【揺花草子。】<その1277:ラ・キュイズィーヌ。>
【揺花草子。】<その1277:ラ・キュイズィーヌ。>
Bさん「ぼくはフランス人です。」
Aさん「いや今さら言ったね・・・。
大丈夫、分かってますよ・・・。
フランス人のくせに日本語しかしゃべれなくても、
日本人の同年代の女の子と較べてもすごくちっちゃくても、
それでもちゃんとフランス人だって分かってますよ・・・。」
Bさん「ちっちゃくないよ!」
Aさん「いやちっちゃいよ!!? そこ否定するのかよ!!」
Cさん「今のはぽぷらちゃんのモノマネよ。」
Aさん「まあそうだと思ったけど・・・。」
Bさん「ぼくはフランス人と言うか厳密には日仏ハーフだけど、
ママンは完璧フランス人です。」
Cさん「厳密には私も英仏ハーフだけどね。
あなたのおじいちゃんはイングランド人だから。」
Bさん「うん・・・でもぼくおじいちゃんのことは
ほとんど覚えてないんだよね・・・。」
Cさん「──そうよね。」
Aさん「(おっ・・・なんか色々複雑な雰囲気・・・)
と・とにかくブリジットはフランス人だって話だよね?」
Bさん「そうそう。
おじいちゃんのことは覚えてないんだけど、おばあちゃんはまだ健在です。
そんなに経験あるわけじゃないけど、フランスに帰省したときなんかは
おばあちゃんにすごく良くしてもらったりね。」
Cさん「滅多に会いに行かないからなおさらね・・・」
Aさん「(もう少しマメに帰ってあげればいいのに・・・とはなかなか言えないな)
でも、おばあちゃんは日本語話せるの?」
Bさん「まさか! フランス語と、英語がちょっと話せるくらいだよ。」
Aさん「え、じゃあきみ会話できないんじゃない?」
Bさん「酷っどいなぁ阿部さん! いくらなんでもそれはぼくのこと侮りすぎだ!
確かにぼくはフランス語は話すのはほとんど出来ないけど、ゆっくり喋ってもらえば
大意は掴めるくらいのヒアリング能力はあるんです〜!」
Aさん「あ、そ・そうなんだ?」
Bさん「そんなわけで、フランスに帰省したときにはね、
おばあちゃんにフランスの家庭料理を教えてもらったりしたことがあるわけ。」
Aさん「ふむふむ。どんなの?」
Cさん「私たちの故郷ってけっこうな田舎なんだけど、ワインの産地が近くてね。
赤ワインの煮込み料理が色々あるのよ。」
Bさん「そう言うのをいろいろおばあちゃんに教えてもらったり。」
Aさん「へぇ・・・いいねぇ、なんか。」
Cさん「まあでも、おばあちゃんの味にはまだまだ遠いけどねぇ。」
Bさん「うっ・・・//// そ・そこらへんは経験の差と言うことで・・・。
まあともかく、おばあちゃんに手ほどきを受けた経験がある。」
Aさん「うんうん。」
Bさん「これはもうぼくは
フランスで修行した料理人と言っても
過言じゃないよね。」
Aさん「いやぜんぜん過言ですよ。
絶対的に過言ですよ。」
コマンドゥール勲章とか欲しい。
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