表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/100

騎士は好意を受け取るべし!

一刀の弱点発覚!?

ジャリュウ一族に寝返った及川との衝撃によりフランチェスカとは別の世界へとやって来た騎士・北郷一刀


そこで彼は偶然出会った袁術(美羽)と張勲(七乃)を賊の手から助け、お礼に城へと案内されたのだった。


一方その頃、城では


袁隗「ぐむむっ┅ 」


袁術の叔父にあたる九卿(きゅうけい)(当時の大臣にあたる)という官職の袁隗(えんかい)が頭を悩ませていた。


その理由は┅


袁隗「おのれ!せっかく賊を雇って袁術を殺してやろうと思ったのにあいつらったら会うなり『こんな仕事やれるか!』と逃げ出しおって!役に立たぬ連中だ! 」


そう。森で美羽達を襲った三人組を雇っていたのはこの袁隗であった。


元々この城は美羽の母である袁逢(えんほう)のものであったが彼女の亡き後、袁家の後継者を決める際、城は弟である自分のものと思っていたが七乃が美羽を強く推薦し、袁家が誇る二大将、他数名も同意したため美羽のものとなった。


しかし袁隗は表向きは美羽を認めても心の奥では認めておらず美羽が死ねば自分が城の持ち主になれると企んでいた。


袁隗「この城が儂のものとなればあと袁家を継いでいるのは馬鹿の袁紹のみ、あいつは軽く操れるから大丈夫だしな。それにしても張勲が護衛についていたとはいえ奴はそれほど強くなかったはずなのだが 」


