連合軍は華雄を罵倒し、出させるべし！
麗羽からの文を受け、雪蓮率いる孫策軍との合同で連合軍に参加した美羽と一刀率いる袁術軍
だが着いて早々に誰が見てもわかるように総大将をやりたいオーラを出しながらも誰かが推薦してくれるのを待っていた麗羽のせいで一向に軍議が始まらないというアクシデントが発生するも一刀の機転によって麗羽に自分から総大将に立候補させることに成功
ところが怒る麗羽は悪知恵を働かせて、連合に遅れたという理由で汜水関の先鋒を劉備軍に任せ他の軍には協力をさせないよう仕向けてきた。
だが一刀は袁術軍ではなく自分一人だけが劉備軍に一時参戦することで麗羽の企みを阻止したのだった。
そして愛紗から実力を認められ、劉備軍への参戦が許可された一刀は現在、劉備軍と共に汜水関の前にいた。
一刀「ここが汜水関か 」
桃香「ここを攻略しないと先には進めないわけですけど、ここには董卓軍の猛将・華雄と神速の張遼がいるらしいです 」
この二人に対してどう攻略すればいいのか桃香が考えていると
朱里「聞いた話によりますと、華雄は己の武力に誇りを持っているそうです。だから怒らせれば自分から出てくるでしょう 」
華雄は意外と単純な人物であった。
愛紗「なら任せておけ 」
すぅっ！
愛紗はおもいっきり息を吸い込むと
愛紗「華雄！貴様は武に誇りを持っているようだが今の貴様はただ引きこもるだけの亀だ！亀に斧は要らぬ！悔しければ出てくるがよい！ 」
キイィーンッ！！
愛紗は汜水関に向かって大声で叫ぶが
しぃんっ
汜水関からは物音一つさえしなかった。
愛紗「どうしたのだ？華雄が噂通りのものならば今ので出てくるはずなのだが？ 」
一刀「余程我慢しているのかもしれないな 」
そう言う一刀だが、汜水関では
華雄「関羽ーっ！！あいつめ、許さぬ！！ 」
散々罵倒された華雄が今にも汜水関を飛び出しそうであったが
霞「あかんっ！ここは堪えるんや華雄！？ 」
同じく汜水関にいた張遼(真名は霞)が必死で押さえつけていた。
霞「事前に作戦を詠から聞いとったやろ！この戦いは月を守るための戦い、あんたが飛び出しただけで狂うんやで！誇りなんて今は捨てとけ！後で何倍にも返したらえぇやんか！ 」
華雄「うぅっ！？ 」
華雄がいま一番に守らなければならない人物・月の名前を出され華雄は黙るしかなかった。
という出来事が発生するなか
愛紗「出てこい華雄！この臆病者が！ 」
鈴々「お前の母ちゃんでべそなのだ！ 」
愛紗達は罵倒を繰り出すも次第にネタが尽きようとしていた。
朱里「困りましたね。華雄が出てこないと先には進めません 」
桃香「う～ん。どうすれば出てきてくれるんだろう？ 」
劉備軍の皆が頭を悩ますなか
七乃「お困りのようですねぇ 」
にゅぅっ！
桃香「わぁっ！？ 」
いきなり七乃が現れた。
一刀「七乃、どうしてここに！？ 」
七乃「お嬢様がお昼寝しましたのでちょっと散歩がてら様子を見に来れば皆さんが困っているようでしたので手を貸しに来ましたよ。あくまで私は散歩に来て道に迷っただけですからね 」
うまく他の軍が劉備軍に味方してはいけないという麗羽の悪知恵の隙をついた七乃の策であった。
七乃「ようするに華雄さんを怒らせて自分から出るよう仕向ければいいんですよね。私に任せてください 」
桃香「本当ですか！ 」
七乃には何かの策があったようだ。
七乃「まず一刀さん、これを持って汜水関の方を向いてください 」
一刀「これって┅ 」
そう言って七乃が一刀に渡したのは簡易版拡声器。通称メガホンであった。
すると
七乃「華雄さんの背中がかゆう～！ 」
ぴくっ！
七乃が一刀の耳元でそう言った瞬間、異変が発生した。
一方その頃、汜水関では┅
霞「どうやら連合軍も罵倒のネタが尽きてきたようやな、やれやれやで 」
華雄「フッ！私だって忍耐という言葉はわかるさ 」
そう言う華雄であったが、もし霞がいなかったら真っ先に飛び出していたに違いない
もう安心した。
そう思って霞の気持ちが緩んだその時だった。
ギャハハーーッ！！
霞「な┅何やねん今の笑い声は！？ 」
連合軍の方から笑い声が聞こえ、霞が見てみると
一刀「か┅華雄、かゆうって、ブハハッ！ 」
そこには一刀が一人で大笑いしていた。
一刀はダジャレを聞くと大爆笑するのだが
今の笑いを聞いて自分の名前が馬鹿にされたと勘違いした華雄は
華雄「あの男、許さぬ！！ 」
バッ！
霞「こらっ、待てや！？ 」
霞の制止を振り切り、軍を率いて飛び出していき
華雄「我が名は董卓軍武将の華雄！連合軍よ、私が相手をしてくれる！ 」
連合軍に対して名乗り出た。
霞「あの阿呆、作戦が滅茶苦茶やないかい！？ 」
脳筋の相方と組まされ頭を悩ませる霞
そして更に華雄は
華雄「そこの我が名を侮辱した男！ 」
一刀「えっ？俺のこと？ 」
華雄は一刀を指さすと
華雄「貴様だけは絶対許せぬ！私と一対一で勝負しろ！ 」
一刀とタイマン勝負を提案してきた。
その提案を
一刀「勝負を申し込まれて引き下がっては騎士の恥。その勝負、受けて立つ！ 」
一刀は承諾し、華雄との戦いが始まろうとするなか
クロウ「ちっ、あいつら何処へ行ったのだ 」
袁紹軍の兵士として潜り込んでいたクロウ達だがクロウはニーズヘッグ、ミズチとはぐれてしまった。
クロウ「こうも似た奴らが多くては探すのが大変だな、んっ！前の方が騒がしいな 」
兵士達の間を通り、クロウが前を見てみると
クロウ「あれは！？ 」
そこには一刀と華雄が戦おうとしていた。
クロウ「面白い。北郷一刀、貴様の実力を見せてもらうとするか 」
と、一刀が知らない間に戦いを見物するクロウであった。
