【揺花草子。】<その1374:レゾンデートル。>
【揺花草子。】<その1374:レゾンデートル。>
Bさん「今日はこの【揺花草子。】通算1,374回目の話数だそうです。」
Aさん「おぉ、うん。そうだね。」
Bさん「1,374と言えば何か答えよ。」
Aさん「あれなんで試験問題みたいな口調なの?
えぇー・・・うーん・・・。」
Bさん「『意味なし』と言う語呂合わせじゃない。」
Aさん「えぇ〜・・・うん、まあそうですけど・・・。」
Bさん「と言うことで今日は意味のないトークをしようと思うよ。」
Aさん「いつもがそんなに実のあるトークをしているわけではないと思うけどね・・・。」
Bさん「意味のないこと。無意味。
例えば阿部さん。」
Aさん「なんだぼくが無意味だと言いたいのか!?」
Bさん「じゃあ逆に訊こう、阿部さんの存在は果たしてどんな意味を持っているの?」
Aさん「えっ・・・そ・そりゃ、ぼくがいなければこの【揺花草子。】は成り立たないし・・・」
Bさん「そうだろうか?
もし阿部さんがいなければ別の人を連れてくればいいだけだよ?」
Aさん「酷い!! なんてこと言ってくれてんのさ!!!」
Bさん「あ、いやごめん、そう言う話じゃなくて。
もう少ししっかり言えば、『人材』と言うのは必ず代替が確保されて
然るべきだと言いたいわけ。
ことビジネスとかの話であれば、『その人じゃなければ成り立たない』って言うのは
もうそれはビジネスとして破綻してますよ。リスク管理の点で致命的だ。」
Aさん「あぁー・・・うん、まあ、そう言う話なら、分かる。」
Bさん「そう言う意味で、阿部さんの『役割』は、必ず誰かで代替可能なわけ。
そしたらそれはもう阿部さんが阿部さんである意味がないと言うことだ。」
Aさん「いやー・・・釈然としないけど・・・。
でもそれだったらきみもきみである理由はないってことになるじゃない?」
Bさん「もちろん、そうです。」
Aさん「(あっさり認めたな・・・)」
Bさん「『役割』とか『社会的ポジション』と言う側面では、
才能とかスキルとかそう言うのをカバーできれば代替は可能ですよ。
その意味で、そう、阿部さんが言ったとおり、ぼくもこの現場では
ぼくでなければいけない理由なんてどこにもない。」
Aさん「まあ・・・」
Bさん「妨げるとすればそれは『代替を確保するのが難しい』『育てるのが大変』みたいな
ネガティブな理由とか、『もう慣れてるから』『感覚的に』と言った
非理論的な理由でしかない。
突き詰めればそこがリスクになり得るわけだけれども。」
Aさん「いやそれは、そう言う考え方が適用できるシーンもある、と言うことだよね?」
Bさん「まさにその通り。
さっきも言ったけどビジネスとか組織論とかそう言う点に関する話だよね、今のは。
例えばもう少しパーソナルな人と人との繋がり、
つまりは家族とか兄弟とか恋人とか、そう言うのは
その人がその人であることそのものに意味があって、
他人で代替できる類ではないから、そこにはその人が明確に存在する意味はある。」
Aさん「お・おう。」
Bさん「まあ阿部さんみたいに1クール単位で嫁が変わる人もいるにはいるけど。」
Aさん「だから違うって!!!」
Bさん「とは言え、そう言うパーソナルな存在意義って言うのは、
あくまで個人対個人の主観に基づくんだよね。
主観の集合が客観にはなり得ないってことについてはいいよね?」
Aさん「あぁー・・・うん、まあ。
いいとこ『集合の輪の中の客観』にしかなり得ないって話でいいのかな?」
Bさん「そうそう。
普遍性とか客観性って言うのは主観とは全く別次元の概念だ。
良く『客観的に見れば○○だと思うよ』なんて言い方をする人がいるけど、
論理的に矛盾している。
『○○だと思う』はその人の主観だから。客観なんかじゃない。
同じ考えがいくら集まってもそれは所詮『大多数のコンセンサス』に過ぎなくて、
それを客観的事実と言うのは世界と知識に対する傲慢ですよ。」
Aさん「うーん。」
Bさん「そんなわけで、普遍性、世界そのもの、に関して、
主観的存在は全てその意味を失くし、
それはただ世界をゆらゆらと漂う泡のようなものでしかないのだ。
阿部さんも、ぼくも、客観と言う前ではただの泡粒だよ。」
Aさん「なんか、悲しいね・・・。」
Bさん「悲しがる必要なんてない。
だってぼくらは主観的な生き物だから。
主観を通してしか、客観を垣間見ることができないんだから。
ぼくらが見る客観は、主観と言うフィルターを通している。
そしてそれがぼくらにとって、世界そのものなんだから。」
Aさん「むむむ・・・。」
Bさん「結論はこうだよ。
阿部さんは、世界にとって意味がない。
ただし。」
Aさん「ただし・・・?」
Bさん「ぼくにとっては、ちゃんと、意味があるよ。」
Aさん「(唐突なデレ!!?)」
デレではない。
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