侵略がセルフサービス化した件
人類は気が付いてしまった。
呼吸するのって、面倒くさい。
魔物跋扈する暗黒大陸を治める魔王が人類に宣戦布告した時も、そんな感じであった。
全ての国の上空で、威圧感溢れる幻影と低い哄笑と共に宣戦布告した魔王に対する人類の反応は、極めてローテンションなものであった。
どうぞどうぞ、いいんじゃないかな、それより呼吸とめるためのロープはどこ?
魔王の戸惑いを余所に、攻撃してもない人類が、バッタバッタと倒れていく。侵略もついにセルフサービス化を避けられなかったのだ。時代の流れとは無常である。
こうして人類は勝手に死に絶え、虚しい気分に襲われた魔族もバッタバッタと自殺することとなった。
悲しい話である。