【揺花草子。】<その1433:皆さんもお忘れなきよう。>
【揺花草子。】<その1433:皆さんもお忘れなきよう。>
Bさん「阿部さん阿部さん。」
Aさん「なに? ブリジット。」
Bさん「お金貸してください。」
Aさん「はい!!??? なにそれ突然!!???」
Cさん「現代版アリとキリギリスよ。」
Aさん「いやちょっと意味が分かりません。どう言うことです?」
Bさん「この年末年始にさ、ぼくらの街で幅を利かせる大手地銀が
システム入れ替えをするんですよ。」
Aさん「あぁー・・・うーん、そう言えばそうだっけ?
て言うか幅を利かせるとか人聞き悪いな。」
Cさん「そのシステム入れ替えの間は、すべてのオンラインサービスが停止するんですって。
各地のATMも停止するし、インターネットバンキングもサービス中断。
もちろん他の金融機関のATMからも当行の口座にはアクセス不可。」
Aさん「お・おぉ・・・。」
Bさん「なので、サービス停止前に現金を確保しておかないと
年末年始は無一文で過ごさなきゃいけないと言うわけです。」
Aさん「いやそこまでじゃないでしょ?
なんならクレジットカードとかで賄えばいいわけだし。」
Bさん「支払いが滞ってブラックの阿部さんが
どの面下げてそんなこと言うんだって感じだね。」
Aさん「別に滞ってないけどね!? ちょっとやめてくれないそう言うの!?
信用情報を貶めにかかるの良くない!!!」
Cさん「阿部さんのように多重債務が癖になっちゃってる人は
『金がないならキャッシングすればいいや』ぐらいに思ってるかも知れないけど、
世の大部分の金銭感覚のしっかりした人たちはこの難局にあっても
事前に現金をプールするなどきちんと対策をしているものよ。」
Aさん「さらに信用情報の毀損にかかって来た!! なんなんですあなたたち!?
・・・いや、でもまあ、確かに、ATMが使えなくなるなら、まあ、
事前にお金下ろしとかないとダメですね・・・。」
Cさん「口座にお金があればの話だけどね。」
Aさん「ありますよ!? なに言ってくれてるんです!!?」
Bさん「でも現実問題、この多忙極まる年末年始の中で、
お金を下ろし忘れちゃった・・・って困る人も多分いると思う。」
Aさん「いるかも・・・知れないねぇ・・・。」
Bさん「そんな迷える子羊のために、一発逆転の秘技を授けようと思ったよ。」
Aさん「え・・・なにそれ・・・なに一発逆転って・・・。」
Cさん「つまり年末年始にお金が尽きたとしてもなんとか生き抜く術ってことよ。」
Aさん「えっ・・・大丈夫なんです?
人を貶めたり法に触れたりするやつじゃないですよね・・・?」
Bさん「なに言ってるの。ぼくらほど遵法精神に溢れた人たちはいないですよ。
清廉潔白を画に描いたような存在だからね。
カット数で言えば300カットぐらいあるからね。」
Aさん「多すぎ!!!!! 30分アニメ1話分じゃん!!!!
そんなに描かなきゃ清廉潔白を表現できないんだとしたら
それはもう結構なグレーだよ!!!」
Bさん「ま、それはそれとして、大丈夫、極々当たり障りのない
至極真っ当な手段ですよ。」
Aさん「そ・そうなの・・・?
じゃあその手段とは一体どんなのなのさ?」
Bさん「年末ジャンボで一発当てる。」
Aさん「換金に1週間以上かかるだろ。」
至極真っ当とは言い難い。
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