騎士は江東の虎と対決する
麗羽から届いた文により董卓を倒すために連合軍に参加することを決めた美羽
だが袁術軍だけでは麗羽のところより軍の人数が少なく、このままだと麗羽に馬鹿にされると察し、急遽孫策こと雪蓮の軍との連合を組むことにした。
だが実は孫策軍はいずれ美羽にクーデターしようと企んでいたが美羽との謁見の際、雪蓮が小声で言った美羽への『ぶっ殺す』発言を一刀に聞かれてしまい雪蓮は一刀にランスを突きつけられた。
美羽「孫策!お主は妾に対してそんなことを言ったのか! 」
さすがの美羽も怒鳴ると
雪蓮「い┅いやぁね!?私がそんなこと言うはずがないじゃない!?彼の聞き間違いよ!? 」
苦し紛れに雪蓮はそう言うが
じーっ┅
雪蓮「えっ!? 」
袁術軍の皆は雪蓮を見つめていた。
いまや一刀は袁術軍の重鎮的なポジションであり皆から信頼されているためその一刀が聞いたのならば間違いないと皆が思ったのだ。
美羽「うぬぬっ!孫策め、許せぬ!妾に対して失礼な発言をした罪で┅ 」
と、美羽が雪蓮に罰を与えようとしたその時
一刀「お待ちください美羽様 」
一刀が美羽に話しかけた。
美羽「何なのじゃ一刀? 」
一刀「いま我が軍は孫策殿に協力を要請している身、ここで罰を与えれば更なる反逆心を抱かせることになります 」
美羽「うぬぅ┅ 」
確かに一刀の言う通りだと察する美羽
ならどうすればいいのかというと
一刀「俺と孫策殿とで戦わせてください 」
バァンッ!!
何と!?一刀は自身が雪蓮と戦うことを提案してきた。
一刀「孫策殿、あなたが勝てば条件付きで兵を貸し、この件に関しては不問とします。ただし、あなたが負ければ罰を与えた上で無条件で兵をお貸しください。どうですか? 」
雪蓮「うっ!? 」
どう返答すればいいのかわからない雪蓮
負けるつもりもないが雪蓮を相手に戦おうと言う一刀には何か裏があるのではという不安が雪蓮を襲っていた。
すると
冥琳「その答え、代わりにこの周瑜が了承しました 」
悩む雪蓮の代わりに軍師である冥琳が返答した。
一刀と雪蓮の両方から合意が得たことで
美羽「では数刻後、鍛練場に集合なのじゃ! 」
急遽、一刀と雪蓮の戦いが始まるのだった。
そして
紀霊「なぁ北郷、お前が考えなしに孫策に戦いを挑むだなんて何かしらの策でもあるのか? 」
戦いの準備をする一刀に紀霊が聞くと
一刀「策?そんなものはないよ 」
紀霊「ないだと!? 」
一刀に策はなかった。
一刀「俺はただ強い相手と戦いたい、それだけだよ 」
そんな理由で雪蓮と戦おうとするだなんて!?
思わず呆気にとられる紀霊であったが
一刀的には対ジャリュウ一族との備え的な感じであったりする。
一方
冥琳「この馬鹿者がぁーっ!! 」
ゴッチィーンッ!!☆ミ
雪蓮「いった~い!? 」
雪蓮が怒り狂う冥琳からゲンコツを食らい頭に大きなタンコブができていた。
冥琳「お前という奴は!あれほど注意しろと言っておいたのに! 」
雪蓮「だって~!? 」
あれは一刀の耳が良すぎたからなのだが
祭「まぁ、策殿もこの世には小声で言っても聞き取れる奴がおることがわかったじゃろう 」
雪蓮「そんなにうるさく言わなくてもわかったわよ!(この年増)(※この年増部分のみ超小声) 」
かなり耳を澄まさなければ聞こえないほどの言葉で悪口を言う雪蓮であったが
ぴくんっ!
祭の体が反応すると
※しばらくお待ちください
雪蓮「す┅すいませんでした!? 」
祭「ふんっ! 」
何が起きたのかは知らないが恐ろしい目に遭わされた雪蓮であった。
冥琳「ところで雪蓮よ。お前、あの男に勝てるんだろうな? 」
祭「ふむ、儂から見ても策殿が気付かぬうちに妙な槍を繰り出すとはなかなかの武力のようじゃが 」
二人がそう話すなか
雪蓮「確かにあの男は私の勘でも強いってことはわかる。でも必ず勝ってみせるわ!孫呉の宿願のためにもね! 」
ここで一刀に負けてしまうようでは袁術からの解放なんて夢物語にしかならない。
そう感じた雪蓮が勝利すると宣言すると
冥琳「ならもし負けたら一ヶ月の禁酒だな 」
雪蓮「絶対負けられないわ!? 」
更に勝利を決意する雪蓮であった。
そして数刻が経過し
鍛練場に両軍が揃い、中心に木剣を構える一刀と雪蓮、そして審判役の紀霊が集まると
紀霊「これより北郷と孫策の試合を始める。勝敗については降参か武器破壊とする。双方いいな 」
一刀「うむ 」
雪蓮「了解よ 」
双方の合意が得たところで
紀霊「それでは┅始め! 」
紀霊の試合開始が宣言された瞬間
雪蓮「ハァーッ!! 」
バッ!
