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【揺花草子。】(日刊版:2015年)  作者: 篠木雪平
2015年4月
118/365

【揺花草子。】<その1187:ユニバーサル。>

 【揺花草子。】<その1187:ユニバーサル。>


 Bさん「阿部さんて猫派?犬派?」

 Aさん「え? どっちかと言うと犬派です。」

 Bさん「え、そうなんだ? ちょっと意外。」

 Aさん「意外かな?」

 Bさん「だってあずにゃん好きじゃん?」

 Aさん「イヤッ!! 前々から言ってるけどあずにゃんより純ちゃん派だから!!」

 Bさん「あぁ・・・なるほど、確かに純ちゃんは犬っぽいもんね。あのモップがね。」

 Aさん「モップって言いなさんな・・・。」

 Bさん「前に猫は子供のころ実家で飼ってたって話してたよね?

     犬も飼ってたの?」

 Aさん「いや、実家にいた頃は犬は飼ってなかったんだよね。

     ぼくが実家を出てから両親が飼い始めたんだよ。」

 Bさん「あぁ・・・そうなんだ?

     両親を捨てて出て行った阿部さんの代わりってわけ?」

 Aさん「酷い言い方しないでくれる!? 別に捨てて出て行ったわけじゃないしね!?」

 Bさん「でもその犬の名前は阿部さんの下の名前と一緒なんでしょ?」

 Aさん「違うよ!! うちの両親どんだけ犬に期待してるんだよ!!」

 Bさん「でも実家を出てから飼い始めた犬ってことは、その犬からしてみれば

     阿部さんなんて他人だよね。」

 Aさん「そうだと思うんだけどね。

     でもなんかちゃんと『この家の人だ』って言うのが分かるみたいでさ。

     初めのうちは多少警戒されたけど、今はもうすっかり仲良しだよ。

     たまにしか実家に帰らないけど、ちゃんと覚えててくれるもん。」

 Bさん「へえ・・・そう言うものなんだ?

     あー・・・でもまあ確かにぼくもママンの実家で飼ってるでっかい犬に

     普通に家族的ポジションで扱われてる気するなぁ。

     何年かにいっぺんしか会わないのにね。」

 Aさん「犬は賢いからね。」

 Bさん「でも猫も賢いよ。賢いって言うかさかしいって言うか。」

 Aさん「はは、そうだね。」

 Bさん「外を歩いてるとさ、犬の散歩してる人を良く見るじゃない。」

 Aさん「ああ、うん。うちの近所でも良く見かけるよ。」

 Bさん「でもぶっちゃけよその家の犬を見ても大してなんとも思わないでしょ?

     『正直うちの犬の方が可愛いし。』とか思っちゃうでしょ?」

 Aさん「あ、それはある。

     『うちの犬の方が可愛げがあるな』とか

     『うちの犬の方が毛並み綺麗だな』とか思う。」

 Bさん「一方、猫好きな人はさ、野良猫や放し飼いの猫が歩いていたら

     かなりの確率で近付こうとする。仲良くなろうとする。」

 Aさん「あぁー・・・うーん、そう言われるとそうかも・・・。」

 Bさん「少し前に聞いた話なんだけどさ、

     『犬好きは、あくまでも自分ちの飼い犬が好き。

      猫好きは、猫ならどの猫もみんな好き。』

     なんだって。」

 Aさん「ほほう・・・! なるほどそれはある意味一面の真実かも知れないな・・・!」

 Bさん「でしょ? そう思うでしょ?」

 Aさん「うん。分かる気がするよ。」

 Bさん「阿部さんと一緒だよね。」

 Aさん「え、なにが?」


 Bさん「阿部さんも女の子なら誰でも好きだもんね。」

 Aさん「人聞きの悪いこと言わないでくれる!!???」


 ブリジットはガチの猫派。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2015/04/28.html


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