騎士は亡き友との出会いを思い出す
一刀の策略によって自ら総大将になってしまった麗羽は腹いせに劉備軍に汜水関攻略の一番手を命じる。
麗羽の策略によって他の軍が劉備軍に協力できないなか、一刀は軍ではなく自分一人が劉備軍に参戦することで策略を無効にし、桃香達の許可を得て汜水関への攻めに参加した。
そして汜水関を守る董卓軍の武将華雄を戦前に出すため罵倒し、怒らせて出させる策を使うが華雄が現れなかったため駆けつけた七乃の策により華雄の名前を使ったダジャレを言った瞬間、一刀が大爆笑し、自分の名前を笑われて怒った華雄が制止する霞を払い戦前に現れた。
そして華雄は一刀にタイマン勝負を挑むのだった。
華雄「では、いくぞ! 」
ブォンッ!!
華雄は得物の斧・金剛爆斧を高く振り上げると
華雄「ハアァーーッ!! 」
ドッシィィーーンッ!!
そのまま勢いよく一刀目掛けて振り下ろしてきた。
だが一刀は
サッ!
華雄「なにっ! 」
軽く避けるだけで華雄の一撃を避けたのだった。
華雄「貴様、よく私の渾身の一撃を避けたものだな、だが、まぐれは何度も続かぬぞ! 」
ブォンッブォンッ!!
華雄は一刀に迫りながら斧を振りまくるが
サッ!サッ!サッ!
これも一刀は軽く避けるだけでかわしていた。
華雄「何故だ!?まるで私の行動が手に取るかのように避けられている!? 」
不思議に思う華雄
一方の一刀は
一刀「(懐かしい感じだな) 」
戦いの最中だというのに笑みを浮かべていた。
一刀「(ゼクスと初めて戦った時もこんな感じだったっけ) 」
それは一刀と同じ王宮騎士団に所属していたかつての仲間ゼクス・ウォリアーと華雄が似たような動きを見せたからだ。
一刀の世界での数年前
まだ一刀が王宮騎士団に入団したての頃
ゼクス「よう。お前らが新しく王宮騎士団に入団したっていう和人だな 」
一刀「そうだが 」
及川「あんたは誰や? 」
ゼクスが一刀と及川の二人に声をかけると
ゼクス「俺の名はゼクス・ウォリアー!自慢じゃないが怪力で知られるウォリアー家出身のものだ 」
むきっ!
自慢してくるかのように筋肉を膨らませるゼクスであったが
一刀「及川、ウォリアー家って聞いたことあるか? 」
及川「全然ないで 」
二人は全く知らなかった。
ゼクス「ほ┅ほぅ、力自慢で有名なウォリアー家を知らないだと 」
一刀「聞いたこともない 」
及川「つーか、力自慢って単なる脳筋やんか 」
二人から更にバカにされ
ゼクス「もう怒った!俺と勝負しろ!ウォリアー家の実力を思い知らせてやるぜ! 」
怒ったゼクスは勝負を挑んできた。
及川「おいおい、団員同士で揉め事は┅!? 」
勝負を止めようとする及川であったが
一刀「面白い。その勝負、受けてやるよ 」
一刀は勝負を受けてしまった。
ゼクス「勝負を受けたことを後悔させてやるぜ! 」
一刀「悪いが俺は戦って後悔したことなんてない! 」
この後、二人は戦ったのだが
ゼクス「お前、なかなかやるな 」
一刀「お前もな 」
結果は引き分けとなったものの、二人の仲はよくなったのだが勝手に勝負したことが上官にバレてしまい二人は共に罰を受けるのだった。
一刀「(この華雄というもの、実力はゼクス程ではないがなかなかの斧の使い手、そして斧には斧だな) 」
バチバチィッ!!
一刀は気を集中させると
ジャキンッ!!
気で斧を作り上げた。
華雄「貴様も斧使いだったのか、だが私に敵うわけがなかろう!この一撃で倒してやる! 」
バッ!
華雄は一刀に向かいながら飛び上がると
スッ!
対する一刀はしゃがみながら斧を居合い切りのように構えた。
華雄「観念したようだな!ならば死ねーっ!! 」
ゴォッ!!
一刀に迫る華雄だが
一刀「スパイラル┅ 」
ぐぐっ!!
一刀は斧を握る手を強めると
一刀「サイクロン!! 」
ブォンッ!!
そのまま回転して斧を勢いよく振り回した。
ガキィンッ!!
激しくぶつかり合う一刀と華雄の一撃
勝者は┅
キィンッ!!
華雄「なっ!? 」
一刀の回転力が華雄の一撃を勝り、華雄は飛ばされ斧も投げ飛ばされた。
華雄「がはぁっ!? 」
そして地面に落ちてきた華雄の喉元に
スッ!
一刀「まだやるかな? 」
一刀が斧を突きつけると
華雄「わ┅私の敗けだ 」
華雄が降伏したことにより
一刀「敵将・華雄、討ち取ったりーっ! 」
一刀がそう叫ぶと
ウオオォォーーッ!!
連合軍は大きく叫んだ。
そして
霞「まさか華雄が倒されるやなんてな!?お前ら、虎牢関に一旦退却や! 」
汜水関に残っていた霞も華雄が敗北したと知ると虎牢関に撤退していった。
こうして汜水関の戦いは連合軍の勝利で終わったのだった。
一刀「さて、お嬢様の元に戻らねば 」
一刀が美羽の元へ戻ろうとすると
華雄「待て! 」
華雄は一刀を呼び止めた。
一刀「何かな?殺せと言うのなら聞かぬぞ 」
華雄「そうではない!貴様の名は? 」
華雄が一刀に名前を聞くと
一刀「袁術軍所属の北郷一刀だ 」
一刀が華雄に名乗ると
華雄「そうか、なら北郷よ、貴様に頼みがある 」
すると華雄は
バッ!
華雄「私を弟子にしてくれ! 」
一刀「えっ? 」
華雄は土下座のような体勢で一刀に頼むのだった。