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永遠の恋人 〜佐久間警部の要請〜  作者: 佐久間元三
プロローグ
2/18

飯島家

 十九時すぎ。


 仕事を終え、曳舟駅から東武スカイツリーライン線で二駅移動し、浅草駅で下車。


 そこから、路地伝いに歩いていくと、『お茶の飯島』老舗の茶店がある。


 そこが、里美の実家である。


 浅草寺からも近く、浅草二丁目の中でも、お茶の品質に定評が高く、常連や一見さんが集う、繁盛店だ。


「こんばんは。おじさん。いつもスミマセン。お言葉に甘えて来ました」


「おー、来たか、忠明くん。おーい、里美!母さん!未来の若旦那が来たぞ!」


 店の奥から、里美が出迎えた。


「おかえりなさい、タッくん。今日もお疲れ様でした。もうすぐ、閉店だから先に奥で母さんと話してて。私は、お父さん手伝うから」


「ただいま、里美。うん、わかっよ」


 店の奥に歩いていくと、突き当たりが食堂だ。

 和子は、夕飯の用意をしていた。


「こんばんは、和子おばさん。いつもスミマセン。助かります」


「おかえり、タッくん。いいのよ。未来の息子が遠慮しないの」


 和子は、上機嫌で食事の準備を進める。


 いつものように、忠明は全員分の食器を並べている所に、正志と里美が、店から上がってきた。


「はい、ちょうど出来たわ。みんな座って。頂きましょう!」


 家族揃っての団らん。


 正志は、上機嫌で酒を飲み忠明に尋ねる。


「忠明くん、こいつとはもうヤッたかね?」


 忠明は、思わず酒を吹いた。


「もう、お父さん!食事時に何を?」


「何を言ってるんだ?忠明くんは、若旦那。いつでも里美をくれてやると言ってるんだ」


「はあ。まだ半人前なので。やっと仕事も慣れたばかりです。もう少し、里美には待っていて欲しいかなと」


「そうですよ、あなた。貴子からも、一人前になるまでは、甘やかすなと言われてるんですから。まだ結婚はいいんじゃないかしら?里美もまだ二十歳だし」


「和子おばさん?母さんから電話あったんですか?」


「ええ。元気そうだったわよ。来週顔出すんでしょ?会いたがってたわよ」


「はい。日曜日に里美と見舞いに行こうかと思ってます」


「そう。貴子に会ったら、来月には私も顔出すよと伝えてね」


「はい、ありがとうございます」


 飯島家の楽しい団欒時間がそっと流れて、心地よい雰囲気で忠明も疲れが取れるのであった。


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