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僕ラノ戦争  作者: 影都 千虎
開戦
31/104

10.とある観察者の報告

 昼夜(ちゅうや)空美(そらみ)、十二歳。

 殺し屋一族である昼夜家の秘蔵っ子にして、“組織”の指揮官を務める。

 だが、“組織”の創始者である壱獄煉(いちごくれん)(けい)の言葉、現在自分達が目標としていることと、風見リユの言葉の食い違いを理由に辞めたようだ。

 “組織”から抜け出す際に自信の能力を使ったところ、標的である嘘誠院音無の家へと行ってしまう。

 基本的に、昼夜家であるという誇りを強く持っている。そのため、他を下に見てしまう癖があるようだ。


 雨宮(あまみや)雪乃(せつの)、十七歳。

 幻術師であり、猫神綾の親友であり、雨宮気流子の姉である。

 雨宮気流子にどうしても会いたくなかったらしく、姿をくらませていた。また、嘘誠院音無の家で他の者と暮らすのも耐えられなかったようだ。

 猫神綾にのみ好意を寄せ、若干の執着心が見える。

 その猫神綾に深手を負わせた黒岩暁を恨んでいるらしく、嫌がらせを決行することも。

 また月明葉折を生理的に受け付けないらしく、『ガチホモ乙女』と称してゴミを見るような目で見る。



 とうとう彼らにも、この世界が滅んでいることが告げられた。


 どうやら『Alice』の木偶は昼夜空美と入れ替わってしまっていたようだ。

 “組織”にて、昼夜空美は風見リユと会話をした。その際、自分達がしていることと、“組織”上部の思惑が食い違っていることを知る。嘘誠院音無を殺そうとしているというのに、上からの命令は嘘誠院音無と話し合いをして嘘誠院狂偽を捕獲することだったのだ。

 その食い違いに疑心を抱いた昼夜空美は組織を抜け出すことにした。


 逃げ出した昼夜空美を追いかけたのは九十姉妹。昼夜空美は彼女らから逃げるため、自信の能力を使う。しかしその能力は『誰かと入れ替わる』という制約があった。

 滅んだこの世界には“組織”と嘘誠院音無の家にいる面々以外の人間がいない。そのため、昼夜空美は『Alice』の木偶と入れ替わることになってしまったのだった。


 傷を癒すため嘘誠院音無が眠りについた次の日、嘘誠院音無の家の台所は黒岩暁の手によって破壊され尽くした。どうやら彼女は料理ができない以前の問題だったらしい。

 ちなみにその次の日、嘘誠院音無はこの日の夜まで目覚める様子はなかった。

 嘘誠院音無が眠っている間、猫神綾と昼夜空美は今後に関する話をしていた。まずは“組織”からの攻撃に耐えるため自身らが強くなること。猫神綾はそれを提案する。そして、昼夜空美の意識を変えるため、まずは自分が猫であることをやめて人間に戻るのだった。


 昼夜空美と猫神綾が会話をしていた頃、屋根の上で日向ぼっこをしていた黒岩暁は雨宮気流子に出会う。否、それは雨宮気流子を模した幻覚であり、その正体は雨宮雪乃であった。

 また、黒岩暁をここに来るよう山の下で急かした雨宮気流子も雨宮雪乃である。

 雨宮雪乃に『お前を殴る』という宣言をした黒岩暁は、思考が読める猫神綾に協力を仰ぐため家の中へと入っていく。そこで昼夜空美と猫神綾の会話を聞き、『修行』という単語にテンションが上がった黒岩暁は、昼夜空美と猫神綾、ついでに月明葉折を引きずって外に飛び出したのだった。


 とてつもないスピードで走りながら、黒岩暁と猫神綾は雨宮雪乃を探す。その事に気づいた雨宮雪乃は四人を幻術にかけるが、それも黒岩暁と猫神綾に速攻で見破られた。そして二人は、幻術を破る術に出る。

 その術と言えばとんでもないただの力技と、言葉による脅迫だったのだが、なんだかんだでうまくいってしまった。とんでもない力である。


 四人に幻術をかけている間、雨宮雪乃は普段から使用している洞窟にて『におう』と名乗る(?)傷だらけの少年を保護する。

 その少年を置いて逃げるという手もあったはずなのだが、どうやらそんなことは思い浮かばなかったらしい。逃げられなくなった雨宮雪乃は幻術を破った四人に見つかった。

 それでも最後の抵抗として岩を投げながら暴言を吐いていたのだが、突然現れた雨宮気流子によって特大の岩を腕一本で砕かれ、挙げ句雨宮気流子に強烈な頭突きを食らい雨宮雪乃は意識を失った。


 やっとその頃目覚めた嘘誠院音無。

 丁度その時帰ってきた雨宮気流子との会話によって台所の惨事を知り、猫神綾らの帰宅により、昼夜空美、雨宮雪乃との邂逅を果たすことになるのである。


 ようやく役者が揃ってきた。

 “私”も、そろそろ準備をするときが来るのだろう。その日が来るまで、“私”は役目を果たそう。

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