【揺花草子。】<その1138:悩ましい。>
【揺花草子。】<その1138:悩ましい。>
Bさん「このスタジオのすぐ近くにさ、コンビニあるじゃない?」
Aさん「あぁ、うん、ありますねぇ。
て言うかぶっちゃけここに来る前毎日寄ってくるけど。」
Bさん「最近新しい女の子の店員さん入ったじゃない?」
Aさん「あぁ、うん、そう言えばそうだね。
なんかここが初めてのバイトですってカンジの初々しい雰囲気の子だよね。」
Cさん「そうそう。阿部さん大好きゆるふわボブのメガネっ娘よね。」
Aさん「いいいいいやそれは知りませんけど・・・////」
Bさん「たぶん高校を卒業して大学入学まで時間があるし、少しでも学費の足しになるように、
苦労して大学入れてくれた田舎の親になるべく頼らないようにってことで
一念発起してバイトを始めることにしたんだと思うよ。
そしてきっと初めてのバイト代で親御さんに温泉宿泊券とかプレゼントしようと
思ってるんだと思うよ。」
Aさん「いやそんな詳細な設定知らないけど。
きみあの子のことなんでそんな詳しく知ってるんだよ。」
Cさん「コンビニも最近はすっかりホワイトデー企画一色よね。」
Aさん「まぁ・・・そう言う季節ですしねぇ。」
Bさん「阿部さんは準備は抜かりない?」
Aさん「(っっっっ////)
ず・ずいぶん明け透けに訊いてくるじゃないの・・・////」
Cさん「去年はけっこう頑張ったものね。
今年も期待してるわよ。」
Aさん「いやー・・・あんまり期待されてもちょっとってカンジですけど・・・////」
Bさん「いやーそこは期待してるよ!
て言うかぼくらの期待に添えなかったら罰ゲームを用意してるから。」
Aさん「えっ!! ば・罰ゲームですか!!! マジでか!!」
Cさん「まあでも相応に気持ちがこもっていればね。
それこそコンビニで売ってるようなやつでも充分嬉しいわよ。」
Aさん「そ・そうですか・・・。
そう言ってくれると少し気が楽ですけど・・・。」
Bさん「でも罰ゲームは断固としてやってもらいます。」
Aさん「あ・・・そこは譲ってくれないんだ・・・。
て言うか罰ゲームってどんなの・・・?」
Bさん「あのね、阿部さんコンビニに行ってさ、ホワイトデーのお菓子を商品棚から取って
さっき話した苦学生のメガネっ娘のレジに行ってね。」
Aさん「イヤ苦学生かどうかは分からないだろ。それはきみが考えた設定だろ。」
Cさん「そのメガネっ娘に、『ありがとうございます、○○円になりま〜す。』
って言われたら、阿部さんはお金だけ払って、そのまま立ち去ろうとする。」
Aさん「えっ? な・なんでですか?」
Cさん「するとメガネっ娘はきっと言うわよね。
『お・お客様、商品お忘れです・・・!』
そこで阿部さんは言うのよ。」
Aさん「え、なにを・・・?」
Bさん「『それは、ぼくからきみに。』」
Aさん「そんな恥ずかしい罰ゲーム絶対イヤだ!!!!!」
本気で準備しようと誓った。
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