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騎士は江東の虎と対峙する

月日が経つのは早いもので一刀がこの世界に来てから約2ヶ月が経過した。


その間、一刀は美羽の護衛をしながらも自身や兵の鍛練をしていたわけなのだが


美羽の方に被害はなかったが大陸の方では黄巾党という集団が暴れまわっていたものの、呂布という武将の手によって倒された


しかも呂布はたった一人で三万人の黄巾党を倒したというジャリュウ一族並の実力を持つという噂が流れていた。


そして、もう一つの噂が大陸に流れていた。


それは洛陽にて董卓という人物が献帝(けんてい)霊帝(れいてい)の命を人質に取り、悪行三昧をしているという噂が流れ


美羽の元にも麗羽から董卓を倒すための連合軍に参加するよう(ふみ)が届けられた。


七乃「『おーほっほっほっ!というわけで悪い董卓さんを倒すため連合を組みますので美羽さんにも出陣願いますわ。高貴なるわたくしの従姉妹であることを感謝なさい』とのことですこど、お嬢様、どうします? 」


七乃が高笑いまで再現しながら文を読み終えると


美羽「うむぅ、麗羽姉様からの文ならば焼いて無視したいところなのじゃが 」


内容を聞くととても無視できることではないと美羽でも理解した。


美羽「ここは(わらわ)も出陣するのじゃ! 」


出陣を決意する美羽であったが


七乃「そうしたいんですけどねお嬢様、我が軍だけでは兵の数が少ないんですよ 」


美羽「何とな!? 」


別に兵の数が少なくても問題はないように思えるのだが


相手はあの麗羽である。


きっと袁紹軍よりも少ない兵で出陣すれば


麗羽「おーほっほっほっ!美羽さんったらそれだけの兵しか連れてこないだなんて同じ袁家として恥ずかしく思いますわ 」


絶対バカにするに決まっている。


美羽にはそれが耐え難かった。


すると


七乃「ですからお嬢様、我が軍は孫策さんとの連合で出陣しましょう 」


美羽「おぉっ!その手があったのじゃ! 」


七乃から孫策との合同という言葉が出た。


一刀「孫策とは一体? 」


この中で唯一孫策を知らない一刀が聞いてみると


紀霊「そういやお前は知らないんだっけな 」


袁渙「孫策さんは我が領土にいる名武将の一人で他国からも『江東の虎』と呼ばれるほどの人物なんです 」


紀霊「配下にも名軍師や歴戦の将がいるが孫策自身の武力もかなりのものであたしも一度模擬試合をやったことがあるんだが 」


袁渙「手も足も出せなかったんですよね 」


紀霊「うるせぇ! 」


一刀「ほぉ 」


それほどの名将を従えている美羽に尊敬する一刀であったが


実際は現在孫策軍が領地としている場所が美羽によって与えられた土地であり、そのため孫策は恩義として美羽に従わなければならないのだがその内心では┅


美羽「七乃、早速孫策に文を送るのじゃ! 」


七乃「わっかりました! 」


それから数日後


孫策軍領地では


冥琳「『┅というわけで孫策さんと我が袁術軍は合同で連合に参加します。つきましては孫策さんは兵を大量仕向けてください』だそうだぞ雪蓮(しぇれん)


七乃から送られた文を軍師である周瑜(真名は冥琳)が孫策(真名は雪蓮)に伝えると


雪蓮「ふざけるんじゃないわよあのクソガキーっ! 」


雪蓮は怒りまくった。


冥琳「気持ちはわかるが落ち着け雪蓮 」


雪蓮「落ち着いてなんかいられないわよ!何よあのがきんちょ!要するに袁紹に馬鹿にされたくないから我が軍から兵を出せですって!腹立つーっ!! 」


雪蓮は自分の都合で孫策軍を引っ掻き回す美羽を表では忠誠心を尽くすように見えていたが内心では嫌っていた。


雪蓮「だいたいあいつはいつもいつも面倒事はうちに回しちゃって!腹立ちまくりよ! 」


雪蓮が怒りまくっていると


(さい)「まぁまぁ策殿、これも一つの好機と思って諦めるのじゃな 」


名将である黄蓋(こうがい)(真名は祭)がなだめた。


雪蓮「だってさぁ祭~! 」


祭「だってもない。これもいずれ果たす孫呉奪還のための我慢じゃ 」


そう。実は孫策軍は美羽に対して密かにクーデターを企んでいたのだ。


雪蓮「それもそうね。見てなさいよあのクソガキ!お漏らししたって首をはねるまで許さないんだからね! 」


美羽に対して更なる怒りを燃やす雪蓮


冥琳「言っておくが雪蓮、そんなに怒って我らの企みを袁術に気付かれるなよ 」


雪蓮「大丈夫よ。あんな頭の悪いクソガキがまさか私達が内乱しようだなんて思うはずがないじゃない 」


確かにその通りなのだが


それは今までの袁術軍の話であった。


そして、更にそれから数日後


七乃「お嬢様、孫策さんが連合について謁見(えっけん)(目上の人に会うこと)しに来たそうです 」


美羽「ふむ、通すのじゃ 」


孫策が美羽の元に現れた。


雪蓮「これはこれは袁術様、お久し振りでございます 」


美羽「うむ、久しいのじゃ孫策よ 」


美羽の前に現れたのは雪蓮、冥琳、祭の三人のみ


そんななか、ふと雪蓮が辺りを見渡すと


雪蓮「(あれっ?袁術軍にこんな男いたっけ?) 」


以前謁見した時にはいなかった一刀の存在を不思議がる雪蓮


雪蓮「(見た目はいい方だけど袁術のとこにいるんじゃ武力は大したことないかな?でも私の勘じゃ┅) 」


と、雪蓮が色々思っていると


美羽「これっ!聞いておるのか孫策! 」


雪蓮「えっ!?す┅すいません。聞いておりませんでした 」


一刀に夢中で美羽の話を聞いていなかった雪蓮は怒られてしまった。


美羽「まったく、相変わらず胸が大きいだけで頭は空っぽな奴じゃのぅ 」


七乃「きっと頭の中はお酒と戦いのことだけしかないんですよね 」


二人が雪蓮を馬鹿にすると


カチンッ!


さすがに雪蓮は怒り


雪蓮「こいつら、必ずぶっ殺してやるわ!!(超小声) 」


ぼそっ┅


誰の耳にも聞こえないよう言った雪蓮であったが


次の瞬間!


ジャキンッ!


雪蓮「へっ? 」


雪蓮が一刀にランスを突きつけられた。


祭「何をするか! 」


七乃「一刀さん、どうしたんですか? 」


ランスを突きつけた理由を聞いてみると


一刀「あなた、いま美羽様に対してぶっ殺してやると言いましたね 」


雪蓮「えぇっ!? 」


雪蓮からすれば『何で聞こえるの!?』と驚いていた。


一刀「美羽様に対する侮辱は許しません 」


雪蓮の軽口が大変なことになってしまったのだった。

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