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創造主(仮)と異世界日記  作者: 真央
第1章『目覚めは新しい人生と共に』
9/17

第7話 波乱の朝

先に書かせて頂きます。

今話は私が予定のストーリーをすっ飛ばして衝動的に書いたものです。


一度でいいからラノベみたいなこと書いてみたかったんです。


すみません。

後書きでも謝罪の嵐を予定しております。

そんなこんなで波乱の幕開けとなった僕の新しい人生。

長かった一日目もようやく終わりを向かえる。

あの後たくさんの話をした。

その時に魔法や冒険者養成学園(実際は魔導学園なんだとか)の話も聞いた。

やっぱりこの世界の中心的な役割は冒険者みたいだ。

やっぱりそこを目指すのが物語としては王道だろう。

まぁ、魔法や剣で魔物を倒したい中二的欲求も少なからずあるわけだけど。

うん、決めた。

とりあえずの目標は学園への入学だ。

でもまずは寝よう。

眠くてしょうがない。

一日目からいろんなことがありすぎた。

考えるのは明日からでも遅くない。

時刻は既に日を跨ぐ直前。

良い子はもうぐっすりの時間である。

さぁ、明日からは何をして過ごそうかな…

今の小さな身体にはやや大きなベッドに沈みながらそんなことを考える。

…まさかこれだけのことがあって、夢オチとか無いよね?

これからの日々に密かに心躍らせつつ、ゆっくりと意識を手放した。



翌日。

健康体である僕は朝きちんと起きられる。

こんなにも朝って気持ち良いものだったかな?

前の身体じゃ絶対わかんなかったよね。

目を覚まして、そんなことを考えながら起き上がる。

ベッドは部屋の脇に設置されている。

真横の壁にはカーテンがついているので、上半身だけ起き上がったままそれを開ける。

窓から入る陽の光が部屋中を照らす。

うーん、爽やかな朝。

時刻は午前7時。

耳を澄ますと隣のリビングから一定のリズムで何かを叩くような音が聞こえてくる。

お姉さんが朝食を作っているのだろう。

せっかくだし、手伝おうかなとベッドから降りようとする。

ところが、何かに引っ掛かって降りられない。

ていうか、半分寝ぼけてて気づかなかったけど、下半身が上手く動かない。

なんだろ、痺れたのかな?

前の身体では寝起きに足を攣ったり全身が痺れていたりがしょっちゅうあったので、ありえない話ではない。

……改めて考えると、どんだけ不健康だったんだ、僕。

いや、単なる運動不足か?

まぁそんなことはさておき、とりあえず足が痺れているのなら少し揉みほぐそうかな。

そう考え布団を引っぺがす。


白銀が視界いっぱいに広がった。


僕は言葉を失った。

陽の光を反射するように輝きを放つ綺麗な銀色は、寝起きの眼にはちょっと眩しい。

そしてその銀色は一点を中心に放射状に広がっていて、それが髪だと分かる。

そして、下半身が動かないのは、痺れているわけではなく、何かにのしかかられて動けないということにも気付く。

…お分かり頂けただろうか。

言葉を失ったのは、その綺麗な髪にではなく、今現在の状況にである。



マリナが僕に身を寄せて気持ち良さそうに寝息をたてていた。


………何故?

いつの間に僕は昨日出会ったばかりの女の子と大人の階段を二段飛ばしで駆け上がっていたのか。

昨日友達になりたいと言っていたはずなのに、こんなにも早く一線を越えてしまったのか。

そんな訳ない。

これはアレだ。

ラノベとかでよくあるシチュエーションだ。

いやでもそんな非現実的なこと、ありえないじゃないか。

…あれ、ここ小説の世界だっけ?

わぁびっくり。

ようこそ異次元。

我々が盛大に歓迎しようではないか。

…あれ、歓迎されるのは僕か?

お呼ばれされた側だったか。

おっと、自分でも何考えてるのかわかんないや。

落ち着け。

落ち着くんだ。

例えば今叫び声でも上げてみろ。

お姉さんがすっ飛んでくるに決まってる。

そうなればどうだ。

この状況を見てまずどう思う?

