【揺花草子。】<その1172:ジェンダー論。>
【揺花草子。】<その1172:ジェンダー論。>
Cさん「ねえ阿部さん、私って女性らしいと思わない?」
Aさん「えっ。
い、いや、そりゃもう、女性ですし。」
Cさん「そう言うことじゃなくて。」
Aさん「え、どう言うことですか・・・?」
Bさん「これだから阿部さんは話にならないんだよね。」
Cさん「これだから阿部さんは話にならないのよね。」
Aさん「なんですか!! 異口同音に責めるのやめて下さいよ!!」
Cさん「そう、それ。」
Aさん「え?」
Bさん「ぼくらが言いたいことって、まさにそれなんだよ。」
Cさん「私たちが言いたいことって、まさにそれなのよ。」
Aさん「いや・・・え? なに? なんで2人で同じこと喋ってるんですか?」
Bさん「阿部さんってたぶん、女性の知り合いなんてぼくら以外にはいないよね?」
Cさん「阿部さんってたぶん、女性の知り合いなんて私たち以外にはいないわよね?」
Aさん「そんなことないですよ! なに言ってくれてるんですか!!
相応に仲良い異性の友達だっていますよ!」
Bさん「二次元に?」
Aさん「違う!!」
Cさん「夜中にメール打ってもイヤな顔されない間柄?」
Aさん「えっ・・・いや・・・うーん・・・。
・・・いや、たぶん大丈夫です・・・」
Bさん「えっ、そ・そうなんだ・・・」
Cさん「(うわブリジット地味にショック受けてるわ。
こんな面白物件ノータッチで眠ってたなんて惜しすぎる)」
Bさん「そっそんなことはどうでも良いんだよう!」
Cさん「そんなことはどうでも良いのよ!」
Aさん「うわまた変なステレオトーク始まった・・・なんなんですか?」
Cさん「端的に言うと、私とブリジットって母娘だけど口調が違うじゃない?と言うお話。」
Aさん「あぁー・・・まぁ、確かに言われてみれば。
ブリジットはボクっ娘ですしね。
でもそれはある程度年齢感とかもあるんじゃないんです?」
Bさん「そうは言うけど、じゃあ阿部さんのその狭い異性の知り合いの中に
『〜だわ』とか『〜よ』とか『〜かしら』とかって言う人いる?」
Aさん「狭いって決めつけないでくれる!?
いや、でも、まあそう言われると・・・。
そう言う口調の人って現実にはなかなか見ないですね・・・。」
Cさん「でしょう?
現実的にこんな口調、少し専門的に言うと『女性語』とか、
もう少しくだけた言い方で『てよだわ言葉』って言うんだけど、
そう言う言葉を使う人って今の世の中ほとんどいないじゃない?
ボクっ娘なのは除いておいて、どちらかと言うと大部分の女性が
ブリジットの方に近い口調よね。」
Aさん「まあ、そうですね。」
Cさん「その一方、マンガとかアニメとか、まぁ映画とかドラマとかでもいいんだけど、
いわゆるフィクションの世界では女性語は普遍的に根強く使われ続けている。」
Aさん「あぁ・・・。そう言われると確かに。
なんと言うか、作中で女性であると言うことを符号的に表す
意味合いがありますもんね。
もちろんブリジットみたいにより現実に近い喋り方のキャラクターもいるけど。」
Bさん「分かりやすい例を挙げればまどかとマミさんみたいなね。
ぼくの口調はまどかに近いし、ママンの口調はマミさんに近い。」
Aさん「あぁ・・・例えとしてはどうかと思うけど分かりやすい。」
Cさん「こう言う話をすれば、私がなんでこんなフィクションじみた女性語の口調なのか
阿部さんなら解ってくれるんじゃないかしら?」
Aさん「え・・・どう言うことです?」
Cさん「私が日本語を勉強したテキストは
日本のマンガとかアニメだったからね。」
Aさん「うすうすそうだと思ってたけど!!」
幅広いジャンルの作品を読破済みです。
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