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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年8月
243/365

【揺花草子。】<その1312:高エネルギー社会へ向けて。>

 【揺花草子。】<その1312:高エネルギー社会へ向けて。>


 Bさん「ちょうど1年前の今日なんだけどさ。」

 Aさん「え? うん。」

 Bさん「『野菜の日』ってことで、まあものすごく簡単に言えば

     農家の皆さんに感謝しましょうねって話をしたよね。」

     http://www.studiohs.com/28if/brief/2014/08/31.html

 Aさん「ああ、うん。したねぇ。」

 Bさん「そんな中で、いつか人類は食事を捨てるかも知れない、なんて話をしました。」

 Aさん「あぁ・・・うん。

     もう例のバランス栄養食みたいなやつだけで栄養補給を賄うように

     なるんじゃないかって言う話だよね。」

 Bさん「もちろん生命活動の根源たる食事を諦めるような悲しい未来は来て欲しくはないけど、

     効率化を突き詰めた結果・・・なんてのはあり得るかも知れないよね。

     過剰な食事摂取をやめれば肥満とかそう言うのもなくなるわけだし。」

 Aさん「とは言え食事そのものの持つ精神的癒しの効果もあると言われてるしねぇ。

     全部が全部無機質なサプリ的なアレで賄えるかって言うと・・・。」

 Bさん「もちろんそれはそうさ。

     去年も言ったけど、食文化と言う観点もあるわけだし。

     けれども、そう言うのに重きを置かない人たちが世の趨勢となって、

     生命活動を維持するための『燃料』として栄養を取れればそれで充分、と

     考える人たちによって世界が構成される未来が来るかも知れない。」

 Aさん「うーん・・・それは・・・イヤだなぁ・・・。」

 Bさん「思うにさ、食事によって栄養を得るって言うのは、

     力学的な見地から言えば決してエネルギー変換効率は高くないんじゃないかな?」

 Aさん「え・・・どう言うこと?」

 Bさん「例えば、ボールを1メートルの高さに持ち上げた時の位置エネルギーを1と仮定すれば、

     ボールを離したとき地面に落下する動きは空気の抵抗とか考えなければ

     変換効率100%で運動エネルギーに変換できるわけじゃない?

     発電所とかでも、投入した資源量に対して生み出される電力の大きさって点で

     変換効率が示されたりするじゃない。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「そう言う観点で、食事することによって得られるエネルギーって、

     その食材そのものが持ってるエネルギーに対してかなり少ないんじゃないかと思うの。

     消化とかそう言うぶんにも割り振られちゃうわけだからね。

     全部が全部、肉体を動かすパワーに変換できるわけではないんじゃないかと・・・。」

 Aさん「うーん・・・良く分かんないけど、そうなのかも知れないね・・・?」

 Bさん「栄養不足や薬の投与の時に点滴を打つのもさ。

     経口よりも吸収効率が高いからなんじゃないのかな。良く知らないけど。」

 Aさん「まあ確かに、直接血管とかに打った方が効率良さそうな気はするねぇ。」

 Bさん「そんなわけで、いつかの未来、人間は、食事以外の栄養摂取方法を

     身に着けようとするんじゃないかと思う。」

 Aさん「え・・・なにそれどう言うこと?」

 Bさん「太陽エネルギーを活動力に変換するユニットみたいなのを

     カラダに埋め込むみたいなさ。」

 Aさん「えっ!!! なにそれ!!!

     それもうサイボーグじゃん!!」

 Bさん「そうかな? あくまでベースは人間で、太陽光でエネルギーを得る

     ユニットを搭載しているだけだよ。」

 Aさん「いやそうかも知れないけど・・・」


 Bさん「こう言うのを

     『プラグインハイブリッド』って言うんだよね?」

 Aさん「イヤな未来だな!!!!!」


 SFの文脈じゃあり得るかも知れませんね。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/08/31.html


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