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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年5月
127/365

【揺花草子。】<その1196:それを言いたかっただけ。>

 【揺花草子。】<その1196:それを言いたかっただけ。>


 Bさん「本場のザッハトルテが食べたいです。」

 Aさん「・・・お・おう・・・。」

 Bさん「本場のザッハトルテが食べたいです。」

 Aさん「(なんで2回言う・・・?)

     う、うん、美味しいよねザッハトルテ。

     ウィーンではお店ごとに独自のレシピのザッハトルテがあるらしいよね。」

 Bさん「それを食べたい。」

 Aさん「・・・はぁ・・・。」

 Bさん「さらに言えば、阿部さんに買って来てもらいたい。」

 Aさん「はい!? ザッハトルテを!?」

 Bさん「うん、そう。」

 Aさん「えぇ〜・・・

     うーん・・・。

     ・・・じゃあ、明日買って来るよ。

     どっかケーキ屋さんで売ってるかな・・・」

 Bさん「いやいやそう言うことではなくて。

     本場のやつが食べたいの。」

 Aさん「いやー・・・じゃあお取り寄せギフトとかで探してみる?」

 Bさん「違うってば! 本場のやつ。

     ウィーンのお菓子屋さんのやつが食べたいの。」

 Aさん「いやそうは言っても・・・。

     それはたぶん国内では手に入らないんじゃないかな・・・?」

 Bさん「じゃあウィーンまで行って買ってきて欲しい。」

 Aさん「いやいや!!! なにムチャ言ってんの!?

     ザッハトルテ買いにウィーンまで行けっての!!?」

 Bさん「ダメ?」

 Aさん「ダメって言うか無理に決まってるじゃん!!

     なに言ってくれてんの!?

     って言うか、今日はなんでそんな無理難題吹っかけて来るの?

     いつもきみは大概だけど普段の大概さと方向が違うんだけど・・・。」

 Bさん「うーん・・・。

     やっぱりそうか。」

 Aさん「え?」

 Bさん「ごめんね、今日のぼくはわがままだったね。」

 Aさん「いや・・・まあ別に良いんだけど・・・。」


 Bさん「わがままボディだったね。」

 Aさん「それは違う。」


 きっぱりと否定して行くスタイル。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/05/07.html


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