【揺花草子。】<その1241:修正BSD。>
【揺花草子。】<その1241:修正BSD。>
Bさん「阿部さん焼き鳥とか好き?」
Aさん「焼き鳥? うん、好きだよ。」
Bさん「串カツとかは?」
Aさん「串カツ・・・こっちの方じゃ居酒屋ぐらいでしか食べる機会はないけど、
まああれば美味しく頂きます。」
Bさん「そう、こっちの方じゃあんまりないけど、地域によっては串カツ屋さんとかさ、
焼鳥屋さんとかあるじゃん。」
Aさん「うん、そうだねぇ。」
Bさん「ああ言うお店ってさ、よく『秘伝のタレ』ってあるじゃん。
創業以来ずっと継ぎ足して来ました的な。」
Aさん「ああ、うん、あるね。テレビで話題になったりするよね。」
Bさん「まあほんとに創業時のタレの成分がなん10年も経って残ってるかどうかってのは
また別問題だとして、今回考えたいのはそのレシピですよ。」
Aさん「レシピ、ですか?」
Bさん「秘伝のタレって言うぐらいだから、そのレシピは秘密なわけですよね。
そしてそれは往々にして初代店主が考案したものをずっと守り続けてる・・・
的なヤツだったりします。」
Aさん「うんうん、そう言うのある。」
Bさん「でもそうとは言えさ、分子ガストロノミー的な文脈で言っちゃえば、
結局は成分分析によってその『秘伝』の正体も暴けるわけじゃない?」
Aさん「イヤそれはどうかな!? それはちょっとロジカルすぎないかな!?
代々続くお店の努力とかを度外視しちゃいけないと思うよ!!?」
Bさん「まあ、それはもちろんそうなんだけど。
そこらへんはきちんと敬意を払おうとは思ってるんだけど。
そして多分そのへんは人の気持ちに訴えかけてくる部分だと思うんだよね。
同じ成分のものでも、人は心の持ちようで感じ方が変わると思う。」
Aさん「それは・・・そうかもね。
仮にまったく同じ成分だとしても、科学的に合成された秘伝のタレよりも
100年の歴史のあるタレの方がおいしいって感じそうだもん。」
Bさん「そうそう。人に歴史があるように料理にも歴史がある。
そうとは言え、人々をより高みに導くためには、
『秘伝』を独占し続けるのは逆行しているような気もするのですよ。」
Aさん「えぇ?・・・? そうかなぁ・・・?」
Bさん「端的に言えば、『秘伝のタレ』のレシピを広く世に公開して欲しい。
それによって人類は新たな地平に辿り着く可能性がある。」
Aさん「そうですか・・・?」
Bさん「いわゆる『オープンソース』ね。」
Aさん「それは違う。」
『sauce』と『source』。
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