彼女との朝
僕は彼女が好きだ。
好き過ぎて散歩していると、自然に歩く方向が彼女の家へ向くレベル。ちなみに彼女の家はたまたま家に入って行くところを見て知った。ストーカーじゃないよ。愛を求め過ぎた結果だよ。
これは初恋と言っても過言でもない。
初恋は必ず失敗するというが、そうはさせん。この僕が必ずや彼女ルートを攻略してみせる!
まずは朝の挨拶だ。 元気よくいかないとね!
「おはようーーーーー!!!」
「朝から元気ね」
「いや、朝から可愛い人見るとテンション上がらない?」
「そうね。だけど逆に、気持ち悪い人見るとアレよね。吐き気を催すわ」
「そうそういないでしょ! 吐き気を催すぐらいの気持ち悪い人なんて!」
「あら、さっそく一人見つけたわ」
「どこどこ⁉ 」
「私の目の前」
「って、俺かよっ!! 」
我ながら見事なノリツッコミ。これはオチた!!
「………オエッ」
「マジの方⁉ 冗談じゃなくてマジの方かよ! チクショウ!」
まぁ、大好きな人の吐き気を催す絵も、これはこれでいいね。
「ところでオエッ……なんの用かしら?」
「僕と目を合わさなくていいから、吐こうとするのやめて!!」
「それで、何の用なの?」
「本当に目を隠すんだ……。挨拶しようとしただけだよ。抱きつこうとした訳じゃない」
「もしもし黒の組織の人ですか?」
「やめて! 冗談だから小さくなる薬飲まさないで! というか黒の組織の電話番号知ってるんだ!? 」
「もしもしこの人のお母様ですか?」
「やめてよ! 本当やめて! 死にたくなる!!」
「知らないわよ」
「何て身勝手な! でもそんな所が可愛い!!」
「もしもし腕利きのスナイパーですか?」
「照れてるの? 可愛いなー」
「照れてないわよ。私が可愛いのは私が一番知ってるわ」
「違うよ」
「え? 」
「一番は僕だよ」
「………生意気ね」
「てへっ」
「……じゃあね、私クラスこっちだから」
「うん、また後でね!」
「ええ。生きてたら、ね」
「まさか雇ったの!? 腕利きのスナイパーを!? 」
と、こんな感じ。
どう? ラブラブでしょ? こんなものを世間的にはリア充って言うんでしょ? ごめんねー、僕ばっかりリア充になっちゃって! でも諦めないで! きっと奇跡はやってくる筈だからさ!
一回でもいいから、モテ期と言うのを味わいたい作者です。