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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年11月
307/365

【揺花草子。】<その1376:Coloring palettes。>

 【揺花草子。】<その1376:Coloring palettes。>


 Bさん「今日は文化の日なので文化的な話をしようと思いますよ。」

 Aさん「文化的な話・・・って言ってもどうせサブカルの話題でしょ?」

 Bさん「見くびられたもんだなぁ。

     メインストリームに対する充分な知識があって初めて

     サブストリームへの理解が深まるってもんだよ。

     片方だけではただ好みが偏ってるだけでしょ。

     視野だって狭くなるし。」

 Aさん「じゃあ何か、きみはメインストリームにも明るいと言うこと?」

 Bさん「明るいね。

     10万ルクスはあるね。」

 Aさん「真昼の太陽並みか!!!」

 Bさん「あ、ごめん、間違った。

     『わたしの文化照度は53万ルクスです』だ。」

 Aさん「何ーザ様だよ!!

     発言がサブカル寄りだよ!!」

 Bさん「メインカルチャーの代表格と言えば美術や音楽や演劇、それに文学じゃないですか。」

 Aさん「まあ、そうですよねぇ。ずーっと昔から営まれて来てる芸術活動だよね。」

 Bさん「最近は映画とかテレビ番組とかポピュラー音楽、それにビデオゲームなんかも

     メインカルチャーに含まれることもあるらしい。」

 Aさん「それだけ大衆文化とハイカルチャーの境界が

     曖昧になりつつあるってことなんだろうね。」

 Bさん「美術で言うと、西洋美術、特に絵画は

     中世期ぐらいまではもっぱら宗教画メインだったわけですよ。」

 Aさん「あぁー、うん。」

 Bさん「いわゆる偶像崇拝の禁止的なアレで、神様を直接描くことは避けられたけど、

     聖書などに題材をとった聖人や使徒たちは盛んに描かれてきたよね。

     ご存じ『最後の晩餐』なんて傑作中の傑作じゃないですか。」

 Aさん「ですね。」

 Bさん「でもさ、こう言う宗教画はね、受容するものにも相応の素養が求められたの。

     『最後の晩餐』だって、真ん中にいる人がイエスで

     少し身を引いてる袋を持った人がユダだよって言われても、

     聖書に関する前提知識がなければ『どちら様ですか』って話になるじゃん。」

 Aさん「まあ・・・そうですね。」

 Bさん「風景画が盛んに描かれるようになったのは中世以降みたいなんだけど、

     それ以前の時代でも、静物画はあるにはあったみたい。

     でも、『学のない人でも理解できる絵』って感じで、

     宗教画家の皆さんからはレベル低い絵って思われてたんだってさ。」

 Aさん「ふーむ・・・。

     まあ論法としては分からないでもないけど・・・。」


 Bさん「ってのを、『GA』で見たよ。」

 Aさん「結局サブカルに繋がるんですね。」


 拭い切れないサブカル臭。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/11/03.html


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