いきなり雪蓮が攻めてきた。
一刀「うおっ!? 」
キィンッ!!
雪蓮の一撃を何とか防ぐ一刀であったが
雪蓮「ハアァーーッ!! 」
一刀「くっ!? 」
次々と繰り出してくる雪蓮の攻撃を防ぐのに意識を集中してしまうため反撃する間がなかった。
一方、雪蓮は単純に攻めてくるだけかと思いきや
シュッ!
雪蓮は一旦しゃがむと
ブォンッ!!
一刀を転ばせるべく足払いを繰り出した。
普通ならば一刀が転倒するのだが
一刀「うわっ!? 」
サッ!
咄嗟に危険と判断した一刀がその場で跳んだことで足払いを食らわずにすんだのだった。
雪蓮「ちっ!避けられちゃった! 」
攻撃を避けられたことに舌打ちする雪蓮
一刀「(成程。孫策さんの戦法はいわゆる野良犬戦法というわけか) 」
常識が通用しない雪蓮の戦法はまさに野良犬戦法といえよう。
一刀「(相手がどう攻めてくるかわからない以上、防御に徹した方がよさそうだな) 」
そう思った一刀は
キンキンキンッ!!
雪蓮の繰り出す攻撃を次々と防いでいった。
雪蓮「ちぃっ!さっきから一発も攻撃が当たらない!? 」
こうなれば雪蓮はただ無駄に動いているだけとなり体力の消費が早くなるだけである。
だが一刀も防いでいるだけで攻撃を一切していないように見えるのだが
一刀「(いまだ!) 」
スッ┅
一刀は構えを変えると
一刀「シールドインパクト! 」
ダダッ!!
雪蓮「えっ!? 」
一刀は木剣で防御の構えをしながら雪蓮に突撃していき
ドカァッ!!
雪蓮「きゃあっ!? 」
まさか防御しながら突っ込んでくるとは思っていなかった雪蓮は一撃を食らってぶっ飛ばされた。
そして
バッキィーーンッ!!
一刀の一撃により雪蓮の木剣が壊れたのだった。
一刀「(シルド、お前の技を借りたぞ) 」
このシールドインパクト
実は一刀の仲間であったシルド・アリバの得意とする技で
いわゆるカウンター系の技であった。
一方
紀霊「一本、それまで! 」
雪蓮の木剣が壊れたことにより審判である紀霊が試合を止め
紀霊「勝者、北ご┅ 」
一刀の勝利を宣言しようとしたその時
一刀「待った! 」
一刀が『待った』と言った。
紀霊「どうした北郷、何が待ったなんだ? 」
理由を聞いてみると
一刀「実は俺も武器が破壊しています 」
バァンッ!!
一刀は皆に折れた木剣を見せた。
紀霊「な┅何で!? 」
こうなるのも当たり前である。
雪蓮の繰り出す猛攻を何とか防ぎつつ、最後に一撃を繰り出したのだ。単なる木剣が耐えきれるはずがなかったのだった。
しかし、皆は雪蓮がぶっ飛ばされるところに夢中で一刀の木剣が折れるところを見ていなかったためどちらの木剣が先に折れたのかがわからない。
すると
一刀「孫策さん、提案だがここは引き分けでどうだろうか 」
一刀が引き分けを提案してきた。
一刀「美羽様への暴言は不問とする代わりにそちらは条件無しで兵を用意する。それでどうだろう 」
一刀の提案を聞き
雪蓮「わかったわよ 」
雪蓮は了承したのだった。
雪蓮「(人は見かけによらないって言うけど、もし木剣じゃなかったらどっちが勝ってたんでしょうね) 」
普段ならば自分が絶対勝つと決めてかかる雪蓮であったが、次に一刀と戦えばどちらが勝つかわからない
そう雪蓮に思わせた一刀
この数日後、提案通り袁術軍は雪蓮から兵を借り出陣することになるのだが
雪蓮はあることを忘れていた。
冥琳「そういえばお前が負けたから一ヶ月禁酒だな 」
雪蓮「あぁっ!? 」
冥琳に言われ今さらその事を思い出す雪蓮であった。