騎士は正式に姫に仕えた
ジャリュウ一族に急かされついに始動してしまった袁隗による美羽殺害計画
だがあと一歩というところでその計画は現れた一刀と七乃によって失敗しようとしていた。
ジャリュウ隊長「ちっ!まさかこの世界に王宮騎士団がいるだなんてな、ここはひとまず┅ 」
ガシィッ!!
美羽「にゃっ!? 」
ジャリュウ隊長は尾で美羽を捕らえると
ジャリュウ隊長「こいつを連れて逃げさせてもらうぜ! 」
バッコォーンッ!!
美羽「のじゃーっ!? 」
壁を破壊し、美羽を連れてこの場から逃走した。
ジャリュウ隊長「逃走じゃねぇ!戦略的撤退だ! 」
一般的にはそれを逃走という。
一刀「待てっ! 」
そして一刀もジャリュウ隊長を追いかけて外に出ると
袁隗「こりゃ!儂を置いてくな!? 」
残されてしまった袁隗もジャリュウ隊長達を追おうとするが
ガシィッ!!
七乃「あなたは逃がしませんよ! 」
袁隗「ひぃっ!? 」
七乃に掴まってしまった。
実は袁隗自身の武力も七乃と大差がなく、更に今の七乃は美羽を痛め付けられた怒りで普段よりも力が上がっていた。
この点からもはや袁隗が七乃に勝てるわけなかったのだった。
それはさておき
美羽を連れて逃げたジャリュウ隊長と追っていった一刀はというと
一刀「待てーっ! 」
ジャリュウ隊長「ちっ!しつこい奴だぜ! 」
最初は少しばかり離していたジャリュウ隊長であったがその差は徐々に追い付かれようとしていた。
ジャリュウ隊長「あいつめ、王宮騎士団がいるだなんて一言も言わなかったってのによ!こうなったらこいつを使うぜ! 」
そう言うジャリュウ隊長の手にはウズラのような卵が複数握られていた。
ジャリュウ隊長「さぁ、いきな野郎共! 」
ジャリュウ隊長が卵を一刀目掛けて投げると
バリィンッ!
卵はすぐに孵化し
ギャシャアァーーッ!!
卵からジャリュウ兵士が産まれてしまった。
ジャリュウ隊長「兵士達よ、奴を倒せ! 」
ジャリュウ兵士達『ギャシャシャァーーッ!! 』
ジャリュウ隊長の指示に従い兵士達は一刀目掛けて襲いかかるが
一刀「この程度ごとき、足止めにもならぬ! 」
ドカカァッ!!
ギャシャァーーッ!?
一般兵士よりかは強いジャリュウ兵士達は一刀の相手ではなく全員が倒されてしまった。
ところがだ!?
チッ!
一刀「むっ! 」
ボワワァーーンッ!!
何と!?倒したはずのジャリュウ兵士達から煙が発生したのである。
一刀「しまった煙幕か!? 」
実はジャリュウ兵士達はあらかじめ煙幕を持っており倒されたことで煙幕が爆発したのだった。
美羽「一刀!? 」
ジャリュウ隊長「今のうちだぜ! 」
一刀が煙幕で苦しんでいる間にジャリュウ隊長は美羽を連れ去ってしまった。
それから少し時間が経過して
ジャリュウ隊長「はぁはぁ┅、ここまで来ればすぐには来られまい 」
ジャリュウ隊長は一刀からかなり離れた場所に来ていた。
すると
美羽「頼む!妾は死にたくないのじゃ殺すのは勘弁してたもう! 」
美羽は殺されたくないため必死でお願いすると
ジャリュウ隊長「そこまで言うなら仕方ない。わかった。お前は俺の手で殺さないでやる 」
美羽の願いを聞いてくれた!
┅かに思えたのだが
ガシッ!!
美羽「ふえっ? 」
ジャリュウ隊長は美羽を掴むと
ジャリュウ隊長「そらよ! 」
ブォンッ!!
美羽「のあぁーーっ!? 」
空高く投げてしまった。
そして
バキィッ!!
近くにあった大きな岩を削って鋭くさせると
ジャリュウ隊長「お前を殺すのはこの岩にしてやるよ! 」
その岩を美羽の落下地点に置くのだった。
美羽「助けてたもうーっ!? 」
このままでは美羽が岩に激突して最悪の場合亡くなってしまう。
かと思われたその時!
