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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年6月
161/365

【揺花草子。】<その1230:画ヅラ的にアウト。>

 【揺花草子。】<その1230:画ヅラ的にアウト。>


 Bさん「ショートコント『赤ずきんちゃん』〜!」

 Aさん「おっ・・・懲りずに続けるんだね・・・。」

 Bさん「続けるよ! この世の全ての童話をコントにするまで続けるよ!!」

 Aさん「なにそのタチの悪い目標!!????」

 Bさん「まあまあ。

     今回はキングオブ童話とも評される『赤ずきんちゃん』です。」

 Aさん「キングオブ童話なんて評されてるの? 初めて聞いたよ?」

 Bさん「まあぼくも今思いついたしね。」

 Aさん「きみが言ってるだけかよ!!!」

 Bさん「とにかく、『赤ずきんちゃん』です。

     配役は当然のことながらぼくが赤ずきんちゃん、阿部さんは狼ね。」

 Aさん「お、おう。」

 Bさん「オトコはみんなオオカミだもんね。」

 Aさん「それはニュアンスが違うからね!? そう言う狼じゃないからね!!?」

 Bさん「さて、それじゃ始めて行こうか。

     場面は作中いちばんのハイライト、おばあさんを食べちゃった狼が

     おばあさんに変装して赤ずきんちゃんを待ち構えるシーンからね。」

 Aさん「う・うん。」

 Bさん「『トントン(ノックの音)、ごきげんようおばあさん!

      パンをとミルク持って来たわよ!』」

 Aさん「『おやおや赤ずきん、よく来たね。入っておいで。』」

 Bさん「『あら、おばあさんどうして寝ているの?

      それに声がいつもと違うわ。』」

 Aさん「『実は風邪をこじらせてしまってね。

      声がおかしいのも喉をやられているからだよ。』」

 Bさん「『まあ、それはお気の毒。

      でも伝染ると嫌だから早々においとまするわ。』」

 Aさん「『イヤッ!!! ちょっとまっておくれ赤ずきん!

      そんな冷たいことを言わないでおくれ!!

      病気で寝込む独居老人をスルーしないでおくれ!!』」

 Bさん「『そう? 仕方ないわね・・・』」

 Aさん「(いやーびっくりしたわいきなり展開ブチ壊しにかかったよこの子・・・)」

 Bさん「『おばあさん、どうしてそんなにお耳が大きいの?』」

 Aさん「『それはお前の声が良く聞こえるようにだよ。

      老人性難聴をカバーするためのケモ耳型補聴器だよ。』」

 Bさん「『おばあさん、どうしてそんなにお目々が大きいの?』」

 Aさん「『それはね、お前のことをよく見るためだよ。』」

 Bさん「『おばあさん、どうしてそんなにお口が大きいの?』」

 Aさん「『それはね・・・

      お前を食べてやるためだよ!!!』」


 Bさん「『おまわりさんこっちです。』」

 Aさん「公権力に訴えられた!!!!!」


 完全に勝ち目がない。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/06/10.html


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