答えは簡単。

さようなら僕の人生だ。

あれ、極論過ぎるかな?

いやでも、そうじゃなくても僕にとってもこの子にとっても悪い方向にしか事は進まないだろう。

お姉さん勘違いしやすいからな。

いや、僕が勘違いさせてるだけか。

前の僕はこんなにトラブルメーカーじゃなかったはずだったけどなぁ…。

マリナの綺麗な髪を撫でながら考える。

なんでこの子は全裸で僕の寝床に来ているのか…ん、全裸?


改めてマリナを見る。

正確には、広がっている髪の隙間。

窓から当たる日に照らされているのは髪だけではない。

滑らかな白い肌が覗いている。


……気付くの遅すぎ。

ナンデアナタナニモキテイナインデスカ?


ちょっと待てよ?

昨日の夜を思い出せ。

この子は確か雨が降ってるから泊まるということになっていて。

寝る前に僕が見たときは確かに服を着ていたハズだ。

うん。確かに着ていた。

白いワンピースを。

じゃあ尚更おかしい。

ワンピース何処行った。

というかどうしてここに来たんだろう。

確かお姉さんと一緒に寝たはずじゃないのか。

なぜお姉さんは気付いていないのか。

今朝食作ってますよね?

疑問ばかりである。


……とりあえず起こそうかな。

気持ち良さそうに眠ってるから少し起こすのは忍びないけど、このままだと色々と誤解を招く。

それだけは避けたい。肩を軽く揺さぶる。

うわ、肌スベスベ…って、何を考えてるんだ僕は。

予想以上の肌の柔らかさに戸惑いつつ優しく起こすよう努める。

マリナが起きた。

俯せの状態で上半身を少し上げると寝ぼけ眼を手で擦る。

長い銀髪のおかげで見えてはいけない場所は見えていないのでそこは唯一安心できる点か。

いやでも、余計にエロスを感じ…いやいや!

煩悩は捨てるんだ。

冷静になれ。


「マリナ、朝だよ?」


頭を撫でながら話し掛ける。


「…………ん…」


マリナは小さく返事をすると、何故か僕の腰に手を回してくる。

抱き着く形のまま、僕のお腹に顔を埋める。

そして再び寝息をたて始めた。


……いや、起きてくださいよ。


起きてくださいよ!!


これは何かの拷問ですか!!

いくら外見が10歳でも中身は18なんですよ!!

それが今目の前で美少女が!!

全裸で僕に身を預けて眠っているんですよ!!

拷問以外の何物でもないじゃないですか!!

ヤバい!このままでは本当にヤバい!

何がヤバいって、自分自身の理性がヤバい!!

落ち着け。

鎮まれ内なる18歳の僕よ!!

深呼吸して素数数えて元素を羅列すれば大抵は落ち着ける!

えーと…僕数学苦手でした。

元素…元素?水素って水だよね?

駄目だ…前の世界の僕は駄目人間のテンプレだ!

なんで今まで気づかなかったんだろう!

今更涙が込み上げてくるよ!


ぐぅ…とにかくこの状況を打破しなければ!

とりあえず、気が引けるけど腰をがっちりホールドしてるマリナの腕を外して…そうだ窓から逃げよう。

既に遊びに行ったことにしてこの謎過ぎる状況を全てうやむやにしてしまおう。

うん。そうだそれがいい。

素早く優しくマリナの腕を外す。

もっと抱き着かれていたい本能の自分と、後でバレてしまってからの事を恐れる理性の自分が拮抗しあう。

しかしなんとか理性が勝ってくれた。

そうだ!このまま逃げられれば後で言い訳はいくらでも考えられる!

その後全力でマリナを愛でればいいじゃないか!!

