【揺花草子。】<その1278:糸井さんに教えてあげたい。>
【揺花草子。】<その1278:糸井さんに教えてあげたい。>
Bさん「タイムマシンで未来に行くのはそんなに難しくないじゃないですか。」
Aさん「いや難しいですよ。全然難しいですよ。
ドクが時計塔に落ちる雷をケーブルで拾う決死の覚悟が
必要なぐらいには難しいですよ。」
Bさん「いやゴメン、そう言うフィクション的な荒唐無稽な話じゃなくて。」
Aさん「タイムマシン自体結構に荒唐無稽な話ですけどね!?」
Bさん「そうかな?
ご存じアインシュタイン先生の特殊相対性理論によれば
光速に近い速度で進む観測者は、その外側にいる観測者よりも
時間の進みが遅くなることが証明されているよ。」
Cさん「これを応用して、亜光速で移動する乗り物で周遊することで
あたかも時間を飛び越えたような結果を得ると言うアイディアは
古くから存在するわよ。」
Aさん「いや・・・でもそれってタイムマシンと言うか
『単純に速く動く乗り物』ですよね。
最終的に時間を飛び越えるって言うのは副次的な結果であって・・・」
Bさん「それは確かにその通りなんだけど、そこは堅いこと言いっこなしってことで。
とにかくこのようなガジェットを使うことで未来方向に時間を跳躍することは
理論的には不可能ではないとされています。」
Aさん「うん、まぁ・・・そうだね。」
Bさん「一方、時間を遡行すると言うのはこれもう物理的なアレとか
そう言うレベルの話じゃない。
現代科学はたった1秒時間を遡行させることさえできてないからね。」
Aさん「まあ、そうだねぇ。
我々の理解では時間の流れは不可逆なものと言う位置づけだからね。」
Cさん「世の中にはこれをなんとか覆そうとしている人たちもいるようなんだけどね。
宇宙ひもがどうとかワームホールがどうとかコペンハーゲンがどうとか・・・」
Aさん「うーん。難しい話になって来た。」
Bさん「ま、とにかく、未来に進むのは過去に遡るよりそんなに難しくないですよね、って言う
冒頭の話に戻るわけです。」
Aさん「はぁ・・・。」
Bさん「でもさ、なんかまかり間違って超科学的なアレが実現して、
タイムスリップが実用化されたと仮定する。
そしたら阿部さんはなにをしたい?」
Aさん「えっ・・・それはつまり過去に干渉できるとしたらどうするってこと・・・?
いやー・・・そんなの考えたこともないなぁ・・・」
Cさん「やっぱり魅惑の深海パーティーのステージでジョニー・B・グッドとか
弾き狂いたいかしら?」
Aさん「イヤそれはぼくの役目じゃありませんよ。
そのあたりはマーティーに任せておきたいと思いますよ。」
Bさん「じゃあ卒業式の日に好きだった女の子に強引に第二ボタンを手渡した自分に
考え直すよう諭すとか?」
Aさん「そんな過去はないけどね!!? なに言ってんの!!?」
Cさん「それも青春の痛みってやつよ。向き合わなきゃ。」
Aさん「なんで事実みたいな言い方するんですか!!
いや・・・でも、ちょっとパッとは思いつかないなぁ・・・。
そう言うブリジットはなんか過去に行ってやりたいことあるの?」
Bさん「あるね。長年の夢ね。」
Aさん「はぁ・・・どんな?」
Bさん「将軍に会って埋蔵金をどこに埋めたか教えてもらう。」
Aさん「過去に行ったって将軍に会えたりするわけないし
埋めた場所なんて教えてくれるわけないだろ。」
本当に埋めたかどうかと言う問題も。
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