ビュンッ!!
美羽「のじゃっ!? 」
ジャリュウ隊長「なっ!? 」
いきなり一刀が持っていたランスが美羽目掛けて繰り出されランスに掴まった美羽は岩への激突を避けた。
この出来事にジャリュウ隊長が驚いていると
一刀「ようやく見つけたぞジャリュウ一族! 」
バァンッ!!
この場に一刀が現れた。
ジャリュウ隊長「貴様!?どうしてここが!? 」
一刀「悪いが俺は悲鳴ならば遠くにいても聞き取れるんでな 」
そう。一刀は美羽が出した悲鳴を聞いて駆けつけたのだった。
だが
ジャリュウ隊長「ここまで来たのは誉めてやるがお前は一つのミスをしたようだな 」
一刀「何だと 」
ジャリュウ隊長「それはお前がランスを手放したことだ! 」
そう。ジャリュウ隊長の言うように一刀は美羽を助けるためにランスを投げたため今は丸腰であった。
ジャリュウ隊長「王宮騎士団といえども武器がなくては勝てまい! 」
ジャキンッ!!
ジャリュウ隊長は鋭い爪を出すと
ジャリュウ隊長「くたばりやがれ! 」
バッ!
爪を向け、一刀に突進してきた。
美羽「あぁっ!? 」
一刀、絶体絶命の危機!?
┅かと思われたが
一刀「ランスが無い王宮騎士団は丸腰か、その考えは間違っているぜ! 」
バチバチィッ!!
一刀は気を手に集めて練ると
ジャキンッ!!
ジャリュウ隊長「えっ? 」
気が剣の形となった。
これは王宮騎士団が持つ専用装備的なものである。
気を練ることでそれぞれの専用武器を作ることができるのだ。
それをジャリュウ隊長は知らなかったため
一刀「ハァッ!! 」
ズバァッ!!
ジャリュウ隊長「ぎゃああぁーっ!? 」
突進していったのが仇となり自分から斬られるという結果になってしまった。
その後
美羽「ふぅ~、助かったのじゃ 」
美羽は無事一刀に救助されたのだが
一刀「(この世界にジャリュウ一族がいる以上、俺がここに滞在していれば袁術ちゃんや張勲さんに迷惑がかかるな) 」
スッ┅
そう思った一刀はソッと去ろうとするが
美羽「待つのじゃ! 」
美羽に服を掴まれた。
美羽「行かないでほしいのじゃ、ずっと妾を守ってたもう 」
涙目を見せながら美羽が一刀に言うと
一刀「(袁術ちゃん┅) 」
スッ!
一刀は美羽の前に片膝を着きながらしゃがむと
一刀「王宮騎士団団長・北郷一刀、この命、袁術様に捧げると誓います 」
美羽に忠誠を誓うのだった。
すると
美羽「美羽じゃ 」
一刀「えっ? 」
美羽「一刀は妾に仕えるのであろう。ならば妾の真名である美羽を預けるのじゃ 」
真名の説明については今更ながら省略させてもらうがとにかく大事な名であると察した一刀は
一刀「ありがとうございます美羽様 」
美羽に対して礼を言うのだった。
一方その頃、最初に一刀が現れた荒野の近くにて
及川「(今の気配は一刀か、やはり奴もこの世界に来ていたみたいだな) 」
一刀の元同僚である及川がそこにいた。
及川「適当に悪意を感じる奴にジャリュウ一族の力を与えてやったらまさか一刀と遭遇するなんて、俺って運がいいのか悪いのかわからないな 」
及川はそう言うと
及川「まぁ奴を倒す時間はいくらでもある。それまでジャリュウ一族に奴を邪魔させるとするか、幸いにもジャリュウ皇帝と連絡がつけるようだしな 」
及川はそう言うとその場からゆっくりと去るのだった。
ちなみに┅
七乃「動いたらその分縛られちゃいますよ♪ 」
袁隗「んんーっ!? 」
袁隗は七乃によって猿轡を付けられ亀甲縛りをさせられ、更には帰ってきた美羽の命で城を追い出されたのは言うまでもない。
そして七乃は『お嬢様が真名を預けているのなら』という理由で一刀に真名を預けるのだった。