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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年1月
27/365

【揺花草子。】<その1096:ストーリーテラー。>

 【揺花草子。】<その1096:ストーリーテラー。>


 Bさん「『おててえほん』あるじゃん?」

 Aさん「あぁ・・・『みいつけた!』の?」

 Bさん「そうそう。

     阿部さんの食指が動き始める年代のお子さんたちが

     わんさか出て来る番組の1コーナーです。」

 Aさん「ちょっ!!! ホントやめてそう言うの!!!

     本気でいろいろ危ないからそう言うこと言わないで!!!!!」

 Bさん「ま、とにかく『みいつけた!』ですよ。

     前にも話したけどぼくもママンもワイドショー的なアレには興味ないからさ。

     朝はもっぱらEテレなんです。」

 Aさん「だからってEテレってのもなかなか驚きだけどね・・・。」

 Bさん「『シャキーン!』『はなかっぱ』『デザインあ(5分版)』

     『ピタゴラスイッチミニ』『フックブックロー』と来て『みいつけた!』の流れ。

     もうこれ朝のリズムです。

     ラジオ体操の代わりにアルゴリズム体操とかやるイキオイだよ。」

 Aさん「アルゴリズム体操は毎日OAされるわけでもないだろ。」

 Bさん「で、その『おててえほん』ですよ。」

 Aさん「うん。」

 Bさん「まぁざっくり言えば、お子さんが自分の両手を胸の前に並べて広げて、

     手のひらを本に見立ててお話を即興で作って話していく、って言うね。」

 Aさん「うん、そうだねぇ。」

 Bさん「まぁ所詮は、所詮はって言う言い方は少し酷いけど、やっぱりお子様ですからね。

     大人が作る物語のように起承転結とかきれいなオチや結末とか

     素晴らしいカタルシスを得られるような読後感なんかはね、やっぱりないわけですよ。」

 Aさん「それはまぁ・・・致し方ないところがあるよね。」

 Bさん「『イヤそれで終るの!?』って言うお話とかもあるもんね。

     そんなのぼくら【揺花草子。】に持って来たら一発でボツだよ!?みたいな。」

 Aさん「いや普通の感性ならボツにするレベルのネタも勇んで拾っていく厚顔さが

     【揺花草子。】じゃんか。

     お話のクォリティって話をしたらぼくらだって偉そうなことは言えないよ。」

 Bさん「ちょっと! なに言ってくれちゃってんの!

     その責任の半分は阿部さんにあるってことは分かってる!?」

 Aさん「いや・・・最初にネタ合わせするのはきみと中の人だろ・・・。」

 Bさん「ま、それはそれ。

     なんと言うかお子さんが取り上げる何気ない事象とかお話の展開に

     その家庭のフンイキがなんとなくにじんだりすることもあってね。

     『あぁ、この子の家のお父さんは車が好きなんだなぁ』とか

     『この子の家は子供にけっこう甘いのかなぁ』とか

     『この子の両親はもしかしたら仲悪いんじゃないか・・・?』なんて

     思わされたりもすることがある。」

 Aさん「そ・そうか? そんなあからさまか?」

 Bさん「そんぐらいお子さんは正直だってコトですよ。

     でさ、ある時、もうすごいお話の筋もしっかりしてて、

     起承転結も見事にハマってて、なかなかスペクタクルな『おててえほん』を

     披露したお子さんがいたんだよ。」

 Aさん「ほほう! それは・・・!」


 Bさん「きっと親御さんに

     『こんな風にしゃべりなさいね』って

     仕込まれてたんだろうなぁ、と思った。」

 Aさん「そんな言い方しなくても良いだろ!!!」


 仮にそうだとしても練習通りできるのはなかなかすごいことだ。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/01/27.html


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