何故自分の計画が狂ってしまったのか袁隗が不思議に思っていると


兵士「袁隗様、袁術様が戻られました 」


袁隗「お、おう、そうか 」


兵士に言われ美羽を出迎える袁隗であった。


美羽「叔父上(おじうえ)、ただいまなのじゃ! 」


袁隗「袁術よ、近頃外は物騒だと聞いたがよく無事で戻ってきたな 」


袁隗が美羽を出迎えると


美羽「確かに(わらわ)は危ない目に遭ってしもうたが、この者が(わらわ)を助けてくれたのじゃ 」


袁隗に一刀を紹介する美羽


袁隗「(こいつが余計な真似した奴か)この者は一体? 」


袁隗が美羽に聞くと


一刀「俺の名は北郷一刀、フランチェスカ所属の王宮騎士団(ロイヤルナイツ)の隊長です 」


丁寧に自己紹介する一刀だが


袁隗「ふ┅ふらんちぇすか?ろいやるないつ?こいつの言っとることがさっぱりわからぬが 」


袁隗は美羽に聞いてみるが


美羽「(わらわ)もよくわからぬ! 」


美羽もわかっていなかった。


美羽「じゃが、何となくなのじゃが嘘をついている気がしないのじゃ 」


一刀を見た美羽はそう感じていた。


七乃「そうなんですよ。一刀さんは何処からともなく現れた賊を軽く追い払った人でお嬢様の命の恩人ですからねぇ。それにしても賊は何処から現れたんでしょうねぇ? 」


七乃がちら目で袁隗を見ると


袁隗「さ┅さぁ、儂にはわからぬな 」


袁隗は何かに反応した。


実は七乃は袁隗が美羽を狙っていることに薄々ながら気付いているのだが


お馬鹿な美羽に話したところで自分の命が狙われているとは知らない美羽は袁隗が黒幕であることを知らず


更に袁隗は演技とはいえ周囲の人望を集めているため七乃が無理に袁隗が黒幕だと言っても皆は信用せずはっきりした証拠がないため七乃も手が出せなかった。


袁隗「それより袁術よ、お腹が空いたであろう。お前の好物の蜂蜜水を用意しているぞ 」


美羽「おぉっ!!(わらわ)の好きな蜂蜜水かえ!叔父上、ありがとうなのじゃ! 」


美羽は蜂蜜が好物であった。


そしてもし美羽が七乃から袁隗が美羽を殺そうとしていると伝えられてもまさか自分を殺そうとしている人物が好物の蜂蜜水をくれるわけがないと信じなかったかもしれない。


こういうこともあって七乃は美羽に真実を話さなかったりする。


袁隗「さぁさぁ、客人も一緒にどうですかな 」


一刀「ふむ、人の好意は素直に受け取らねば騎士の恥だしな 」


七乃「では向かいましょうか 」


そして場は移り、玉座の間へ


袁隗「さぁ袁術よ、お前の好きな蜂蜜水だ 」


キララーンッ☆


美羽「うおーっ!久々の蜂蜜水なのじゃーっ! 」


甘いものは高価とされていたこの時代、蜂蜜が食べられるのは金持ちくらいしかいない


名門と呼ばれた袁家といえどもそう簡単に手が出せるものではなかったりする。そのため美羽は蜂蜜水を目の前にして喜びまくっていたが


袁隗「(さぁ、さっさと飲むがよい) 」


実はこの蜂蜜水には毒が仕込まれていたのだ。


それも一滴だけでも飲んでしまうと死んでしまうほどの猛毒が


美羽「いただきますなのじゃーっ! 」


袁隗「(さらばだ袁術!) 」


そして美羽が蜂蜜水を飲もうとしたその時!


七乃「お嬢様、食べる前にお勉強です 」


七乃が横から入ってきた。


美羽「お┅お勉強は嫌いなのじゃ 」


七乃「大丈夫です。お嬢様は頭を使わなくていいんですからね。ではいきますよ 」


そして七乃は言った。


七乃「蜂蜜は、緻密(ちみつ)なことを蜂がすることでできるんです 」


・・・?


書いてる作者ですらも何を言っているのかわからなくなるが


今の言葉の前半部分を並べると


蜂蜜は、緻密なことを┅


更に平仮名で書くと


はちみつは、ちみつなことを┅


つまり七乃はダジャレを言ったのだが


美羽「何なのじゃ? 」


お馬鹿な美羽には理解できなかった。


袁隗「もうよかろう!さぁ袁術、お飲みなさい 」


美羽「うむっ! 」


そして再び美羽が蜂蜜水を飲もうとしたその時!


ぶ、わっはっはっはっはぁーーっ!!


美羽「なっ!? 」


突然大きな笑い声が聞こえ驚いた美羽は手を滑らしてしまい


ガッチャーーンッ!


蜂蜜水が入ったコップを床に落としてしまった。


美羽「(わらわ)の蜂蜜水が!? 」


袁隗「何事だ! 」


皆が笑い声が聞こえた方向を見てみると


一刀「いーっひっひっ! 」


そこには一刀の姿があった。


一刀「は┅蜂蜜は緻密って、ひぃーひっひっ! 」


誰もが笑わぬであろうダジャレで大爆笑する一刀


実は一刀、ギャグやダジャレに関しては非常に弱く


『布団がふっとんだ!』


という定番ギャグで大爆笑するくらいであり、一度大爆笑すると少しの間笑い続けたりする。


ちなみにこの事を及川は知らない


美羽「(わらわ)の蜂蜜水が~!? 」


蜂蜜水を落としてしまい飲めなくなったことでショックを受ける美羽であったが


七乃「大丈夫ですよお嬢様、こんな時のために七乃が蜂蜜水を用意しておきましたからね 」


美羽「おぉーっ!七乃はすごいのじゃ! 」


七乃から蜂蜜水を受け取り喜んで飲む美羽であった。


一方


袁隗「(お┅おのれ!) 」


この状況のなか、唯一笑っていないのが袁隗である。


袁隗「(あと少しで儂の計画が成功していたのに張勲とあの男め!) 」


自分の計画を邪魔したとして七乃と一刀をちらりと睨む袁隗であったが


七乃「?。何でしょうか? 」


七乃は反応せず


一刀「イッーヒッヒッ! 」


一刀はいまだに大爆笑という袁隗を更に怒らせる結果になっていた。


そしてその後


袁隗「えぇい、何でこうも儂の邪魔ばかり入るのだ! 」


計画がうまくいかないことに袁隗は苛立っていた。


袁隗「憎い!儂の邪魔をする奴は全員憎い!皆滅びてしまえ! 」


袁隗がそんなことを口にしたその時


チカラガホシイカ?


袁隗「あぁ、欲しいとも!儂の邪魔するもの全てを滅ぼす力が┅!あれっ?今の声は誰だ? 」


何処からか謎の声が聞こえてくると


ズズズッ┅


(なんじ)二チカラヲアタエヨウ!


袁隗「ひ┅ひぃっ!? 」


袁隗の影の中から黒いリザードマンのような不気味な生物が現れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