~one~ 少女 は 平凡 でした。
上手くかけているか心配ですが、見ていってください><
今年の春。
柔らかい風が吹いて、私の髪を揺らす。
桜が散る道の中を歩いていた。
高校三年生になった、春。
私、進藤 緑
黒ヶ瀬高校から転校し、名門私立の彩麗学園高等部に転入するようになった。
彩麗学園は中学から大学まで行けるエスカレーター式。
そこで、大学に進む高等部3年の1人が、事故やら家庭事情やらで、とりあえず事情が重なり長い休みに入るそうで。
長い休みだからと言っても、受験戦争を勝ち抜いて入ってきた勝ち組。
それなりの実力があるので普通は大学へは何とか進めるのだが、その子は授業もサボりがちになってしまい、不真面目化してしまったと…。
『いつか不良化でもして、何かあったらどうする。そんな子に、うちの学園に泥を塗られてほしくない』という意見で1人補欠募集をしているのだと。
その補欠募集がなぜか私宛てに来ていた、ということだ。
ここ黒ヶ瀬高校は一般普通よりちょい下の高校なのに、なんで。
しかも私宛てって…本当よくわからない。
まあ私も詳しく知ろうとはしないんだけどね
それに、私に拒否する権利なんてなかった。
黒ヶ瀬高校は、あの彩麗学園高等部からの招待だと大喜び
親は冴えない私が名門私立から選ばれたと期待の目を向けている。
そりゃ、断れないよね。
でも高校三年生。最後の一年をずっといた友達と過ごしたいじゃない…、とか思うけどそこまで友達が多かったわけでもない。
変わらない地味なグループの中にいるだけだった。
でもほんとは、こんな変わらない毎日が嫌だった。
なにか。なにか変わらないかなって期待して毎日を過ごしていた。
でも、何も変わらず地味なグループに合わせていた。
なんで、なにも変わらないの。つまんないなぁってずっと思ってたけど、
けど、
でも。
期待して、自分から変わろうとしないのは私も同じ。
゜+o。◈。o+゜+o。◈。o+゜+o。◈。o+゜+o。◈。o+
桜道を通り抜けて少しいったところに、彩麗学園はあった。
名前からして綺麗な学園だろうと思っていたが、本当に綺麗な学園だ。
汚れもヒビも一つない綺麗で真っ白な校舎
校門はどこか華やかで、校門をくぐると大きな校舎が見える。
先を見るとテラスがあり、横には綺麗な花が(花壇に)植えられていた。
黒ヶ瀬高校とは全然違う。口が裂けても「わぁ、黒ヶ瀬高校と似てるね!」なんて言えない。
黒ヶ瀬は古い学校だったが彩麗学園も相当古いはずなのにこの差は。
彩麗学園はよくは知らないけど、歴史も品格も半端ない
どこの学園も比べ物にならないと思う
そんな学園の中に、今、一般女子がいる。
ああ、場違い感半端ないわ、帰りたい
でも一つだけここの学園に小さな思い出がある。微かな記憶をかき回す。
確か、一つ上の先輩に学園前に呼び出され告白された、記憶。その先輩とは学校ももちろんちがうけれど(私は黒ヶ瀬、相手は彩麗)、顔なじみだった。
そしてある日学園前に呼び出されて告白された。
相手は、かっこよくて人気者で。
でも、私はこんな地味なかわいいと言えない顔してるのに。しかも、みんなが登下校してるとき。
晒されてる気がして私は、振ってしまった。
そのあとの記憶なんかないけど、今で思えば絶対からかいに違いなかったし、小さな思い出だ。
そんなことを思い出していると、後ろからの歓声のような声と息を呑む音、そして、何らかの威圧が私を。いやこの学園全体を襲った。
それがなんなのか、振り返る。
そこには校門を今くぐったところに華やかな人影が8人。
思わず端に身を避ける。
うるさく鳴り響く高い声と、後ずさるもの、隠れて逃げるもの、息を呑む音、いろんなものが混ざって学園を包む。
よくはわからないけど、彼らがこの学園を牛耳る者達だと感じた。
閲覧ありがとうございました!