒否した。
ヴリトラ「何だと! 」
麗羽「このわたくしがあなたのような黒くて汚らわしい輩なぞに何故与えなければなりませんの!嫌ですわ 」
麗羽はヴリトラを馬鹿にして断ると
ヴリトラ「こ┅このあまぁ!ブッ殺して┅!! 」
馬鹿にされ激怒したヴリトラが麗羽に向かって斬りかかろうとした。
このまま内部分裂が起きればよかったのだが
及川「ちょい待てやヴリトラ 」
余計なことをとばかりに及川がヴリトラを止めてしまった。
ヴリトラ「邪魔すんな!俺様は馬鹿にされるのが一番大嫌いなんだ! 」
及川「邪魔はせん。ただあの麗羽については俺の方が詳しくてな、まぁ任しておけ 」
及川はヴリトラにそう言うと
及川「袁紹様、ここにいる奴らを倒すには俺達では力不足ですのであなた様の御力をお貸しくださいませ! 」
本心では『俺に何を言わせるんだこの野郎!』と思いながらも及川は麗羽に対して助けを求めるような言い方をした瞬間
麗羽「おーほっほっほっ!最初からそう素直に言えばいいのですわよ 」
麗羽は簡単に乗せられてしまった。
さすがは少しの間ながらも麗羽と共にいた及川であり麗羽の性格を知り尽くしていた。
麗羽「仕方がありませんわねぇ、少しだけ力を与えてあげますわ! 」
パァッ!!
麗羽の手に黒いステッキが現れ、黒の光がついた瞬間
めきめきぃっ!!
ヴリトラ「オッホォーッ!! 」
ギャギャシャーーッ!!
ヴリトラとジャリュウ兵士達の力が上がり
更に
ジャキンッ!!
一刀「なっ!? 」
及川の体に暗黒鎧が纏われた。
そう。この麗羽が着ている黒のドレスは美羽が持つスティックと同様の力を持ち、闇の一族であるジャリュウ一族に力を与え、暗黒騎士に鎧を纏わせるのだ。
暗黒及川「さて、戦いの続きといくぜ一刀! 」
バッ!
鎧を纏った及川は一刀に迫り
一刀「くっ!? 」
バッ┅
一刀が迫ってくる及川に対して盾を作り出そうとするが
暗黒及川「遅い! 」
ぐいんっ!
及川はすかさず一刀の後ろに回り込み
暗黒及川「おらよっ! 」
ドカァッ!!
一刀「がっ!? 」
一刀に一撃を与えたのだった。
美羽「一刀!?妾はどうすればいいのじゃ!? 」
一刀の危機に混乱する美羽であったが
七乃「そうだお嬢様、前に使ったスティックを持ってますよね。それで一刀さんを強化させればいいんですよ 」
美羽「おぉ、そうであった! 」
七乃から話を聞いた美羽はすぐにスティックを取り出そうとするが
ヴリトラ「そうはさせねぇぜ! 」
バッ!
美羽「のわぁーっ!? 」
そうはさせないとばかりにヴリトラが美羽達の前に現れた。
ヴリトラ「あれ?よくよく考えてみればお前を殺せば北郷は光の鎧の力を使えないんだっけ、ならお前には死んでもらうぜ! 」
美羽「ひいぃーーっ!? 」
七乃「お嬢様ーっ!? 」
ヴリトラが美羽達に襲いかかろうと鎌を振り上げる
一刀「お嬢様!? 」
一刀はすぐにでも美羽を助けにいきたかったが
暗黒及川「お前の相手は俺だ! 」
及川が一刀を先に進ませなかった。
一刀「及川、お前の相手ならあとでやってやる!だから今は先にお嬢様を┅ 」
暗黒及川「やだね!悔やむなら戦力にならないようなあんなチビを連れてきてしまった自分を恨みな! 」
一刀が美羽の救援に向かえず
麗羽「おーほっほっほっ!いい様ですわ美羽さん 」
従姉妹の危機に麗羽は高笑いしまくるなか
ヴリトラ「死ねぇーーっ!! 」
美羽「のわぁーーっ!? 」
ブォンッ!!
無情にもヴリトラの鎌が美羽に振り下ろされてしまった。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
だが
ガキィンッ!!
誰かがヴリトラの鎌を弾いた
ヴリトラ「おいおい、どういうつもりだよ 」
美羽達をヴリトラから救い出したのは
ヴリトラ「クロウ!! 」
バァンッ!!
ヴリトラと同じジャリュウ一族五龍帝の一人であるクロウ・クルワッハであった。




