【揺花草子。】<その1410:業が深い。>
【揺花草子。】<その1410:業が深い。>
Bさん「ファラリスの雄牛って知ってる?」
Aさん「えーっと・・・なんかそれって、すごいヤバいやつじゃない?
こんなとこで取り上げていいような穏やかなやつじゃなかった
気がするんだけど・・・。」
Bさん「古代ギリシア期に開発された処刑装置です。」
Aさん「やっぱりそうだ!! 危ないやつだ!!!」
Bさん「ファラリスって言うのは古代ギリシアの王様なんだけど、
実に残忍な王様だったらしいんだよ。
罪人を処刑するための新しい装置を開発しようと考えた。」
Aさん「うーん・・・穏やかじゃない話だね・・・。」
Bさん「で、あるアテナイの真鍮鋳物師が、王様の求めに応じて、
中が空洞になってる真鍮製の雄牛を作った。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「有罪になったものは、この真鍮の雄牛の中に閉じ込められ、鍵を掛けられ、
その状態で雄牛を下から火で炙る。
で、雄牛の頭部は煙突になってて、熱さで声を上げる囚人の叫び声や
燻された煙が立ち上り、さながら雄牛の咆哮のように見えたと言うよ。」
Aさん「残酷・・・!!!!!!
残酷極まりないよファラリス・・・!!!!!」
Bさん「ちょっとアレだよね。ぼくは事前に調べてるからこう淡々と説明できてるけど、
最初に知ったときは正直もうドン引きですよ。
よくもまあこんなに残酷なことを思いつくものだとね・・・。」
Aさん「まあ・・・そうだよね・・・。」
Bさん「ぼくが思いつく最も残酷な刑罰なんて
阿部さんとこのアパートのブレーカーを落としてアロンで固めることぐらいだよ。」
Aさん「残酷!!!!! 衝撃的な程に残酷!!!! 絶対やめて欲しい!!!!!」
Bさん「ま、とにかく、このファラリスの雄牛。
作った人はさっきも言いましたがアテナイの鋳物職人です。
王様が『どんなふうに使うのかちょっと見せてみそ?』って言うのに答えて
『こんな感じです』って具合に自分で入ってみせたら、
外から鍵を掛けられてそのまま燻されて殺されたと言う
もう酷いにも程がある最期を遂げたわけだけど。」
Aさん「うわー・・・ちょっとそれ・・・。
可哀想すぎだろ・・・。」
Bさん「この悲劇の鋳物職人、名をばペリロスさんとなむ言いける。」
Aさん「なんで竹取物語かは置いといて、
そうなんだ、ペリロスさん・・・。」
Bさん「きっとペロリストだね。」
Aさん「違うと思う。」
prprしすぎなので死刑。
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