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3 彼らの種族は
「ねえ、それじゃあどうするのよこれ。もう、私は興味が無いから帰るわよ。後は、貴方達の好きにして頂戴ね。
ふぁ〜眠い眠い。こんな事のために、私の睡眠時間が削られるなんて。せっかくの美肌にも影響しちゃうわ。」
金髪の厚化粧の女性は、何人かを引き連れてこの場から去っていった。
女性の後姿で耳と、激しく動いていた細くてピンク色の尻尾を見て思った。
そうか、豚の獣人なのかと。
分かった上で、目の前の男性の体型を見ると。
横にも縦にも太く、いい素材の洋服が悲鳴をあげていた。
「イヒヒ。よし、貴族のジジイ共に売り渡す前に、調教しとかないとな。そうしないと、相手さんにも迷惑が掛かる。この俺が相手するんだ、嬉しいだろう。」
「兄さん、僕ここに居て良い?」
「ああ良いさ、見物しておけ。さあ、まずはその貧乏そうな服を脱がすか。たっぷりと楽しませてくれよ?」
「兄さんに反抗するなよ、人間。お前は黙って兄さんの言うとおりにしてろ。」
欲望に満ちた目の男性が私に手を伸ばす。
軽蔑した目の青年が私に威圧感を与える。
これから先に、起こること。それは、自分にも容易に分かった。