連合軍は緊急軍議を開くべし!
麗羽の腹いせによって汜水関の先鋒を任された劉備軍であったが一刀の参入によって汜水関攻略に成功する。
そして董卓軍であった華雄が一刀に弟子入りし、袁術軍に参軍するなか、その後、麗羽による軍議が開かれることになった。
麗羽「おーほっほっほっ!皆さん、よく集まりましたわね。さて、この度の汜水関攻略ですがやはり総大将であるわたくしの見事な采配により完全完璧に勝利しましたわ。やはりわたくしには総大将としての器がありますのね。おーほっほっほっ! 」
あんた何もしてないだろうが!
と、この場にいる多くのものが思っていたが口には出さなかった。
そんななか
麗羽「さて、次の虎牢関ですが、先鋒はこのわたくしが向かいますわ 」
麗羽がとんでもないことを口にした。
華琳「ちょっと麗羽!あなた自分が何を言っているのかわかってるの! 」
麗羽「えぇ、もちろんですもの 」
麗羽はお飾りとはいえ立場は連合軍の総大将
戦いは総大将が負ければ敗北を意味する。
そして次の虎牢関には神速の張遼(霞)と天下無双の武力の持ち主とされる呂布が待ち構えている。
連合軍の中で呂布と対抗できる武力の持ち主は数少ないであろう。
お馬鹿な麗羽とてそれについては理解しているのだが
麗羽「ですが安心なさい。我が袁紹軍には強力な切り札がいますから 」
斗詩「文ちゃん、そんな人いたっけ? 」
猪々子「あたいらなわけないし、どうせ麗羽様のはったりだろ 」
側近二人が切り札は誰?と頭に?を浮かべるなか
麗羽「その人物はそこにいる北郷一刀ですわ! 」
ビシィッ!
麗羽は一刀を指差した。
麗羽「先程の戦い拝見しましたところなかなかの武力の持ち主、我が袁紹軍への参戦を許可し┅ 」
麗羽が勝手に話を進めようとするなか
一刀「断る 」
一刀は即座に断った。
麗羽「は? 」
一刀「俺は美羽様に仕える騎士だ。他のものに仕える気はない 」
美羽「そうなのじゃ! 」
はっきり断る一刀であるが
麗羽「み┅美羽さん、あとで蜂蜜を壺で差し上げますからこの男を貸しなさいな 」
美羽「う┅、蜂蜜壺とな!? 」
蜂蜜は美羽の好物である。
美羽の頭の中では一刀と蜂蜜壺が天秤にかけられるなか
麗羽「えぇ、それも三壺差し上げますわ 」
この一言により
かたーんっ!
美羽の中の天秤が蜂蜜壺側に傾いた。
美羽「一刀、麗羽姉様のもとにいくのじゃ 」
蜂蜜壺三つで一刀を麗羽に売る美羽
一刀「美羽様がおっしゃるのでしたら仕方がありませんね 」
麗羽「おーほっほっほっ!これにて軍議終了ですわ! 」
他の軍からしたら『こんなつまらないことで軍議を開くな』と言いたかったりする。
しかし、この軍議の結果が次の虎牢関での戦いにおいて連合軍を窮地に追いやる結果になるとはこの時は誰一人とて気付かなかった。
一方その頃、麗羽軍の休憩所にて
ニーズヘッグ「あ~、腹が減ったなぁ、あそこの人間、食っていい? 」
袁紹軍に紛れ込んでいた将軍級ジャリュウ一族・五龍帝のクロウ、ミズチ、ニーズヘッグ
ミズチ「ダメだよニーズヘッグ、僕達の任務は偵察なんだから食べたくても我慢しなきゃ、でもこのままニーズヘッグがお腹を空かして最後には餓死して┅ひいぃっ!?どうしようクロウ!? 」
ミズチがクロウに聞いてみるが
クロウ「はあぁ┅ 」
クロウはミズチの話を全然聞いていなかった。
ミズチ「ひいぃっ!?クロウが返事してくれない!?耳が壊れたんだ!?中耳炎だぁーっ!? 」
ミズチが騒ぎまくるなか
クロウ「(北郷一刀のあの剣技、やはり素敵だったなぁ) 」
クロウの頭の中は華雄と戦っていた一刀の姿でいっぱいであった。
クロウ「(この世界にもジャリュウ一族と互角に戦える奴がいるに違いない。そいつを倒せば私は更なる高みに上れる。その時こそ北郷一刀と戦って勝利してみせる!) 」
ぐっ!
一刀との戦いを夢見て拳を握るクロウ
ミズチ「ひいぃっ!? 」
ニーズヘッグ「腹減ったなぁ 」
様々な考えが流れるなか
翌日、連合軍VS董卓軍の第二戦が始まるのだった。