悲劇の始まり
新宿で麻薬撲滅運動の準備をしていた佐久間の元に、変死体発見の連絡が入った。
「はい、佐久間です。変死体?場所は?」
「町田市の山林です。不法投棄防止の町田市警らパトロール車が、発見した模様。現場に急行願います」
「了解した。山さん、ここは他の者に任せて我々は、現場に急行だ」
一時間後、佐久間と山川は現場に到着。
「警部、こちらです。この先で変死体が発見されました」
「お疲れ様。第一発見者の方は?」
「お世話になります。町田市警らパトロールの遠藤です。こちらは日下です」
「警視庁捜査一課の佐久間です。こちらは同じく、捜査一課の山川刑事です。発見された当時の事をお聞かせ下さい」
「はい。最近、不法投棄が頻繁しており不定期に警らをしております。本日、九時過ぎにこの辺りを警ら中、道路から先の林の方に、大きな荷物が見えました。下車し、近くに行ったところ死体が見えたので、すぐ110番通報を行いました。怖くて詳しくは見ていませんが」
「発見された時に、不審者や不審車両はご覧になっていませんか?」
「あいにく、そのようなものは、確認出来ませんでした」
山川が、違う質問をする。
「不法投棄は、そんなに多発しているんですか?」
「はい。夜や人が少ない時に、多い時はダンプトラック一台分のゴミを投棄されることもあり、町田市でも撲滅に力を入れている所です」
「そうですか?また気になる点について問い合わせするかもしれませんが、本日はお引き取りして頂いて結構です」
鑑識官が、佐久間に近づく。
「被害者は、絞殺による窒息死ですね。何処かで殺され、遺棄されたようです。身元特定に繋がるものはないようです」
「身元特定は無理か。慰留品に付着した痕跡から何とか特定出来ないかな?」
「厳しいかもしれません」
「・・・そうか」
その時、もう一人の鑑識官が呟いた。
「あれ?この人?考古学の教授では?テレビで見た事あります!」
「ーーーー!誰だ?」
「東京○○○工業大学の田村何とかという教授かと。確証はありませんが」
「山さん、至急大学に連絡を。鑑識官にお願いしたい。何でもいい。些細な痕跡も見逃すな!」