【揺花草子。】<その1136:最下層。>
【揺花草子。】<その1136:最下層。>
Bさん「Ingress 知ってる?」
Aさん「あぁ・・・最近話題の位置ゲー?」
Bさん「そうそう、阿部さん知ってたんだ。」
Aさん「そりゃ、まぁ。」
Cさん「やってる?」
Aさん「やってはないです。」
Bさん「始めてみたのね。」
Aさん「Ingress を? きみが?」
Bさん「そうそう。
ぼくもママンも。」
Aさん「ほほう・・・。」
Bさん「一応説明しておくとさ、Ingress って言うのは Android や iOS 向けに
ご存知グーグルさんの社内スタートアップがリリースしてるゲーム。
端末の位置情報に現実の地図情報を組み合わせて行う、
まぁすごく単純に言えば拡張現実を舞台にした陣取りゲームです。
世界中にプレイヤーがいて、かなり流行ってるようです。」
Aさん「ふむふむ。
確かプレイヤーは大きな2つの派閥に分かれて戦うんだよね?」
Cさん「そうなの。
細かいストーリーのバックグラウンドとかはここでは省略するけれど、
体制派と反体制派に分かれてそれぞれ陣地を争っていく。
現実の街にある建物や施設、史跡、モニュメントなんかが『ポータル』と呼ばれる
陣地確保のための基点になっていて、それを自勢力が『ハック(占領)』していく。
そうして増やしていった自勢力のポータルを『リンク』していくことで
陣地を広げて行く、ってカンジね。
おっきなポイントなのは、ポータルをハックするためには
実際に現実にそのポータルが存在する場所に行かなきゃいけないってこと。」
Bさん「自勢力下に置いたポータルも放っとくとカンタンに敵勢力に
攻撃を受けて奪われちゃうから、防御用のアイテムを使ったり
攻撃を受けたらエネルギーを再チャージしたりして自陣防衛に努める。
Ingress ではプレイヤーのことを『エージェント』って呼ぶんだけど、
エージェントのレベルが上がればより強力なアイテムが使えるようになるから
ポータル防衛も敵ポータル奪取もやりやすくなって来る。
そうなって来ると俄然面白さが増して来る・・・って言うね。」
Aさん「なるほどなるほど。
両派閥の勢力は結構カンタンに入れ替わったりするんだね?」
Cさん「そうなのよね。
体制派は緑、反体制派は青で塗り分けられるんだけど、
昨日まで真っ青だったところが次の日には完全に緑になってた・・・
なんてことも全然稀じゃないの。
ひとりのエージェントの頑張りで大勢を変えることはできないから、
仲間同士で連携して任務に当たる・・・なんてところまで来れば
もう一流の Ingress エージェントかも知れないわね。」
Aさん「うーん、現実世界をフィールドにしているゲームならではってカンジですね。」
Bさん「最近はビジネス界隈でも注目されつつあるみたいだよ。
ローソンさんがお店をポータルとして登録していたり、
ビジネスとはちょっと違うけど岩手県が公的に県内の観光名所を
ポータルとして登録して町おこしにつなげようとしたりしているしね。」
Aさん「なるほど、実際にその場に行かなきゃポータルをハックできないと言う
縛りを利用して観光客を呼び込む手段にするわけだね。」
Cさん「だからプレイヤーの中には Ingress を始めてから毎日歩く距離が増えて
痩せて健康になってよく眠れるようになったなんて人もいるくらいよ。」
Aさん「なんか怪しいダイエット商法みたいですけど・・・」
Bさん「つまり、Ingress を楽しむにはいろんな場所に出かけて、
いろんなところでポータルをハックして・・・ってことが必要不可欠と言うわけ。」
Aさん「ま、そうなんだろうねぇ。」
Bさん「翻って、ぼくですよ。」
Aさん「うん?」
Bさん「朝バスに乗ってここに来て、収録やらなんやらやって、夕方ここを出て、
バスに乗って最寄りのショッピングセンターで買い物をして帰る。
ぼくの毎日はだいたいその繰り返しです。
お休みの日も特に用事がない限りはお出掛けしないし。」
Aさん「は・はぁ・・・。」
Bさん「ガチでインドア派のぼくには
あまり向かないかも知れないな、と思った。」
Aさん「前提レベルで否定!!???」
世界をよくするためには外に出ることだそうです。
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