そう自分に言い聞かせて未だに残る本能の自分を沈める。

…まぁ大人しく愛でられてくれるかどうかは怪しいんだけどね。

まぁいい。

今は脱出が先決だ。

ベッドの軋みを最低限に抑えて立ち上がる。

マリナを踏まないように壁づたいにベッドの端を歩き、背中越しに窓を捉えた。

今なら出られる!

勝利を確信した。

そう思った矢先。


「…………むぅ……」


ガシッと腰周りに再び捕縛される感触。

見下ろすとマリナが膝立ちで僕を捕まえていた。

さっきと同様、抱き着く形で。

…てか、起きていらっしゃったのですか。

それならそうと言って下さいよ。

もっと紳士的な対応が出来たハズなのに。


脳内全力現実逃避。

こうなっては思考は全く役に立たない。

後に残るは完全なる現実への敗北と、これから起こりうるであろう可能性への恐怖のみ。


「………マオ。」


「…な、なんでしょうか…?」


寝起きの半開きの眼がじっとこちらを見詰めている。

その仕草も可愛いので内なる本能が喝采を上げている。うるさい。

ドキドキしながら何事か待つ。

そしてマリナが小さく口を開いた。


「………逃げちゃ、駄目」


何故ですか!?

私今社会的に大ピンチなんですよ!?

マリナはさっきよりもがっちりとホールドしてきて今度はむやみにほどくことができない。

そのままマリナは僕のお腹に顔を擦り付けて満足気に喉を鳴らしている。

…10歳くらいの見た目なのになんでここまで魅力的に見えるのか。

ストライク補正とやらか。

好みド直球だとロリコンにもなりえるのか。

性癖って怖い。


さぁ、どうしようもなくなってしまった。

マリナさんのわがままにより、逃げることは許されないらしい。

僕が何かしましたか?

しかしこのままだとお姉さんにこの状況を見られ、さらに状況は悪化してしまう。

確実にその時は近づいている。

だがしかし、まだ手はある。この状況を甘んじて受け入れ、少しでも改善するんだ。

例えばそう。


「えっと…マリナさん?」


「…ん、何?」


「……服を着て下さい。」


「………えっち。」


会話を成立させてください。

言葉はキャッチボールするものです。

お願いします。

本当にお願いします。

だからやめて。

ちょっと頬を赤らめるのやめて。

可愛さと恥ずかしさが相まってそろそろ理性が限界ですから。

これが二次元ならネットで「マリナたんprpr」とか書き込むレベルですから。

粘ってみたけど、結局服は着てもらえなかった。

裸族とかじゃないよね?


そしてとうとうその時はやって来る。

コンコンとノックする音が部屋に響く。

あぁ…これは無理だ。

せめて土下座でもして誤解を早く解いてしまおう。

ドアが開いた。


「マオ君ー、朝食できたけど起きてるか…な…」


ドアの向こうに立っている人物はエプロンと三角巾をつけ、フライパンとお玉を持って硬直している。

そして僕も硬直している。


「………村長?」


マリナが振り向きながら呟く。

そう、目の前に立っているのは村長。

何故か家庭科実習のような格好で爽やかな笑みが固まっている。

………お姉さんよりもタチが悪いかもしれない。

なんせ、こういった状況を目にするのは初めてのハズだから。

きっと運命の女神様とかがいたとしたらこの状況を見て大爆笑していることだろう。

しかしこの村長は実に空気の読めるイケメンだった。


「……うん。君達にはちょっと早いと思うけどもうそこまで進展しているんだね。僕は止めはしないよ。ごめんね、もっと早く気がつくべきだった。あ、ご飯ならあとで暖められるから気にしないでゆっくりしていってね。」


こっちが口を挟む間もなく早口でそう言い切るとドアを閉めて行った。

部屋を不自然なまでの静寂が包む。

マリナはキョトンとしている。

そして僕は。


「…キャアアアアアアアアアアアアアアアア!?」


女々しい叫び声が家中に響いた。

すみません

本当にすみません


気は済みました。

スッキリです。

これでようやく次話のネタを考えることができます←ぇ


夏休みなんて無かった。

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