~four~ 舞台裏
Artemisとの初めての会話です。
意外と社交的、?
着いたのは大きくて広いホール。
間隔を置いて並んだイス。
そこには何組か座っている生徒がいて、保護者やPTA、来賓客がいた。
舞台の上には色鮮やかな装飾と、正しく並んだ豪華なイス。
社長イスのようにふかふかなイスが八つ並んでいた。
間違えなくArtemis専用のイスだろう。
その横には、少し良くできたイスが1つあった。
理事長のイスかな。
すると先生が「進藤、こっちへ」と舞台横の扉を指した。
「転入生として式中に紹介するからな。自己紹介を考えておけ」
うわ最悪。目立つのも嫌いなのに。
しかもあの秀麗な生徒の前の舞台でってことでしょ、あーもう帰りたい。
てことは、あのイス、私のなんだね。
扉をくぐると暗い空間があった。
舞台裏だ。
舞台裏にしても汚くはなくて清潔だ。
少し奥の壁にもたれかかって待機する
表がだんだんとざわつく。
生徒達が集まったようだ
すると奥から、靴音が聞こえた。覗くとそこには、気迫と共にArtemisがいた。
私の前をの横切る。
自然とピシッと立った自分に驚く。
するとサラサラと流れる黒髪の女の子が私を見て微笑んだ。
すっごい綺麗な人…。確か、神崎…?なんだっけ。
「はじめまして。進藤 緑 様。私、神崎 彩華と申します。」
「へっ?あ、はいこちらこそ…」
突然声をかけられて驚く。
間抜けな声まで出して。
くすくすと鈴のような声で笑う。
もう本当に月とスッポンだわ
「この度は、我が彩麗学園にご来校頂き誠に感謝しております。…さて、今から式が始まりますが、どうぞ気楽にしてくださいね」
「ま、待って!」
なんかものすごい固くて敬語なの、なんで!?同い年だよね。
というかこっちが敬語使いたいくらいなんだけど?
首だけ振り返り、?マークを浮かばせる神崎さん。
たまにかわいい所でるよね、この人。
「あ、あの。そこまで固くならなくても…同い年だし…。というか、皆タメ口でいいし!」
数秒の沈黙。やだもう泣きたい。
メンタル崩壊なう。
「ふはっ」と、誰かの声が漏れる。
「おもろいな、こいつ。いいぜ、俺も敬語嫌いだしよー。」
はい天使。番長的なオーラしてるけど天使。
「女の子が必死なのってかわいいな、龍星」
二人目が声を出す。
チャラいけどもういい天使。
「俺さ!神薙 龍星。Artemisのリーダー…いてえな!やめろよ奏」
横にいた男の子が神薙の頭を殴ったようだ。
「騒がしいんだよ。お前は。なんだよリーダーって餓鬼か」
口悪いけど、この人が1番いい顔立ちしてると思う。
「…いい加減にしなさい」
今まで黙っていた女の子が美声を放つ。
はいはいと言って、静かになる男子軍。
「失礼をお許しくださいな。近藤さん」
すると思わず私は吹き出してしまった。
「…ぷ。ぷはっ、あはは。なんか緊張ほぐれちゃった」
「そう、それはよかった。そろそろ始まりますよ、さあ」
そういって微笑む神崎さん。
Artemisってなんか怖いイメージあったけど全然優しいじゃん。
と、舞台への階段を踏んだ。
ぱあっと明るい光と拍手が私達を迎える。
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